Music Synopsis

音楽に思考の補助線を引く

映画音楽の巨匠 ジョン・ウィリアムズ/ハンスジマー

※2018年に出した記事ですが、ここ最近当記事のアクセスが多いため改稿しています。

拙作のうちの一つなので、欲を言えば全てを改稿したいのですが、時間がないため最低限にとどめています。

 

・ジョンウィリアムズ

ジャズ畑出身の人でありながら、映画音楽で一番名声をなした人物であり、彼が手がけた音楽を一曲も知らないという人は存在しない。というのも、担当した映画作品が全てハリウッドの超大作・名作であるからだ。劇伴を担当した有名映画作品をあげると

これだけの超大作の劇伴を作り、全て有名なのもすごいが、何がその凄さをより立たせるかと言うとSWに関しては映画を一切見たことがなくただただスタジオで作業し終わったら、「あー終わった」っとスタジオを後にするだけと言う逸話があるところ。

これらについてはセンスというよりもジョンウィリアムズが持つ、クラシックへの造詣がなどが強く影響していますが、その上で全てジョンウィリアムズの感覚というものは機能しているので、やはり凄いです。同じ造詣をもっていても、誰しもがジョン・ウィリアムズのような作家になれないのは自明ですし。

誰もが知っている劇伴音楽を作り上げたその底力には何が影響をしているのか。先述したが、クラシックの再現性というのが非常に高い。

例えば「JAWSテーマって何かに似てるなー」

と思う人も多いかとは思います。それもそのはず、ストラヴィンスキーの『春の祭典』のからのメロディを引用した形の劇伴であるからです。

また、『スター・ウォーズ』ではホルストコルンゴルトの影響が

ハリー・ポッター』シリーズではチャイコフスキーの影響がそれぞれ入っています。

この点については、別個で『組曲:惑星』を特集した記事に詳しいので併せて読んでいただければと思います。

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ハンス・ジマー

日本では、ジョンウィリアムズ程の有名ではない(swのような革命を起こした映画自体稀有なわけで)が、近年の名作やヒット作という点においては、大体この人っと言ってもいいくらいの人です。

多分、一番有名なのは、パイレーツオブカリビアンの「彼こそが海賊」ですね。

彼こそが海賊

彼こそが海賊

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この曲はクレジット上はクラウス・バデルトですが、共同制作ということでハンス・ジマーも関わっています。ハンスジマーが土台をつくり、クラウス・バデルトがアレンジを加えたという形になっているため、クレジットがクラウス・バデルトとなっています。しかし、その後のパイレーツシリーズの劇伴がハンスジマーであることを踏まえると実質ハンスジマーの作品であると考えてもおかしくないでしょう。

 

ハンス・ジマーが劇伴を担当した有名どころの映画は、ノーラン作品との相性でよく知られています。『ダークナイト三部作』、『インターステラー』、『ダンケルク』などといった大作は全てハンス・ジマーが担当しています。

また、いうまでもなく現代の映画音楽の巨匠の1人でもあるため、他の大作も手がけています。2017年にはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『ブレードランナー2049』の劇伴を担当しました。

ブレードランナー』のオリジナルは、ヴァンゲリスというこれまた、素晴らしいシンセサイザー作家が担当していますが、元々がギリシャ出身の音楽家であるため、アメリカ映画サウンドとは違う魅力のある劇伴ですが、ハンス・ジマーはそれを踏まえて、ヴァンゲリスサウンドを踏襲した音楽を作り上げました。とはいえ、若干中途半端な劇伴な気もします。これについては、元々劇伴を担当するはずであったヨハン・ヨハンソンの降板が関係しています。この点については以下の記事に詳しいです。

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ハンス・ジマーの日本音楽とを考えるのでれば、やはり澤野サウンドがまさしく影響下といっていいであろう。詳しいことは個別で特集するが、澤野弘之固有のサウンドワークスの迫力さにはある種アメリカ劇伴型の魅力があるといってもいいでしょう。

 

 

EGOISTについて

iTunes GREATEST HITS 2011-2017 “ALTER EGO” - EGOIST

当アルバムの中から、1,3,5,7,13,15あたりお勧め。

2011年、というか時期は詳しく書かないが、ギルティクラウンという、全てのスタッフが一流の「経歴」を持ち、声優も、今では有名どころで名を挙げている人が「事務所に」推されていた時のアニメなので、まぁ今見ると豪華というか。そんなスタッフ陣で創り上げる「はずだった」覇権アニメ。

