国民的アーティストであるミスチルや、サザンの人気楽曲には彼がプロデュースとして携わっていることが多く、またback numberやレミオロメンなどの代表作にあたる楽曲のプロデュースなどもしています。卓越したセンス&理論知識で数々の名盤・曲を送り出した作曲力(クラシックから音楽の世界に入り、洋楽からジャズなど幅色いジャンルを抑えている)、編曲能力により、産み出された楽曲を、数あるcdの中から10枚をあげます。ベスト10と題していますが、正直優劣はないです。あくまで、筆者が思う、おすすめ作品とでも思ってください。
※ 作曲のクレジットが、バンドのメインメンバーの名前などが基本ですが、それらのアーティストにも当然畏敬の念を払った上で、小林武史さんの良さを書いているので、そこだけ理解をお願いします。
1.salyu/terminal。
to Uのメロディライン、音の感覚であったり、楽器バランスどれをとっても文句なしの強すぎ楽曲。こんなにも心優しいサウンドは中々ないです。
風に乗る船は、サビの持っていき方が少し特殊というか、変わった持っていき方で、昨今ではあまり使われていないので、そういう意味では、新鮮に感じられます。
あとBメロの異質さでいえば、他の小林武史作品でも類を見ないほど高いものになってる。
2. Mr.Children/discovery
これは外せない。本アルバムは、間違いなく当時の洋楽ムーブメントを盛り込んだ意欲作でもあり,やはりクオリティは高い。様々な変化球で作られており、楽曲の幅の広さに驚く。終わりなき旅などといった名曲も収録されています。当時台頭していたレディオヘッドなどの影響が顕著に見られますね。この90年代はオアシスとかに代表される当時からしたThe Beatles再解釈みたいなバンドが多く、その潮流を小林武史さんなりサウンドを分析した節が感じられますね。
本作はplanet telexと airbag
を組み合わせたミクスチャーのような曲ですし。
何と言っても、終わりなき旅の完成度は、歴代の邦楽全体的にみても、かなり上位だと個人的に認定しています。(邦楽をあまり聴かないryoさんでも影響をうけるほど)
ちなみに、ジャケットは、グラミー賞最多受賞のU2のアルバム「The Joshua Tree」を真似てます。 というか、ミスチルのアルバムは洋楽のジャケットや、芸術の絵から取っているものが大半な気がします。
3.montage/yen town band
岩沢俊二監督作品、スワロウテイルの作中の音楽を、メジャーアルバムで出した時の作品。今でいうとEGOIST(ryoさんプロデュース)のような立ち位置のアーティストであり、週間一位を取るという意味で、当作品は、けいおんが出るまで(12年弱の間)、唯一無二の、「架空のアーティスト」という媒体でとった作品だった。montage/yen town bandは、 全体的にダークな感じがありつつ、明るさを失わない程度に抑えているとでも言いましょう。7-80年代の洋楽ロックバンドっぽさがどこかある。
これと↓
個人的
が好きです。
4. evergreen / My Little Lover
このアルバムは、ミスチルを売れっ子に仕上げていた最中に、プロデュースした作品であり、280万枚を売り上げるという驚異的なことを成し遂げた。ま、そんなことよりもポップス作品の一つの到達点ということが大事。音楽が好きなら聴いておかなければならないと言っていいほどに。
ピアノが前面に押し出されており、そこに装飾で、色々な楽器を付けたような楽曲
や、当アルバムで一番人気がある
など名曲が揃っています。個人的には
が好きです。
・new adventure/my little lover
こちらも実験的なサウンドが明白にでつつも名曲の嵐ですので、evergreenで興味を持てた、あるいはハマったら是非聴いてください。
5.呼吸/lily chou-chou
こちらも、3同様、映画の中に、存在する架空のアーティスト(Lily Chou-Chou)の作品をメジャーに出した作品。そして、1で書いたsalyuさんがvo.を務めています。小林武史作品の中でもスルメアルバム第1位 裏の最高傑作といってもいいでしょう。小林武史サウンドの本質が詰まっています。
6.稲村ジェーン/サザンオールスターズ こちらは、サザンの桑田さんが初監督として、メガホンを取った映画「稲村ジェーン」の音楽であり、形式的にはサントラに当たる作品ですが、異例のミリオンセラーを記録しています。(出荷枚数は200万枚超え)
