Music Synopsis

音楽に思考の補助線を引く

レイ・ハラカミによる不思議な音楽

長谷川白紙について延々考えていたんですが、何処か既聴感があるなと思いつつ年間ベストに入れて活躍を期待しているところなんですが

sai96i.hateblo.jp

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 最近、その感覚がわかってきまして「ああ、音楽表現がレイ・ハラカミで、それをポップス化したものなんだ」というところに着地しました。レイ・ハラカミ 彼の名を聞いたことがある人は少ないと思う。悲しいことに40歳でこの世を去っているからだ。imoutoidにしろ

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レイハラカミにしろマイナーな世界で独自の世界を紡ぎ出せる鬼才に限って亡くなってるのは寂しいですよね。

しかし彼が残した音楽作品はどれも一品級である。Unrest/Opa*q/Red Curb/lustなど傑作ばかり。そんな彼の音楽の良さを一つでも伝えられたらなという趣旨の記事です。

Unrest

Unrest

Red Curb

Red Curb

わすれもの

わすれもの

opa*q

opa*q

[lust]

[lust]

 

エレクトロニカというジャンルにおいて(そこまで詳しくないが)明らかに異質な音楽性を提供している。音の動きと、加工の仕方や、楽曲における展開、無機質さ、リバーヴの奥行きなどが耳にスッと入って「聴ける」。柔らかなメロディラインに沿った音楽を作っているが不思議なもので果たしてメロディなのかと思うくらい不安の余韻が引き出される音調など全てが「掴めない」作品ばかり。例えば

Cape

Cape

  • レイ ハラカミ
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2 Creams

2 Creams

  • レイ ハラカミ
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Pass

Pass

  • レイ ハラカミ
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などの楽曲群を聴けばわかるが「こういう楽曲です」と形容するのが難しいことがわかる。passぐらいならギリギリといったところか。

初期のアルバム『Unrest』はテクノの味付けが感じられます。

Vice Versa

Vice Versa

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Unrest

Unrest

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Objective Contents

Objective Contents

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 この中では表題作にあたるUnrestがお気に入りです。飛び飛びな音使いにに余韻がついてる感じや奥深くで繰り返しなってるちょっと不気味なメロディ (といっていいのかはわからんが)の調合性がマッチしている。Objective Contentsは実験的だなぁと思える作風が好きです。bioscopeやcode

Bioscope

Bioscope

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Code

Code

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みたく最初のノリで最後まで突き進まない。合間合間に横道に逸れるけど最後は、、っていうのがObjective Contentsのいいところ.

after bonusはレイハラカミ作品の中でも掴み所がある作品なので、より一般向きです。

After Bonus

After Bonus

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一つの音がアラウンドな動きをするという音楽ではなかなか見られないvも聴き心地、応え共に満点です。

Wreck

Wreck

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次点トラックのrhoはwreckの進化系という流れできけるのでセットで流しましょう

Rho

Rho

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二作目の『Opa*q』はアンビエントなどわかりやすい作風も盛り込まれておりますがそれ以上にジャズとプログレっぽいなと感じられる作品です。その意味で1stからジャズ的アプローチを踏んでいるのかもしれない。

Poof

Poof

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Double Flat

Double Flat

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Schw Schw

Schw Schw

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 本作の中で一番レイハラカミしてる楽曲は

Chromatic Cliff

Chromatic Cliff

  • レイ ハラカミ
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 になるのかなぁ。

 

一番評価が高いと目されている3rd作品:red curb。評判に違わず1,2作目よりも世界観が安定しつつ攻めている楽曲が多いです。

Red Curb

Red Curb

 

 

The Backstroke

The Backstroke

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  track2からこれ

The Backstroke

The Backstroke

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 複雑な音の重なり、不協的だが聴けてしまうという、一貫した捉え所のなさ等初期作から進化してることがわかります。wreckの究極系と言えるcapeなども収録されている。打点的な音運び含め脳に刺激的な作品です。

Cape

Cape

  • レイ ハラカミ
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 かと思えばwrestのようなビートの刻みがメインな楽曲をある。メロディの余韻とリズムが象徴です。中盤でうねうねと逸れていく感じも絶妙で、聴いてる側が唸ってしまうくらいよくできてる。

Wrest

Wrest

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 うって変わった楽曲。Remain

Remain

Remain

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 こんなかんじという例えを出すのであればnujabesのreflection eternalに近いのかな。

reflection eternal

reflection eternal

  • Nujabes
  • ヒップホップ/ラップ
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 ローテンポでメロディアスという定番な組み合わせですが相変わらず味付けとしての音はレイハラカミ節が決まってます。