結果は、音楽陣(澤野さん、ryoさん)だけが、異様な完成度を誇っていただけと言う。作画や声優ももちろん良かったが。ただ、覇権アニメを目指して作れらたからこそ、厳しい目で見られるものの、普通のアニメとしてみたら、まぁまぁ出来はいいと思います。そんなギルクラの最大の功績は「EGOIST」を産んだこと。the everlasting guilty crownや、departures〜あなたにおくる愛のうた などの名曲を生み(11-12年のryoさんは、頭がぶっ飛んでいるのではないと思うくらい、リリースした曲が良すぎた。この期間で、本物の作曲家だと確信した。)、アニメが終わっても、produceはryoさん続投で、psycho-passや、甲鉄城のカバネリ伊藤計劃project 三部作、fate/Apocryphaなど、人気アニメの主題歌を手がける「アーティスト」へ昇華していき、今や、アニソン界の第一線を走っています。売り方もうまく、アニメ産と言うこともあり、架空がゆえに、ジャケットなどは、EGOISTのキャラデザを担当した、redjuiceさん(spclメンバー,wimのイラスト担当など)が、毎度書き下ろすため、毎度、世界観に沿ったイラストが飾られ、アニメファンのみならず、絵から生み出される魅力で、様々な人を虜にし、spclと同じくらい信者が生まれました。

音楽性は、supercellのような明るく、ジャズ調で、女の子が散歩するような曲ではなく、ダークで、むしろspcl調から180℃変わったような。そんな楽曲が多いです。が、それゆえに、壮大さのある曲(KABANERI OF THE IRON FORTRESS)や、かっこよさ全開な曲(名前のない怪物、fallen)、時たま仕込んでくる、バラード調は、美しく、感動の渦に巻き込んできます。ghost of a smileとかまさにそれ。

また、雨、キミをつれてなどの、spcl風味のegoist曲もあり、発表名義はEGOISTだが、たまに、そう言うテイストを持ってくるryoさんの手腕にまた、やられてしまうんですよ。

ここ最近はEGOISTの方でも、リリースが少なく、とても寂しい限りですが、EGOISTのvo.がsoloをやるかもしれない、みたいな雰囲気が出ており、その記念か、菅野よう子さんが作曲した曲を、chelly名義で歌うなんてことも出てきて、もし「アーティスト:chelly」が爆誕したら、ryoさんは、やなぎなぎに次ぐ逸材を、またソロ界隈に出してしまったのか、なんて思ったりします。

ryo(supercell)さんと言う作曲家は、自分が最も信頼、尊敬を抱ける作家であり、j-pop界隈の作曲家の中でも上位に入るくらい大好きなので、ちょっと誇張表現があるかもしれませんが、ご了承ください.

(自分とtwitterなどで親しい人は、どれだけryoさんが好きかを知っているかと思いますが)

因みに、自分が一番好きなEGOIST楽曲は、「Departures~あなたにおくるアイの歌~」と「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」です




growing pain 放課後ミッドナイト

なんと言うか、anchorは、ここまでの実力をつけていたのかと思うほど、良い。kemu云々とか、そう言う域はとっくに区切りをつけており、anchor節のようなものすら感じられる。growing pain(以下gw)は音の重圧が激しく、ここは流石、zingとでも言うべきか(やはり、演者が実力者だかけなのはでかい)。

そして放課後ミッドナイト、これは、正直anchor曲で、初めて、曲の展開が読めない曲となりました。

具体的にどこかって言うのは、言わずともわかると思うので省きます。正直こっちはgpと違って、なんと言うか、普通の音圧の曲な感じがし、構成ならこっちが好きですけど、音並びとかで言うのなら、gpが好きなので、今後、これらを合体させたような曲が生まれるといいなと思っています。

marine mirageを作れるanchorさんなので、今後も様々な場面で色々な曲を手がけてくるはずなので、これからも応援したいですね。 口笛は正直、いらなかったですけど、面白さと言うか、斬新さがあったので、okです。

