Music Synopsis

音楽に思考の補助線を引く

メカクシティリロードを聴いての感想。

アルバムを聴いた感想です。

本作は、数年振りのじんが送る「カゲプロ」シリーズの最新アルバムというポジション

コンテンツがあまりに大きくなった所以として、中々苦労しているから今一度という形で出したアルバムなのでしょう。

 


エバーユースロードショー

エバーユースロードショー

エバーユースロードショー

  • じん
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

夕映えの向こう、今も浮かぶ景色がある。にわか雨の元に思い出せない季節がある。という台詞インストはじんの作品ではお馴染みですね。

 

イマジナリーリロード

イマジナリーリロード

イマジナリーリロード

  • じん
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 ボカロp時代のじんサウンドが好きな人は多分これが一番適正ではないかなと思う。

というのも本楽曲は2018年時点でのじんだからこそ。という成長が見られる。落ち着きと衝動的なギター、ピアノの配列が昔のそれとは明らかに違う。Neruが取り込みそうなリズミカルと歌詞で遊んでくるような感じも、新たな作りの一つ。ギターよりベースが目立っているのも昔ではあり得なかったですね。とはいえ3m11s前後でみせるタメからの爆発という展開はじんならではのかっこよさ。総合的にみて大正解だと思います。

 

 

失想ワアド

失想ワアド

失想ワアド

  • じん
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 イントロでベースが踊るというボカロ楽曲ではありそうでなかった着眼点。爆発型の入りではありますが、そこに弦楽器を導入してくるのも大胆でありながら、お互いを食ってないバランスが妙。bメロの跳ねるようなじん節から「不思議なことに〜」と歌詞がスッと入ってくるこの感じは昔のバラード楽曲からわかるようにじんのセンスが光っていますね。最後で歌詞が爆発するのも本楽曲では十二分に生かされてますね。全体的にみて、何が一番いいって、ベースと弦楽器との掛け合いなんですよね。こういう楽器の音を、思わぬ方向と組み合わせるってのは本当抜群だと思いますしやっぱり作曲能力が一段と高い証拠です。あと、じんがryo(supercell)的な歌詞の「甘み」を獲得しているのが最後の締めでわかるのが最高ですね。影響云々はわかりませんが、そういった「歌詞」を楽曲に載せてっていうのはそれこそ本作だからこそできる作り。

natalie.mu

ここでも歌詞について感じ方が変わったということをいってますし。

歌詞の表現はすごく変わったと思います。小説だったらト書きまで全部作品になるわけですが、歌詞っていちいち“私がどうした”とか“あなたがどうなった”とかを全部を説明する必要はないんですよね。歌詞という正解がない言葉の表現方法の中で、何を伝えれば僕自身が正解と思えるのかをものすごく考えました

 この考えが一番出ていると思います。

 

 

マイファニーウィークエンド

マイファニーウィークエンド

マイファニーウィークエンド

  • じん
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

オツキミリサイタル的明るさと、ポップアップなサウンド性。転調の妙も含めて基本的に良いと思うのですが、楽曲全体にかかる圧が少し薄い気がする。もう少しその点を詰めていれば好きになれた。

 

アディショナルメモリー

アディショナルメモリー

アディショナルメモリー

  • じん
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

今作のアルバムの中で一番の駄作。

数秒でも明らかに性質の違う音を入れると、興が削がれるという点で一番いい例だと思う。というかノれないんですよね。なんというか懐メロながして「おおお」と下敷きを引いた上で、本丸がくる感じが好きではない。本来イントロのような曲一直線でも良い曲は作れるのだから余計に「それいるか?」と思ってしまう。主体となる楽曲はじんの今というべきかっこよさ全開の楽曲。サビの入りがA溜め爆発型ってのもこの手の楽曲でやられるとほーっといった気持ちになります。ベースの繋ぎとギターの装飾的な役割及、ピアノとドラムとの組み合わせ、そしてサビで全ての楽曲が勢揃いする感じも気持ちが良いものになってる。最後ひぐらしで終わるのもストーリー的な楽曲という意味ではいいかもですね。

 

 

ロストデイアワー

ロストデイアワー

ロストデイアワー

  • じん
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

アコギ弾き語り型の楽曲です。この曲も歌詞の上がり下がりなど、ローテンポでも魅せられるという印象を受ける。全体的に薄い気もするが、この手の曲はこのくらいがいいので仕方なしというところ。というか歌詞を聞かせたい曲なんでしょうね。曲として聴かせるという試みではない。

 

リマインドブルー

リマインドブルー

リマインドブルー

  • じん
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

枷を外したじんが存分にかっこいい曲を作ったらこうなりました感がすごい。イントロが長いのに、退屈でないところがまずポイント高い。歌とギターとベースの三者の掛け合いが絶妙ですね。ときたま歌が先にいく感じの料理の仕方もいい。bメロもじんにしてはサビ掛け型とい珍しい手法。サビの音楽を聞かせたい助走として作っている点がいいですね。ベースとドラムの掛け合いがいきなり二番はじめに聞こえてくるのも、すぐにサビにいくためだからと推測。とにかく「サビ」に石をうったような作品です。かっこよさ、バラードさ等じんがもつ「節」が見え隠れてするのに、新しい境地を感じられる素晴らしい作品です。最後の「一緒に」もやっぱり歌詞のことを考えなければ作れないと感じる。要はこの作品のなかで控えめなのに一番バランスと新しさが取れているということです。 

 

 

忘れてしまった夏の終わりに/グッバイサマーウォーズ

忘れてしまった夏の終わりに

忘れてしまった夏の終わりに

  • じん
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 ボカロpが作曲する「夏」テーマに名曲が多すぎ法則(うたかた、夏の終わりに隠した しかり)にこの曲も当てはまっており短いのが惜しいくらいいい曲ですね。ストレートにピアノ一本っていうので私はやられやすいんですけど、この曲はまさにって感じでツボを抑えられました。1m41-44sあたりとか「じんのバラードここに極まり!!」と情緒的メロディ。あまりにストレートなメロディ楽曲だからこそ5,6mあっても絶対退屈しないので、この曲の長い版をいつか出して欲しい。ギターのかっこよさがある曲や、ベースラインと弦楽器との組み合わせの曲もいいが、一直線のメロディ型の曲こそじんさんは輝く作家だと思っているので次作でなんとかその辺よろしくお願いします。

 

こんなこと言うとおこがましく聞こえるかもしれないんですけど、僕は自分で自分を世界一いいメロディを書く人間だと思っているんです。これは自分がすごいだろって言ってるわけではなくて、自分の好みは自分が一番よく知っているわけだから、その好みに合ったメロディーを創れば世界一好きなメロディーが生まれるはずで。

 

本人も自覚していますし() 

それはそうと

 

まだハッキリとは言えないんですけど、“未来編”のようなストーリーを皆さんにお見せしたいな、とは思っているんです。おそらく小説で書くと思いますし、マンガでもやるかもしれない。あと「カゲプロ」のスピンオフのアイデアもありますし、映像作品も創りたいし……。もちろんそれに合わせて新しいアルバムも創ります。

 

っていってるので期待しましょう。 

 

 

次の話に期待して。次の世界を予想する。

次はどんな話をしよう(グッバイサマーウォーズより)なんてちょうどいい台詞とともにこの感想も終わりになります。ここまで読んでくださった方。ありがとうございました。