12月4日の深夜0時間(だから実質5日です)〜4時というかなり変則的な時間割のアニソン派に行ってきました。配信のアーカイブあるし、別に書かなくてもいいかなと思ったのですが、現地からみた視点という観点に立って文字起こしするのも一興ということで開始〜終了まで終始メモった内容を色々脚色しつつ(登壇者が実況NGとした話もある)レポートとして書いていきたいと思います。途中から敬称略になってます。
席順的には60番ラストで大勢でなかなか見辛いところではあったが、メモをとるスペースが欲しかったので、個人的に当たり番でした。後ろから参加者を一望でき、いわゆる推しTシャツをきてる人も見受けられました。会場にはアニソン大好き人間が集結しており、ロフトプラスワンに入る前からツイッターのエンカウントで盛り上がっていました。私はというとロフトプラスワンという会場にいくこと自体に憧れを感じていたので、アニソン派が始まる前から「ここがロフトプラスワンか」と心の中で興奮していました。
0時になり田淵さんの挨拶で開幕。最初にアニソン派を通して伝えたい三箇条的なもの
1.アニソンシーンのキュレーションをすることでより良い作品を探す、シーンの向上化
2.クリエイターのコアな話、認知向上を目指す。
3.二次元コンテンツの作品群全てOK (要するにキャラソンからカップリングまで包括)
その次に全体のプログラム幕のおおまかな構成が発表されました。
第二部:コロナによってもたらされた被害の告白
第三部:人狼は最高である
正直、この時点で第三部に暗澹たる思いを抱いていたのですが不安は的中してしまい、完全にアニソンは関係ない、心底どうでもいい雑話を延々を聞かされ(金取った観客相手にこれを話そうとセレクトした人間の企画力の無さに絶望)、苦痛でしかなかったので第三部についてのメモははなからとらなかったので第三部については、後半で語られたのアニソン話について書きます。
第一部
おすすめアニソン(定期報告会)その1
1.ここで息をして (作曲eill)
・アニソンっぽくない。メロディがいい
華余子
・声がいい、作曲者のeillさんは15歳から作曲している。今後頭角を表す
2.Act10 ~dear my characters~ (作曲:川崎智哉)
田淵お薦め。
3.熾火(作曲:楠木ともり)
楠木ともりは声優アーティストの中でもかなりロックシンガー的な素質がある。普通ならもう少し可愛くアプローチをしてもいいのに、それをやらない。ジャケのセンスがいい。やしきん曰く「ライバルシンガーソングライター」。華余子も一推し。良い意味で大衆性を会得したのでこれから注目の人。
4.ワゴン( 作曲:渡辺翔)
渡辺
ヒトリエの楽器隊を添えた理由としては、プレイヤーとして素晴らしいから。ゆーまおさんは最近引っ張りだこ。
5.カリスマ一週間(作曲:OHTORA・New K)
田淵:同じメロディがないから気持ち悪い、元がロシア民謡の一週間
華余子:どっからきたコンテンツなのか、パンチがすごい。
(ここで一旦定期報告会終える)
MONACAっていい会社だよな特集
田淵:独立してみてどうか?また、MONACA所属時と今とで変わった点は何か?
田中秀和:大々的に取り上げてもらえて嬉しいです。monacaに所属している時は楽曲を作ることに専念できた。スタジオのブッキングなどはmoanacaがやってくれていたが今はそういうところを含めて自分でやるようになった。
広川:スタジオの恩恵は感じる。
田淵:やしきんはmonacaを受けて通らなかった人だけどどういう印象か?
やしきん:ちょっとしたアカデミズムを感じる曲が多い。事務所の一貫性みたいなものも感じる。
田淵:スマイルカンパニーが作家事務所だとしたら、monacaはアニソンを引っ張る人事務所という印象。Elements Gardenと対比するとポップス/おしゃれ的なものを感じる。
・monacaは作曲家のいろはを教えてくれる
元々は神前 暁フォロワー
田中秀和:当時流行っていたミクシィで神前暁さんと繋がっており、メッセージでデモを送ったら「会わないか?」と言われて入社
広川:自分は面接、書類(音源)履歴書を通して入社。
最初は神前 暁のアシスタントを行った
広川:打ち込み、ファイルの整理、掃除、スタジオの整理等
田中:スタジオアシスタント(プロツールの操作),入って一週間で現場に行くようになった。作曲家としてのありかたを叩き込まれた。毎日怒られた。
田淵:やしきんはfmf所属だけど、現場には連れて行ってもらえたのか?
やしきん:自分が担当した楽曲でないと現場には入れなかった。
田淵:田代さんはどのようにして学んでいったのか?