「Q」&「A」 なんで 感想

「Q」&「A」、、アヤノの幸福理論や、オツキミリサイタル系統の音で構成されている本楽曲、Aメロは、和音で進み、あまり派手さがなく、bメロから滑らかに進み、サビへ。特にかく、構成されている音がじんさんでないと造れないような集合体であり、この曲のクオリティの高さは、メカクシティ3rdの全楽曲より高く、不満なところは、ドラムの厚がないくらいしかないです。 じんさんが得意な楽曲だからこそ、より洗礼されたものになっており、いいものになっているのだと感じました。

<hr>

なんで、、99%の圧倒的な完成度と1%の惜しさ。自分はそういう評価で固まりました。じゃあ、その1%なんだよって。これはある意味好みの問題でしかないのですが、1m5s付近(誤解ばかり生まれるのだろう)の「だろう」の裏メロの支えの音が単純すぎるんですよ。奇を衒いすぎるのも、ダメですが、もう少し、変わった音の構成が欲しかったです。

小林武史プロデュース ベスト作品群

国民的アーティストであるミスチルや、サザンの人気楽曲には彼がプロデュースとして携わっていることが多く、またback numberやレミオロメンなどの代表作にあたる楽曲のプロデュースなどもしています。卓越したセンス&理論知識で数々の名盤・曲を送り出した作曲力(クラシックから音楽の世界に入り、洋楽からジャズなど幅色いジャンルを抑えている)、編曲能力により、産み出された楽曲を、数あるcdの中から10枚をあげます。ベスト10と題していますが、正直優劣はないです。あくまで、筆者が思う、おすすめ作品とでも思ってください。

※ 作曲のクレジットが、バンドのメインメンバーの名前などが基本ですが、それらのアーティストにも当然畏敬の念を払った上で、小林武史さんの良さを書いているので、そこだけ理解をお願いします。

 

1.salyu/terminal。 

to Uのメロディライン、音の感覚であったり、楽器バランスどれをとっても文句なしの強すぎ楽曲。こんなにも心優しいサウンドは中々ないです。

風に乗る船は、サビの持っていき方が少し特殊というか、変わった持っていき方で、昨今ではあまり使われていないので、そういう意味では、新鮮に感じられます。

to U (Salyu ver.)

to U (Salyu ver.)

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あとBメロの異質さでいえば、他の小林武史作品でも類を見ないほど高いものになってる。 

風に乗る船

風に乗る船

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2.  Mr.Children/discovery

Discovery

Discovery

これは外せない。本アルバムは、間違いなく当時の洋楽ムーブメントを盛り込んだ意欲作でもあり,やはりクオリティは高い。様々な変化球で作られており、楽曲の幅の広さに驚く。終わりなき旅などといった名曲も収録されています。当時台頭していたレディオヘッドなどの影響が顕著に見られますね。この90年代はオアシスとかに代表される当時からしThe Beatles再解釈みたいなバンドが多く、その潮流を小林武史さんなりサウンドを分析した節が感じられますね。

DISCOVERY

DISCOVERY

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 本作はplanet telexと airbag

を組み合わせたミクスチャーのような曲ですし。

終わりなき旅

終わりなき旅

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何と言っても、終わりなき旅の完成度は、歴代の邦楽全体的にみても、かなり上位だと個人的に認定しています。(邦楽をあまり聴かないryoさんでも影響をうけるほど)

僕らのあしあと (Album Mix)

僕らのあしあと (Album Mix)

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ちなみに、ジャケットは、グラミー賞最多受賞のU2のアルバム「The Joshua Tree」を真似てます。 というか、ミスチルのアルバムは洋楽のジャケットや、芸術の絵から取っているものが大半な気がします。

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3.montage/yen town band

岩沢俊二監督作品、スワロウテイルの作中の音楽を、メジャーアルバムで出した時の作品。今でいうとEGOIST(ryoさんプロデュース)のような立ち位置のアーティストであり、週間一位を取るという意味で、当作品は、けいおんが出るまで(12年弱の間)、唯一無二の、「架空のアーティスト」という媒体でとった作品だった。montage/yen town bandは、 全体的にダークな感じがありつつ、明るさを失わない程度に抑えているとでも言いましょう。7-80年代の洋楽ロックバンドっぽさがどこかある。

これと↓

Swallowtail Butterfly~あいのうた~

Swallowtail Butterfly~あいのうた~

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 個人的

上海ベイベ

上海ベイベ

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 が好きです。

 