特出してすごいのは、track 2(希望の轍)6(真夏の果実)のイントロは小林武史からのものであり、この二曲はライブでは定番になっています。なんというか、このイントロだけで値段以上の何かが得られます。イントロ大王と言われるだけのことはあると、誰もが思う。そんな2曲です。真夏の果実のイントロは完成までに3日かかったそうです。
7.深海/Mr.Children
多分ミスチル史上最高傑作と謳う人が一番多いアルバム。
トラックの構成からずるいアルバム。深海というタイトルを被り、ラストに深海を持ってくるだけで、名盤だなと思えるのに、肝心の曲を聴くと、「ここまで作風に沿って作れる小林武史さんは一体何者」っと思えてくる。もちろん桜井和寿さんの作曲能力も絡んでいますが。因みに1,2は繋がっている系統のやつで、シーラカンスはこれまたryoさんがspcl3rd albumに当たる、ZIGAEXPERIENTIAの
という楽曲で、でオマージュというかリスペクトしている。かなり影響を受けていますね。
名もなき詩、これも傑作。
このアルバムはピンク・フロイドの狂気を踏襲しているように思います。
超名盤ですね。
深海のジャケットも以下の写真をモチーフにしていると思います
より深く探りたい人向け・プログレってなんだよって人向けに
8.アンコール/back number
このヒロインなんかは、レミオロメンの粉雪の構造をそのまま持っていきていますね。
back numberは、ここで紹介しているアーティスト中では一番新しいバンドであり、現在も一線で活躍しているバンドです。そんなバンドにも、小林武史さんは関わっています。いってみれば影の功労者です。
正直な話、この2曲はミスチルなどを聴きまくったせいで、小林武史サウンドのパターンが6割くらい理解してから聞いた曲なのであまり、衝撃というのはなかったですが、90年代に生み出したサウンドを残しつつ、10年代だからこそ作れたであろう音も混じっており、とても楽しめました。ベタな選曲ではあるが、それくらい強度の高い楽曲であると思って見逃してください。
9.bolero/Mr.Children
よくベスト盤だなんだで、いまいち評価が定着しないこちらのアルバムですがUKのパブロックを踏襲したサウンドの数々が収録されているという点ではやっぱり良作だし。前作の深海から一転した作品になっているのもポイントが高い。そして、remixのtommorow never knowsを抜けば、ボレロがラストの曲になるわけですが(自分は、remixのtommorow never knowsを先に置いて、最後にボレロという構成でプレイリストを組んでいる。)そんなこんなで筆者はミスチルのアルバムの中ではこれが一番の出来だと思う。一番売れたのはatomic heartですけれど。クラシック上がりだからこそかける曲「ボレロ」曲自体は、本家元と同じ構成で、だんだんと盛り上がっていく構成なのですが、そこに挟まれる小林節がなんとも言えない味を出しているんですよ(編曲は別ですけど)。3:15付近の裏メロなんてまさにそれ。そして意外なアウトロー。あとシーソーゲームはお手本と言ってもいいレベルの構成ですよね。こういう曲をかける人はなかなかいないと思う。
10.言葉にしたくてできない言葉を/桐嶋ノドカ
邦楽で一斉を風靡した小林武史さんと、ボーカロイド界隈の頂点をとったryoさんとのWプロデュース案件という。自分からしたら、これ以上ないレベルの作曲家たちによるコラボ楽曲。正直受け自体は悪かったものの、コラボした甲斐性は見出せました。
シーラカンスや、終わりなき旅でryoさんに言及していたのは、最後にこれを書きたかったっていう意図があったりしました。まぁ本当にいいと思ったからっていうのがまず最初にありますけど。曲に関してですが、常にニヤニヤしちゃうくらい、この曲は特殊なんですよね。桐嶋ノドカのために、ryoさんが書いた曲を、小林武史さんが編曲した感じが楽曲からにじみ出ていて、もう聴いていて、耳が幸せになること、この上ないです(特にspclが好きな人)。歌詞がryo(supercell)で裏打ちのピアノが小林武史っていう感じがたまらないですよ。最初の「one ,two」からギターのためで音楽が始まるところとか、完全にryo(supercell)楽曲的アプローチ。歌い方で、歌詞を凝縮しているあの感じも楽曲に歌詞を混ぜ合わせていくという点で非常にsupercellの音楽性と似通っている。
ryo(supercell)の音楽を知りたい人は是非、こちらの記事を読んでください。
おそらく、ネットにある記事の中でもかなりの高水準を誇る記事だと自負していますので。