プログレについては、今までなんどか言及してきました。
が、もっと伝えたいという欲が、私の中で収まらないので、
今回は、プログレッシブ・ロックというものを、深掘りしていきたいと思います。
(実はあの音楽はプログレだった?!っていうネタも二、三本用意してきました)
Emerson, Lake & Palmer・Genesis・King Crimson・Pink Floyd・Yesの5つのバンドが俗にいう「プログレ五大」バンドとして、名を馳せているジャンル「プログレッシヴ・ロック」なかなか一般受けする音楽ではありませんが、影響という点で、ゲームサウンド・メタルに影響を与えており、後者は「プログレメタル」という派生ジャンルができたほどです。
とにかくプログレはかの植松伸夫(FFの音楽など担当)が最も影響を受けたジャンルであり、プログレ博士と自称している(要するに俺詳しいぜ)ほど。そんなプログレを広めるためにまずは、五大プログレのそれぞれの代表作と、どういった曲かという点を紐解きます。
・クリムゾン・キングの宮殿/king cromson
この手の記事では、大体あげてる作品(21世紀の精神異常者が収録されているアルバム)であり、後世への影響力という点においても絶大な作品です。
(クリスタルキングというバンド名も、クリムゾンキングのアレンジだと思う)
イントロから強烈な音の連続、そして、2:07sから始まるかっこいい展開。
(個人的にベースラインが好き)
そして、4:40〜5:00まで流動てきなパワーある音楽が流れ、一旦弱くして、5m24sでまたドーンと展開する。ここまでで曲のかっこよさとして、異常なまでの完成度とクオリティ。そして、終盤になると、イントロの強烈なサウンドに戻っていく。そして、終わったかと思ったら、最後楽器の殴り合いみたいなのが10秒以上にわたって続くっていうこのカオスさ。まさに精神異常者というものを表している音楽だといえます。
本作がプログレの元祖というか、代表作というのはまぁ間違いなく、当時(1969年)からしてみれば、革新的なサウンドであったということは、今聴いてもその衝撃度というのは、わかるともいます。
・The Dark Side Of The Moon/pink floyd
世界で二番目に売れたアルバムであり(一位はマイケルジャクソンのthriller)、チャートに15年間以上も200位を維持し続けているというモンスターアルバム。邦題は「狂気」。
本作より前から、ピンク・フロイドは、1970年リリースのAtom Heart Mother(原子心母)という名盤をリリース(ピンク・フロイドといったら、こちらを推す人も大勢いる)し、翌年の1971年にリリースしたMeddle(おせっかい)で、方向性というものを確立していました。当作品(1973年)は、それらの集大成・総決算的なアルバムです。
効果音(金の音とか、電話の音など)を駆使した作品の中にも、ロックというかっこよさが失われていない作品です。トラック1-10全部つなぎになっている構成です。
speak to meは喋り声と、効果音と笑い声で、2への繋ぎをしているだけなので、音楽が始まるのは、実質breath( in the air)からです
(ver.によっては、トラック1/2で、一曲という形式のもある)
breath( in the air)・・・ローテンポですすみつつ、今までのフロイドらしさの音楽がつまっていて、なおかつかの有名な「on the run」の布石を打つっていう楽曲になっています。
on the run・・・当時の最新技術を駆使した音楽で、まさに革命的であったとされます。メイキングの映像をみたら、「ピッチを下げつつ、音を振るとドップラー効果的な音になる」などといったことや、数音のピアノ鍵盤の音をよりテンポアップさせて、シンセの効果音を入れているというごく単純な作りで、とても驚きました。
time・・・アラームの音・チャイムの音などから始まるので、少々うるさいですが、43sあたりから始まるダークな音作りは、聴いていてとても興奮します。中盤から、女性コーラスと混ざり合う展開は、どこか悲しみ・哀愁さがあり、その後始まるギターソロも、情緒的なサウンドで、大変聴き応えの一曲となっています。
The Great Gig in the Sky・・・本作の中でも私が一番お薦めしたい一曲。とにかく流れてくるピアノが美しい。中途からコーラス声が入ってくるが、そのあとに2:30でまた、ピアノオンリーに戻り、また美しいピアノが流れてくる。本トラックの良さは、まさにここなのだ。2:30から流れてくるピアノソロほど美しいものも、そうそうないと言える。