4. evergreen / My Little Lover

Evergreen

Evergreen

 

このアルバムは、ミスチルを売れっ子に仕上げていた最中に、プロデュースした作品であり、280万枚を売り上げるという驚異的なことを成し遂げた。ま、そんなことよりもポップス作品の一つの到達点ということが大事。音楽が好きなら聴いておかなければならないと言っていいほどに。

Hello,Again~昔からある場所~

Hello,Again~昔からある場所~

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Man&Woman

Man&Woman

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ピアノが前面に押し出されており、そこに装飾で、色々な楽器を付けたような楽曲

Magic Time

Magic Time

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や、当アルバムで一番人気がある

Hello,Again~昔からある場所~

Hello,Again~昔からある場所~

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 など名曲が揃っています。個人的には

Man&Woman

Man&Woman

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 が好きです。

・new adventure/my little lover

 こちらも実験的なサウンドが明白にでつつも名曲の嵐ですので、evergreenで興味を持てた、あるいはハマったら是非聴いてください。

 

 

5.呼吸/lily chou-chou

こちらも、3同様、映画の中に、存在する架空のアーティスト(Lily Chou-Chou)の作品をメジャーに出した作品。そして、1で書いたsalyuさんがvo.を務めています。小林武史作品の中でもスルメアルバム第1位 裏の最高傑作といってもいいでしょう。小林武史サウンドの本質が詰まっています。

Kokyuu

Kokyuu

共鳴(空虚な石)

共鳴(空虚な石)

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飛べない翼

飛べない翼

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グライド

グライド

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 このグライドなんかは非常に分かりやすいけど、その手があったかと思わされるほど上手い。

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 明らかにこれを意識しているものの、それ以上の代物に仕上げているところがさすが。

 

 

6.稲村ジェーン/サザンオールスターズ こちらは、サザンの桑田さんが初監督として、メガホンを取った映画「稲村ジェーン」の音楽であり、形式的にはサントラに当たる作品ですが、異例のミリオンセラーを記録しています。(出荷枚数は200万枚超え)

Inamura Jane

Inamura Jane

 言わずと知れたイントロで有名な真夏の果実と、希望の轍

真夏の果実

真夏の果実

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希望の轍

希望の轍

  • 稲村オーケストラ
  • J-Pop
  • ¥250
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特出してすごいのは、track 2(希望の轍)6(真夏の果実)のイントロは小林武史からのものであり、この二曲はライブでは定番になっています。なんというか、このイントロだけで値段以上の何かが得られます。イントロ大王と言われるだけのことはあると、誰もが思う。そんな2曲です。真夏の果実のイントロは完成までに3日かかったそうです。

 

7.深海/Mr.Children

深海 - Mr.Children

 

シーラカンス

シーラカンス

名もなき詩

名もなき詩

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 多分ミスチル史上最高傑作と謳う人が一番多いアルバム。

トラックの構成からずるいアルバム。深海というタイトルを被り、ラストに深海を持ってくるだけで、名盤だなと思えるのに、肝心の曲を聴くと、「ここまで作風に沿って作れる小林武史さんは一体何者」っと思えてくる。もちろん桜井和寿さんの作曲能力も絡んでいますが。因みに1,2は繋がっている系統のやつで、シーラカンスはこれまたryoさんがspcl3rd albumに当たる、ZIGAEXPERIENTIAの 

No.525300887039

No.525300887039

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という楽曲で、でオマージュというかリスペクトしている。かなり影響を受けていますね。

名もなき詩、これも傑作。

このアルバムはピンク・フロイドの狂気を踏襲しているように思います。

 

 超名盤ですね。

 深海のジャケットも以下の写真をモチーフにしていると思います

f:id:sai96i:20190626210838j:plain

多分元ネタはこれかな。

 

より深く探りたい人向け・プログレってなんだよって人向けに

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8.アンコール/back number

Encore

Encore

  • back number
  • J-Pop
  • ¥2750
クリスマスソング

クリスマスソング

  • back number
  • J-Pop
  • ¥250
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ヒロイン

ヒロイン

  • back number
  • J-Pop
  • ¥255
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 このヒロインなんかは、レミオロメンの粉雪の構造をそのまま持っていきていますね。

