※2018年に出した記事ですが、ここ最近当記事のアクセスが多いため改稿しています。
拙作のうちの一つなので、欲を言えば全てを改稿したいのですが、時間がないため最低限にとどめています。
・ジョンウィリアムズ
ジャズ畑出身の人でありながら、映画音楽で一番名声をなした人物であり、彼が手がけた音楽を一曲も知らないという人は存在しない。というのも、担当した映画作品が全てハリウッドの超大作・名作であるからだ。劇伴を担当した有名映画作品をあげると
これだけの超大作の劇伴を作り、全て有名なのもすごいが、何がその凄さをより立たせるかと言うとSWに関しては映画を一切見たことがなくただただスタジオで作業し終わったら、「あー終わった」っとスタジオを後にするだけと言う逸話があるところ。
これらについてはセンスというよりもジョンウィリアムズが持つ、クラシックへの造詣がなどが強く影響していますが、その上で全てジョンウィリアムズの感覚というものは機能しているので、やはり凄いです。同じ造詣をもっていても、誰しもがジョン・ウィリアムズのような作家になれないのは自明ですし。
誰もが知っている劇伴音楽を作り上げたその底力には何が影響をしているのか。先述したが、クラシックの再現性というのが非常に高い。
例えば「JAWSテーマって何かに似てるなー」
と思う人も多いかとは思います。それもそのはず、ストラヴィンスキーの『春の祭典』のからのメロディを引用した形の劇伴であるからです。
また、『スター・ウォーズ』ではホルストやコルンゴルトの影響が
『ハリー・ポッター』シリーズではチャイコフスキーの影響がそれぞれ入っています。
この点については、別個で『組曲:惑星』を特集した記事に詳しいので併せて読んでいただければと思います。
日本では、ジョンウィリアムズ程の有名ではない(swのような革命を起こした映画自体稀有なわけで)が、近年の名作やヒット作という点においては、大体この人っと言ってもいいくらいの人です。
多分、一番有名なのは、パイレーツオブカリビアンの「彼こそが海賊」ですね。
この曲はクレジット上はクラウス・バデルトですが、共同制作ということでハンス・ジマーも関わっています。ハンスジマーが土台をつくり、クラウス・バデルトがアレンジを加えたという形になっているため、クレジットがクラウス・バデルトとなっています。しかし、その後のパイレーツシリーズの劇伴がハンスジマーであることを踏まえると実質ハンスジマーの作品であると考えてもおかしくないでしょう。
ハンス・ジマーが劇伴を担当した有名どころの映画は、ノーラン作品との相性でよく知られています。『ダークナイト三部作』、『インターステラー』、『ダンケルク』などといった大作は全てハンス・ジマーが担当しています。
また、いうまでもなく現代の映画音楽の巨匠の1人でもあるため、他の大作も手がけています。2017年にはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『ブレードランナー2049』の劇伴を担当しました。
『ブレードランナー』のオリジナルは、ヴァンゲリスというこれまた、素晴らしいシンセサイザー作家が担当していますが、元々がギリシャ出身の音楽家であるため、アメリカ映画サウンドとは違う魅力のある劇伴ですが、ハンス・ジマーはそれを踏まえて、ヴァンゲリスのサウンドを踏襲した音楽を作り上げました。とはいえ、若干中途半端な劇伴な気もします。これについては、元々劇伴を担当するはずであったヨハン・ヨハンソンの降板が関係しています。この点については以下の記事に詳しいです。
ハンス・ジマーの日本音楽とを考えるのでれば、やはり澤野サウンドがまさしく影響下といっていいであろう。詳しいことは個別で特集するが、澤野弘之固有のサウンドワークスの迫力さにはある種アメリカ劇伴型の魅力があるといってもいいでしょう。