リチャードライト(ピンク・フロイドのキーボーディスト)曰く、発想元はジャズの応用で、マイルス・デイヴィスの音楽がバックボーンとなっている(メイキングのインタビューより)らしいのだが、こういった別ジャンルからの転換で、この曲を作れる技術に唸ってしまいます。
money・・・ループを使った楽曲。ベースと、ギターでMIXをして、そこにビブラートをかけたという画期的な創りを施した楽曲。変則的な楽曲であり、前半はローテンポで行き、後半からは完全にロック的なサウンドで進んでいく。5m:00から5:05sあたりの全楽器隊が降っていく感じのメロディが聴き心地がよい。ブルージな一曲。
Us and them・・・「こまったら空白を出す」「半分以上スペースがあってもいい」という、メンバーの考えのもとにより生まれた楽曲。本作は、ミスチルの「深海」のゆりかごのある丘から。などのインスパイア元というのが、手にとってわかるほどと思います。元々、アルバム「深海」が、狂気を踏襲しているわけすが、中でも、ゆりかごのある丘から/us and themの類似性というのはとても高いと言えます。最初の僻んだ音から始まり、サックスの音が入るという点など、聴けば誰しもが納得してしまうほどの、要素が入っています。
Any colour you like・・・シンセなどを存分につかったであろう音が多々入っており、非常に実験てきな音楽だなと思える一曲です。途中からギターがはいり、妙なマッチングをしているのもとても面白いです。
Brain damege・・・Ecpliseと合わせて、エンディング二部作といってもいい曲。
ギターと、コーラスという単純な形ではあるが、不気味な作風になっており、時折聴こえてくる笑い声は、それこそ狂気そのものである。
Ecplise・・・Brain damege続きだが、終演へと向かっていく。そんなメロディから始まる。だんだんと大団円を組むかのようなまとまりに収束していき、トラック1で流れていた心臓の鼓動なような音がして、アルバムの終わりとなる。
総評として、美しくも悲しく、非情のようなサウンドの数々が収録されているアルバムである。
本作はここ50年以上を通して、一番のメッセージ性があるアルバムである
ピンク・フロイドのメンバーは、本作をこのように評価していました。が、自身、音楽を聴くときには、歌詞というものを除外して聴いているため(アーティストが表現したいものは音に全て現れていると考えているため)、あまり歌詞は和訳を通して確認していないが、気になる人は調べてみてください。
理由として、「人の感情に直で訴える音楽である」「アルバムそのものが経験である」といったことが、、インタビューを見ていて、私がより、納得いった点でした。
感情に訴えかけるというのは、所謂、現在でいう曲を聴いた後に「語彙力がない」「エモい」などといった感想以外に言葉が出ない。というのと少し似ている気がしたからです。
曲そのものが、感情に響くと、言葉にできない気持ちになる。という点で本作は傑作であり続け、これから先も語り継げられるそんな一作です。
メンバーが言っていたことで一番クスッときたのが、「本作を、楽しむ立場・リスナーの一人として聴いてみたかった。不可能だけど。可能なら良かった」とコメントしていたことです。こういう作り手の傑作を生んでしまったからこそ、リスナー視点でありたかったというのは、本作に限らず、多々あるんだろうなと思ってしまいました。
・Selling England By the Pound/Genesis
Dancing With the Moonlit Knight
I Know What I Like (In Your Wardrobe)
Firth of Fifth
More Fool Me
The Battle of Epping Forest
After the Ordeal
The Cinema Show
Aisle of Plenty
本作は総合的ファンタジックな楽曲が多いです。track 1はかのボーカル名手 ピーターガブリエルのアカペラからはじまりどんどん味を出していって、どーんっとピアノを入れてくるあたりが本作のいいところです。