ハッピーエンド

ハッピーエンド

  • back number
  • J-Pop
  • ¥250
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back numberは、ここで紹介しているアーティスト中では一番新しいバンドであり、現在も一線で活躍しているバンドです。そんなバンドにも、小林武史さんは関わっています。いってみれば影の功労者です。

正直な話、この2曲はミスチルなどを聴きまくったせいで、小林武史サウンドのパターンが6割くらい理解してから聞いた曲なのであまり、衝撃というのはなかったですが、90年代に生み出したサウンドを残しつつ、10年代だからこそ作れたであろう音も混じっており、とても楽しめました。ベタな選曲ではあるが、それくらい強度の高い楽曲であると思って見逃してください。

 

9.bolero/Mr.Children

Bolero

Bolero

Tomorrow never knows(remix)

Tomorrow never knows(remix)

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シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~

シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~

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よくベスト盤だなんだで、いまいち評価が定着しないこちらのアルバムですがUKのパブロックを踏襲したサウンドの数々が収録されているという点ではやっぱり良作だし。前作の深海から一転した作品になっているのもポイントが高い。そして、remixのtommorow never knowsを抜けば、ボレロがラストの曲になるわけですが(自分は、remixのtommorow never knowsを先に置いて、最後にボレロという構成でプレイリストを組んでいる。)そんなこんなで筆者はミスチルのアルバムの中ではこれが一番の出来だと思う。一番売れたのはatomic heartですけれど。クラシック上がりだからこそかける曲「ボレロ」曲自体は、本家元と同じ構成で、だんだんと盛り上がっていく構成なのですが、そこに挟まれる小林節がなんとも言えない味を出しているんですよ(編曲は別ですけど)。3:15付近の裏メロなんてまさにそれ。そして意外なアウトロー。あとシーソーゲームはお手本と言ってもいいレベルの構成ですよね。こういう曲をかける人はなかなかいないと思う。

 

10.言葉にしたくてできない言葉を/桐嶋ノドカ

 

邦楽で一斉を風靡した小林武史さんと、ボーカロイド界隈の頂点をとったryoさんとのWプロデュース案件という。自分からしたら、これ以上ないレベルの作曲家たちによるコラボ楽曲。正直受け自体は悪かったものの、コラボした甲斐性は見出せました。

シーラカンスや、終わりなき旅でryoさんに言及していたのは、最後にこれを書きたかったっていう意図があったりしました。まぁ本当にいいと思ったからっていうのがまず最初にありますけど。曲に関してですが、常にニヤニヤしちゃうくらい、この曲は特殊なんですよね。桐嶋ノドカのために、ryoさんが書いた曲を、小林武史さんが編曲した感じが楽曲からにじみ出ていて、もう聴いていて、耳が幸せになること、この上ないです(特にspclが好きな人)。歌詞がryo(supercell)で裏打ちのピアノが小林武史っていう感じがたまらないですよ。最初の「one ,two」からギターのためで音楽が始まるところとか、完全にryo(supercell)楽曲的アプローチ。歌い方で、歌詞を凝縮しているあの感じも楽曲に歌詞を混ぜ合わせていくという点で非常にsupercellの音楽性と似通っている。

 

 

sai96i.hateblo.jp

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 ryo(supercell)の音楽を知りたい人は是非、こちらの記事を読んでください。

おそらく、ネットにある記事の中でもかなりの高水準を誇る記事だと自負していますので。

JACOB COLLIERについて

最近よく、聴くんですよね。音楽家の家に生まれた人だから、圧倒的な楽器の量。もちろんそれぞれをしっかり演奏することができる強者。若干24歳だが、すでにインストゥルメンタル楽曲などで、賞をもらったりしている。聴けばわかると思いますが、圧倒的なセンス、そして、様々なジャンルの融合性。

それら合間って、とても、神秘的な空間に誘われうような楽曲群は抜群。

Don't You Worry 'Bout a Thing - スティーヴィー・ワンダーのアカペラ&楽器演奏の一人多重録音によるカヴァー動画を動画投稿サイトに投稿したことにより、注目のされた背景を考えると、「今の時代有能な人はやはりそういう形で人気になるよなー」と感じました。