 

 ・Trace of red curb decicated from rei harakami

このアルバムはリアレンジと別の作家によりリミックスと新曲、という配列です。 

remixではput off and otherが一推し。

Put Off and Other (Remixed By Matsuo Ohno Assisted By Yasuto Yura)

Put Off and Other (Remixed By Matsuo Ohno Assisted By Yasuto Yura)

  • レイ ハラカミ
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大野 松雄さんという音響技師(テレビ版アトム時代の人)が担当されているのですが圧巻のクオリティです。

新曲とでいうとこちら

Led Curve Again

Led Curve Again

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Lobe

Lobe

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 だんだんとメジャー的なサウンドになってきます。比較するわけではないがimoutoid的な音楽らしさが出てきます。 特にled curveに関してはこのくらい主張が強いとジャズだ〜っと思い切って言えるくらい正直さがあります。二曲に通ずるのは意図的な意味でディレイ的な歪みが入り混じって、だんだんと晴れていくところですかね。

 

 ・lust

[lust]

[lust]

 分かりやすさ、聴きやすさの総合値で言えばlustが一番です。なので入門としてこれからがいいと思います。

Joy

Joy

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lust

lust

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 とポップさ溢れる曲が続き次点で上二つを足したような楽曲 Grief&lossへ

Grief & Loss

Grief & Loss

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Owari No Kisetsu

Owari No Kisetsu

  • レイ ハラカミ
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と続きます。owarinokisetuは言わずと知れた細野晴臣の楽曲のカバーでなんとレイハラカミさんが歌っています。 正直歌はメインではないです。ただ、レイハラカミにかかると原曲がこんなにも変わるのかというギャップ、ビフォーアフターに息を呑みます。あとサカナクション味が感じられるので「山口一郎もフォロワーなんだなぁ」という発見もできます。

 

after joyになると強烈なサウンドの踏み込み型でくるのでシンコペーション的とでもいいましょうか。一度に耳に入ってくる情報量が多いです。

After Joy

After Joy

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 Last night

Last Night

Last Night

  • レイ ハラカミ
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はギターの加工音(?)が主体のサウンドでミニマル要素が強い作品です。パーカスの音付でメロディ+になっている点がいいなと感じます。

 

approach 

Approach

Approach

  • レイ ハラカミ
  • エレクトロニック
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はEDM調が強いといのが第一印象。こんなにもわかりやすくていいのかと思ってしまうくらいに。その意味ではlustの中では凡作ですね。

 ラストを飾るFirst period

First Period

First Period

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 も結構なミニマルで飽きるが。 が最後の一音で評価が180度変わってしまった。意表を突かれるとはこのこと。

 

事実上の遺作となったアルバム「わすれもの」

わすれもの

わすれもの

原点にかえって自由に作っている感じがしてたまらない作品群です。

一曲面のにじぞうから 

にじぞう

にじぞう

  • レイ ハラカミ
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あるテーマ

あるテーマ

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 など、このわけのわからなさこそレイハラカミ音楽であると再認識できる作品になっています。と同時におむかえ

おむかえ

おむかえ

  • レイ ハラカミ
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 では技巧的な面を見えてきます。

 最終楽曲

さようなら

さようなら

  • レイ ハラカミ
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 では愛のロマンス的ギター

愛のロマンス

愛のロマンス

  • ドナルド・ウィノースキー
  • クラシック
  • ¥153
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 の軸に好き勝手エレクトロニカルにしているところがたまらないです。

 

 

以上、レイハラカミの音楽について自分なりに書いてみましたがいつも以上に抽象化が激しいです。が、どのくらい変わった音楽を作って、それらを後続の長谷川白紙などが受け継いで行ったかというのを読み解くには、役に立てるくらいには魅力を伝えられたと思いますので後は読み手のみなさんが個々で噛み砕いてください。

 

あと記事を書いてみて思ったんですが、今回出てくる作曲家は皆将来を渇望・期待されながら不運にも夭折・急逝された人しかいないのが泣けてきますよね。日本人でもここまですごい音楽を作れる人たちがいるんだぞっていう代表みたいな人材です。Nujabes、レイハラカミ、imoutoid彼らが生きてる世界線では一体、どういう音楽が作られていたのかと夢想するだけで悲しさばかりがでますね。では次の記事で会いましょう。