田代:とにかく現場を踏む。昔は自主的に見学に行ったことがある。
田淵:怒られて辛いとか、そういった気持ちにはならなかったのか?
広川・田中:怒られるというより、どちらかというと指摘、注意の類だった。分からなくて当然だからひたすらくらいついた。
monacaっていい会社だよな特集
・monacaは未来の人材にも期待ができる。
瀬尾祥太郎、オリバーグッド、井上慶太などの後続も非常に活躍が期待される。
広川:自分たちにはなかったサウンド性を持っているからそこがいい
広川:オリバーグッドは日本にはないサウンドの切れ味がある。
田中秀和:元々トラックメイカー出身。日本サブカルに興味を示し独学でここまできた人。
ここまででMONACA特集終了。
第二部
おすすめアニソン定期報告会 その2
1.ミス・コンダクタ(作曲:ツミキ)
田淵:ボカロpのコンペだが、ボカロPがアーティストに提供することについてはどう思うか?
やしきん:今や不思議ではない。昔はVOCALOIDだからこその利点(ピッチ、声域の正確さ、高速歌詞)が人間に変わるとネックになっていたが、今の新人声優はボーカロイド楽曲を通っている人たち(たくさん歌っている)だから今やそういうのもないからこういう曲を人間が歌っても成立する。
2.トアルトワ(作曲:taku inoue)
田中秀和推薦。昔からtaku inoue 楽曲が好き。年々進化しているからすごいと思う。
3.CHAMPION GIRL(作曲 Giga)
最近の人は声域に指定がないからすごいと思う。
School boy (ピーナッツくん)
広川推薦.ピーナッツくんは動画もつくる多才な人。この曲はヒップホップ色が強い。
4.Stellar Stellar(作曲:taku inoue)
音の暴力のみたいな曲。
5.Dark seeks light(作曲:ケンカイヨシ)
田中秀和推薦.
田中秀和:自分との作り方の違いが出てる。作り方のアプローチが独特で、本人もそう
ロックのフィールドもあって面白い。トラックメイカーがアカデミズムに走ると「全部なる!!」
第二部:コロナによってもたらされた被害の告白
このシークエンスでtom h@ckとkz(livetune)、そしてリスアニ編集長が登壇
リスナー質問
tom h@ckさん宛の質問
Qこれまでに買った機材で一番高いのはなんですか?
A.tom h@ck クロック(多分クロックジェネレーターだと思われる)で300万円
kz(livetune)さん宛の質問
Qマニプレーターって何?DJとの違いは?
A.マニュプレーター...あまり馴染みはない。
ex)ライブでギターリストの音数を調整するのがマニュプレーター
DJは最近機材の進化によりマスターテンポによりリズム調整が楽になった。
昔は手動で行っていた。
本編
・tom h@ck
コロナ流行により海外ライブができないのが色んな面で辛かった
2022年はできるように進めていきたい。
大変な時期だからこそ、自分が関わってるチームが一丸となっている
作曲、編曲など何を出しても数字が下がっている。コロナによりシェア率が上がるかと思っていたがそれほどでもなかった。
ex)コロナ前は100万再生をとっていたところが70万再生になっていた
一方で、印税の面だとあんまり変わっていない
登壇前までamazon prime配信のオリジナルリアリティ番組のバチェラー見てたから、そのことで頭いっぱい
kz(livetune)さんのお話は凄く面白かったのですが、大半が実況NGだった気がするのでざっくりまとめるとコロナによるシフトライブはつまらないということを延々語られていました。
リスアニ編集長の馬嶋 亮さんは、現場だからこそのお話が沢山あり、これも面白かったのですが、多分このシークエンスも実況NGだった気がするので大幅に要約するとコロナで中止になったイベントの損失が大きかった。JLODliveがなければもっと悲惨だった。ということを話されていました。
JLODlive | コンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金
ここで第二部終了。第三部は冒頭にもかきましたが、しょうもない人狼話が延々続く地獄みたいな数十分だったので割愛。以下、そこからのレポート
おすすめアニソン定期報告会 その3
1.エンターテイナー 作曲:堀江晶太&じん
これが流れた時正直驚いた。少しマイナーな方向性の楽曲ばかりだったので、ここにきてまさかのじん堀江コンビ楽曲が来るとは思わなかった。
kz(livetune)さんおすすめ楽曲
歌詞が内情的(内へと向かっている)のが多いのに、本楽曲はそれが一切ない。