つい最近知ったので、あまり多く語れてませんが、結構いいアーティストなので、何曲か聞くことをお薦めします。

三矢禅晃について

スズム名義現役時代を知っている人なら、、まぁよく、彼の曲に参加していた人です。最近ならafter the rainとかにもちょくちょく出てますね。最近ではまふまふ氏が、米津玄師の楽曲をカバーするときのアレンジで名前を見る気がします。アレンジ力はあるほうだと思うのですが、如何せん、オリジナル曲というものが少ないからか、作家性というものが見えないのです(記事が遅れている原因の一因)。


本編↓

まず、この人の詰め込まれた音源の集合体は、

これが一番分かりやすいかと思います。色んな要素が(ギターとカッティング、メロディ、ドラムのリズムの刻みかた、曲の展開など)詰まっており、atrやまふまふ関連の編曲を聴き慣れている人が聴いたら、多分、そっち関連でのクレジットにおける編曲:ぎぶそんの偉大さが身にしみるかと。


こちらは、全体的に

Stairway to Heaven

Stairway to Heaven

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 で、led zeppelinの偉大さを知れます。

ただ、この楽曲は何が面白いって、世界的名曲Stairway to Heavenを、どこまで「ボカロ楽曲」へと、「編曲」落として混んでいるかいう変換が分かりやすいんですよ。元があまりにも有名すぎて。そういう意味で、この螺旋階段ってタイトルから溢れ出る、zeppelinのフォロワーが、曲名、曲ともに、影響を残しつつ、タイトルも厨二チックに変えた、一曲です。


さぁ、コメントにもある通りsasakureのタイガーランペイジのイントロそっくりで始まりますが、この手の音楽はボカロ界隈で言うのなら、wowakaの時代からあり、もっと言うと、そのwowakaはナンバーガールを影響を受けたアーティストと公言している(てか最も影響を受けているレベルだと個人的に思う)ほど、音楽性に影響を受けており、まぁオルタナティブロックというジャンルの時代の継承者的な、そう言う人です。もっと昔で言うと、beckとかが、サウンド的に一番分かりやすい。

Odelay

Odelay

 

 

Devil's Haircut

Devil's Haircut

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Where It's At

Where It's At

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The New Pollution

The New Pollution

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 タイトルから脱線しすぎて「wowakaとオルタナティブロックについて」の方がいいんじゃないかと思ったので、ここまでにします。

 

 

 

 

サカナクションについて。

様々な動画で使われており、新宝島 - サカナクションから、夜の東側 - サカナクションといった、あまり音を重ねず、ノスタルジック的な曲までと、なかなか面白い引き出しを持っているなと思えるアーティスト。アーティストというより、この場合山口一郎さんが凄いというべきか。

何が面白いって、新宝島のダンスがドリフからのオマージュだったりするところなんですよ。その世代の人が見たら、一発でわかるようなネタを、少年ジャンプの実写映画の音楽mvにするあたり、センスがいいというか、変に狙った感じを出さない感じがなんとも。スローモーション - サカナクションなんて、5割くらいの人が「あ、これyellow magic orchestra(ymo)のRYDEEN - YELLOW MAGIC ORCHESTRAが着想では?」と思えるくらい、イントロから、音まで、まぁ「気づいてください」的隠しメッセージを出すのが最高と言いますか。いろんな音楽を聴いていて、イントロをまんまパクるとか、そういったことをせず、しっかりとオマージュと言えるくらいの楽曲に仕上げてから、なおかつ、聴く人が聴けば、一発でわかる。そういったスタイルを、貫いているように感じて、それが個人的にいいなと。

個人的に一番サウンド的にいいなと思った曲は、Klee - サカナクションですかね。

いつも以上に、参照曲が少ないのは、一昨日あたりから、まともに聴き始めたからなんですよ。

まぁだからなんだって話と言われれば、それまでなのですが。

ピンクレモネード

三月のパンタシアというアーティストの楽曲。が、どうしても編曲者が堀江晶太な故に、楽曲が完全に堀江曲になっているのが、個人的にまず良いと思った。食っているというか、まぁ「編曲」という点において、アニソン界隈の若手で、堀江さんほどいろんなアーティストの曲を手掛けている人ってなかなかいないので、そういう面で、三月のパンタシアさんサイドからしたら、勉強になったと思います。