三曲目のfifth of fifthなんかはピアノソロで始まるというシンフォニッククラシック的な楽曲で好きな人はハマる。こう言う楽曲こそプログレの真髄(実験音楽の面もあるため色々な試行錯誤が可能である)。中盤からどんどんプログレっぽさが増していき一周回ってFFの劇伴ではないかと思ってしまうほどゲームサウンド性が高いです(というかプログレがゲームサウンドに与えた影響が大きすぎるのですが)
・BRAIN SALAD SURGERY /Emerson, Lake & Palmer
Jerusalem
教会音楽的な物、盛大さが売りだと感じる曲。シンセ的なメロディラインが走破的でありながらも予想外な展開になっていくため面白い一曲でもあります。締め括りがとてもかっこいいです
Toccata
曲名通り変化を伴った即興音楽らしく、これを何かのゲームサウンドにしても全く違和感ないだろと思うレベルの楽曲です。打楽器の使い方が非常に巧妙です。例えるならディズニー制作のファンタジアの箒の人形が止まらずに暴走してしまった時に流れるあの感じとでもいいましょうか。まぁこっちの最後の方はかなりカオスなんですが(締めはしっかりしてる)。とにかくこれぞ実験音楽の良さ!!っというべきか。個人的に後半前半が好きです。ちょっとしたルパン三世にありそうな不思議を伺わせるような音楽がとてもツボです。と思えば急にゲーム音と警告音を混ぜたような感じになる展開がLSD (幻覚剤の一種)でもやってるかのような映像いわばドラッグ映像を見せられてる気分を耳で体感する。そういった感じがたまらないです。
Still...You Trun ME On
ギターと歌声が交差し合うあるある音楽で始まるこの平和感。裏に何かあるに違いないと思って聞いてると1m10s付近から全体のムードを保ちつつも周りで色々鳴り始めるこの自由さがこの楽曲の最たる特徴だと思います。プログレにしては追いついて、なおかつ音楽もまぁまぁ明るいのです。最後が音 日本ドラマの決め音楽にありそうな気がするのは私だけでしょうか。
Benny the bouncer
とにかくガチャガチャした音楽でなんなら作中にそれを思わせるような場面もある。
この楽曲の良さはピアノのテンポいいメロディとソロタイム。とにかく楽しく弾いている風貌が浮かぶそんな楽しさが思い浮かぶ感じ担っています。チャップリンのサイレント映画の感じを音楽にしたと行った方が通じるか。とにかく派手です。
KARN EVIL 9a. 1st impression b. 2nd Impression c.3rd IMpression
とにかくかっこいい三部作。この三曲は是非買っていつでも聴けるようにした方がいいレベルで傑作です。
1st impression
シンセメインでありつつ展開で魅せる曲というのはこのことをいのうではないか。
ベースラインなどもしっかりと深みのある支えをしておりいい。
明るいメロディになってから5m26s付近まで同じテンションで続くのですが
そこからどんどん盛り上がっていきます。21世紀の精神異常者を聴いた人ならわかるはず。ベースラインがきまりつつ全楽器隊がガチャガチャするこの感じはプログレの特権ですね。今作はそれがとても長いというところに利がありますね。というか後半はほとんどそのテンションですすみます。それでいつつボーカルのもキングクリムゾンより明るく、透き通っているのでそういう意味ではこちらの方が優れていると個人的に感じます。
2nd impression
あまりのかっこよさにEmerson, Lake & Palmerファンになる人も多いはずであろうこの楽曲。
とにかくピアノの暴れっぷりがいい意味で狂ってる。クラシック的な作風を踏襲した上でジャズも入っているし、即興ブルースにありがちな打楽器の入りもすごくいいし。
周囲からはいってくる音楽が主体メロディを阻害しないもいいですね。
途中から問答無用でワールド・劇伴チックな音楽担っていく様には不気味がありつつも
どこか楽しさが生まれる奇妙な感じにさせられます。ここら辺ピアノメロディは現代音楽に通じるところがあるのではないだろうか。そして後半になると急に攻めてくるかのようにピアノが本気を出し、独壇場であるかのようなかっこよさを披露して締める。
こんなにかっこいい音楽はそうそうないね。
3rd IMpression
総決算ではないが、らしさが全開にでている作品。三部作の中で最もポップさというものが出ている楽曲だと思う。そしてゲームミュージック要素が多分にあり、ここからインスパイアされた楽曲はたくさんあると感じられる。技巧的でありながらプログレらしさを一貫している一曲です。