楽曲についてですが、まず何と言ってもピアノの使い方がうまい。kemu時代のインビジブルからずっと思っていて、ここでも少し言及したのですが、全体図に飾り付けをしたり、装飾としてつける技術がすごくあると思うんですよ。それがあるとないとでは、全然違うと言っても過言ではないくらいに。instrumental版を聞けば、もうすごくエモいというか、それだけ感激して泣いてしまうレベルにヴァイオリンなども適度に入れてくるんですよね。3m20s~3m25sあたりとかまさにそれ。あとサビ前で、一番ではc# c a# g#で明るい展開を出して、さぁ、二番はどうだって身構えていたら、何とドラムをメインにするためにピアノをベースラインに持って言ってくるという圧倒的奇抜さ(爆音で聴くと、一番と同じc# c a# g#を鳴らしているんですが、ドラムを付け加えたことで、ここまで変わる)今までの堀江さんからはあまり考えられなかった展開だと思います。この楽曲の味は本当にここだと思っていて、もちろん歌っている人の歌声、歌詞もいいとは思うんですけど、楽曲がそれらを圧倒的に上回るクオリティでした。ぜひ聴いてください。

歌詞ありとinstrumental、両方をセットで買って、総合的に楽しんだり、楽曲だけで楽しんだりすることをお薦めします。


iTunes ピンクレモネード - 三月のパンタシア




メカクシティリロードを聴いての感想。

アルバムを聴いた感想です。

本作は、数年振りのじんが送る「カゲプロ」シリーズの最新アルバムというポジション

コンテンツがあまりに大きくなった所以として、中々苦労しているから今一度という形で出したアルバムなのでしょう。

 


エバーユースロードショー

エバーユースロードショー

エバーユースロードショー

  • じん
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夕映えの向こう、今も浮かぶ景色がある。にわか雨の元に思い出せない季節がある。という台詞インストはじんの作品ではお馴染みですね。

 

イマジナリーリロード

イマジナリーリロード

イマジナリーリロード

  • じん
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 ボカロp時代のじんサウンドが好きな人は多分これが一番適正ではないかなと思う。

というのも本楽曲は2018年時点でのじんだからこそ。という成長が見られる。落ち着きと衝動的なギター、ピアノの配列が昔のそれとは明らかに違う。Neruが取り込みそうなリズミカルと歌詞で遊んでくるような感じも、新たな作りの一つ。ギターよりベースが目立っているのも昔ではあり得なかったですね。とはいえ3m11s前後でみせるタメからの爆発という展開はじんならではのかっこよさ。総合的にみて大正解だと思います。

 

 

失想ワアド

失想ワアド

失想ワアド

  • じん
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 イントロでベースが踊るというボカロ楽曲ではありそうでなかった着眼点。爆発型の入りではありますが、そこに弦楽器を導入してくるのも大胆でありながら、お互いを食ってないバランスが妙。bメロの跳ねるようなじん節から「不思議なことに〜」と歌詞がスッと入ってくるこの感じは昔のバラード楽曲からわかるようにじんのセンスが光っていますね。最後で歌詞が爆発するのも本楽曲では十二分に生かされてますね。全体的にみて、何が一番いいって、ベースと弦楽器との掛け合いなんですよね。こういう楽器の音を、思わぬ方向と組み合わせるってのは本当抜群だと思いますしやっぱり作曲能力が一段と高い証拠です。あと、じんがryo(supercell)的な歌詞の「甘み」を獲得しているのが最後の締めでわかるのが最高ですね。影響云々はわかりませんが、そういった「歌詞」を楽曲に載せてっていうのはそれこそ本作だからこそできる作り。

natalie.mu

ここでも歌詞について感じ方が変わったということをいってますし。

歌詞の表現はすごく変わったと思います。小説だったらト書きまで全部作品になるわけですが、歌詞っていちいち“私がどうした”とか“あなたがどうなった”とかを全部を説明する必要はないんですよね。歌詞という正解がない言葉の表現方法の中で、何を伝えれば僕自身が正解と思えるのかをものすごく考えました

 この考えが一番出ていると思います。

 

 

マイファニーウィークエンド

マイファニーウィークエンド

マイファニーウィークエンド

  • じん
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オツキミリサイタル的明るさと、ポップアップなサウンド性。転調の妙も含めて基本的に良いと思うのですが、楽曲全体にかかる圧が少し薄い気がする。もう少しその点を詰めていれば好きになれた。

 