・Close to the Edge/YES
Close to the Edg (I. The Solid Time of Change, II. Total Mass Retain, III. I Get Up I Get Down, IV. Seasons of Man)
最初はtheロックテイストで始まりつつ、途中から若干のピアノソロが響く中の歌ありであったりと融合性がとてもうまい。簡単にいうとA→B→A`という構図、まぁA`が一番かっこいい。これぞプログレという作り方でありつつ、シンプルの進行なのがいいですね。18mありますが、全然飽きません。
And You and I(I. Cord of Life, II. Eclipse, III. The Preacher the Teacher, IV. Apocalypse)
チューニングから始まり、ギターメインと行ってから普通のプログレらしさがあまりない曲調が続きながらも22mあたりから楽曲の良さが滲み出てきます。ローテンポであるにもかかわらず、ギター・key・voで魅せてくる感じはYESという感じがします。
全体的に YESはロックミュージックに付加としてプログレの要素をつけいているので
他のバンドと比べてもプログレ要素というのはあまりないのですが、その中でらしさを出すというのはやはりすごいことだと思います。
Siberian Khatru
痺れるこのかっこよさ。今でも通じるこの感じ。the ギターイントロという感じがします。リズムがとても癖になると思う。そしてこの曲が一番受けが良さそう。
どこかキングクリムゾンっぽさが甲斐見えます。というかとても影響を受けている感を隠せてないです。だが、それがいいんですよね。
America
アンバランスな感じで始まりつつ、どんどん統一化されていく感じがいいですね。
中盤でいうとギターの一音一音を強調しつつ、進行していくこと自体は普通なんですが、音にいい味がでていたり、メロディラインの作り方にこだわりというか演者の個性が出ているきがしてとてもいいです。ドラムも単純なリズムでありながらも曲の下地をしっかりと作っている感じがいいですね。共鳴するところもいい。そして終盤になるとノリノリなテンポで進んでいるこの黄金律といっていい曲の作りは流石。
イエスの音楽の全てが詰まっている気がします。3mという凝縮された時間なのd、プログレというものは表現し切れていないと思いますがこれはこれで単なるYESの楽曲と思えばいい。
and you and iの別ver.ですが、全体的に良さが薄れてしまっているためあまりおすすめはできません。特段していいアレンジもないです。
強いてあげるなら8m21s~はこっちの方がいいです。
以上プログレを知るための押さえておくべきバンド及び楽曲を紹介しました。
本編に一つ付け加えをたすなら入門YESとしては、YESの音楽とは知らずに曲だけ有名になってしまっているRoundabout
(to be continud ...で使われている音楽)が、ある意味、今現在一番有名なのかもしれない. (´・ω・`)まぁしょうがないか。
プログレというと5m以上のものが基本的な時間の長さになるため敬遠する人が多くとても (´;ω;`)な気持ちになるのですが、どれ程長くてもうまいバンドならすんなりきけるのでこの記事で紹介した数枚のアルバムの中から一枚もしくは一曲気になるのがあったら聴いてみてください。
たまにプログレに手を出す時にXのyoshikiが作曲した30m以上の拷問楽曲「art of life」から聴き始める強者がいますが、あれは一応プログレらしさはあるものの(まぁクラシックとかそういうこをやりたいっていうこともあったんだろうが)聴いてる時の体感時間1時間くらいあるので、時間がある時&覚悟して聴いてください。雰囲気音楽としては優秀ですが、できはあまりよくないです。
ここ最近記事をだせずじまいで大変申し訳ありません。記事自体には着手しているもののなかなか完成まで持っていけない自分の未熟さが原因です。4月は時間がある日が多いため、2~4記事だせればいいと思っています。
発展編というかこの記事より、もっと奥深く掘り下げたプログレ記事はまた別に創るので、出す時期は来年くらいになるかもしれませんが、遠い目で待っていただけると嬉しいです。
22.4.3に出しました。
それでは