アディショナルメモリー

アディショナルメモリー

アディショナルメモリー

  • じん
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今作のアルバムの中で一番の駄作。

数秒でも明らかに性質の違う音を入れると、興が削がれるという点で一番いい例だと思う。というかノれないんですよね。なんというか懐メロながして「おおお」と下敷きを引いた上で、本丸がくる感じが好きではない。本来イントロのような曲一直線でも良い曲は作れるのだから余計に「それいるか?」と思ってしまう。主体となる楽曲はじんの今というべきかっこよさ全開の楽曲。サビの入りがA溜め爆発型ってのもこの手の楽曲でやられるとほーっといった気持ちになります。ベースの繋ぎとギターの装飾的な役割及、ピアノとドラムとの組み合わせ、そしてサビで全ての楽曲が勢揃いする感じも気持ちが良いものになってる。最後ひぐらしで終わるのもストーリー的な楽曲という意味ではいいかもですね。

 

 

ロストデイアワー

ロストデイアワー

ロストデイアワー

  • じん
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アコギ弾き語り型の楽曲です。この曲も歌詞の上がり下がりなど、ローテンポでも魅せられるという印象を受ける。全体的に薄い気もするが、この手の曲はこのくらいがいいので仕方なしというところ。というか歌詞を聞かせたい曲なんでしょうね。曲として聴かせるという試みではない。

 

リマインドブルー

リマインドブルー

リマインドブルー

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枷を外したじんが存分にかっこいい曲を作ったらこうなりました感がすごい。イントロが長いのに、退屈でないところがまずポイント高い。歌とギターとベースの三者の掛け合いが絶妙ですね。ときたま歌が先にいく感じの料理の仕方もいい。bメロもじんにしてはサビ掛け型とい珍しい手法。サビの音楽を聞かせたい助走として作っている点がいいですね。ベースとドラムの掛け合いがいきなり二番はじめに聞こえてくるのも、すぐにサビにいくためだからと推測。とにかく「サビ」に石をうったような作品です。かっこよさ、バラードさ等じんがもつ「節」が見え隠れてするのに、新しい境地を感じられる素晴らしい作品です。最後の「一緒に」もやっぱり歌詞のことを考えなければ作れないと感じる。要はこの作品のなかで控えめなのに一番バランスと新しさが取れているということです。 

 

 

忘れてしまった夏の終わりに/グッバイサマーウォーズ

忘れてしまった夏の終わりに

忘れてしまった夏の終わりに

  • じん
  • J-Pop
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 ボカロpが作曲する「夏」テーマに名曲が多すぎ法則(うたかた、夏の終わりに隠した しかり)にこの曲も当てはまっており短いのが惜しいくらいいい曲ですね。ストレートにピアノ一本っていうので私はやられやすいんですけど、この曲はまさにって感じでツボを抑えられました。1m41-44sあたりとか「じんのバラードここに極まり!!」と情緒的メロディ。あまりにストレートなメロディ楽曲だからこそ5,6mあっても絶対退屈しないので、この曲の長い版をいつか出して欲しい。ギターのかっこよさがある曲や、ベースラインと弦楽器との組み合わせの曲もいいが、一直線のメロディ型の曲こそじんさんは輝く作家だと思っているので次作でなんとかその辺よろしくお願いします。

 

こんなこと言うとおこがましく聞こえるかもしれないんですけど、僕は自分で自分を世界一いいメロディを書く人間だと思っているんです。これは自分がすごいだろって言ってるわけではなくて、自分の好みは自分が一番よく知っているわけだから、その好みに合ったメロディーを創れば世界一好きなメロディーが生まれるはずで。

 

本人も自覚していますし() 

それはそうと

 

まだハッキリとは言えないんですけど、“未来編”のようなストーリーを皆さんにお見せしたいな、とは思っているんです。おそらく小説で書くと思いますし、マンガでもやるかもしれない。あと「カゲプロ」のスピンオフのアイデアもありますし、映像作品も創りたいし……。もちろんそれに合わせて新しいアルバムも創ります。

 

っていってるので期待しましょう。 

 

 

次の話に期待して。次の世界を予想する。

次はどんな話をしよう(グッバイサマーウォーズより)なんてちょうどいい台詞とともにこの感想も終わりになります。ここまで読んでくださった方。ありがとうございました。