タイトルのエンターテイナーの流れでvtuberに対しての印象の話になり、そこでの例えも実に面白かった。アニメ分野でやる→バックストーリーというのに対してvtuberというのは一生やっている日常アニメという解釈。新しい解釈というよりかは、エンドレスエイトとかBD的な感覚からもってきたのかなと思ったり。
涼宮ハルヒシリーズのエピソードの一つで(涼宮ハルヒの暴走に収録)8月17日~8月31日の2週間が延々繰り返されるというお話。アニメ版では8週間真面目にやってしまったせいで同じ内容(作画の小ネタなどを除いて)が2ヶ月繰り返されるという有名なやつですね
※BD (ビューティフルドリーマー)
アニメ界で特に名のしれた監督の一人押井守の出世作。毎日文化祭前夜が繰り返されることに違和感を覚えた主人公たちがそこから抜け出そうとするという当時としてはびっくりな内容で今なお語り継がれる名作。メタフィクション、胡蝶の夢的なタッチをストーリーに組み込みエンドクレジットまで楽しめるという、今で言うとインセプションのラストと入った方がわかりやすいのかな。あと今ではお馴染みのループ物としても画期的だっと思われる。(原作のうる星とは作風が真逆すぎて原作者と原作の世界が好きな人にはすこぶる評判が悪いが、数ある劇場作の中で作品として残っているのはBDなので、まぁ好みの問題ですわな。私は大好きです。)
この曲についてやしきんは男女の掛け合いがはいった組曲は難しいのによくやってると評し、vtuberにかけて「インターネット上のエンターテイナー」なんてうまい感じでコメントを締めてました。
2.キミエモーション
future bassでアニソンの流れを組んでる。バランスがすごすぎる。ポップス感がないとだめなkz(livetune)さんにとって本作は「マジですごい、ちゃんと聴いたほうがいい」と太鼓判を押されてました。
3.ODD TAXI 作曲:スカートとPUNPEE
リスアニの編集長が激推し。今年楽曲ベストとまでった本作はサムライチャンプルーのあの感じと言っており、ここで私は「nujabesのことだー」と一人心の中で叫んでたのですが、周りは無反応が多く(この定期報告会でも上がる時とそうでないときの落差がすごかった。)おいおい、マジかよここにいる連中はnujabes履修してないのかとちょっと驚きました。まぁ知ってたのかもしれませんが、反応薄でちょっと悲しかったです。
入門用nujabes楽曲
サムライチャンプルーの音源元になった作品でいうとこれ
がサムライチャンプルーではこうなる。
これだけでもnujabesがいかにすごい人だったかは肌身で感じられるでしょう。
nujabesの音楽がどれくらい強度を持っているかっていう話はこちらの記事まで
4.パラレルモーション 作曲:小島英也
kz(livetune)さんおすすめ楽曲。作家性が全く変わらない。アニソン、Jpopはタイアップを受けてから楽曲を作ることが多いためアーティストの色がなくなることが多いけどこの人がそれが全くない。
冗談抜きに小島英也はここ10、20年の中での天才
とまでkz(livetune)さんが真面目に語ってたのが印象的です。
5.つらみ現在進行形 作曲:櫻澤ヒカル
飛び入り参加の白戸佑輔さんおすすめの楽曲。フライングドッグにしかできない組み合わせの楽曲。(ちなみに白戸さんは本作のタイアップ作品であるマクロスにはまった理由が菅野よう子の劇伴とちゃんと発言しててやっぱり女王はすげーなと思いました)
以降、飛び入りで中山まさと、篠崎あやとが登壇
中山まさと
劇伴やるのはしばらく使ってない時の水道の蛇口を捻ってるような感じになる。出し切ってもうダメだっとなった時に進むので、まずは出し切らないと次に進まない。
劇伴作家の辛みとして毎回作る時になって「これ終わったら実家に帰ろう」と思うとのことですが、全部終わった時には忘れてて、以下ループらしいです。
・篠崎あやと
おねがいマッスルはまさか1億(再生回数が)いくとはおもわなかった。800再生で御の字くらいだと思ってた。受けないだろうみたいな楽曲が爆受けすることがあるという流れで田代さんが「ハレ晴レユカイ」もそうであったとおっしゃってました。
ここら辺でアニソン派としてのイベントが時間を迎えて終了して配信組も聞いてない現地のみのアフタートークの時間が40分くらい続いたのですが、中身はそんなに面白い話でもないし、NGがかかっていたきがするので紹介は伏せておきます。
以上がアニソン派の現地レポートでした。登壇者の発言はなるべくそのままで書きました。参加してみて思ったのは面白いけど物足りないという感じ。特に人狼の話で時間を無駄にした気がして、あの時間をもっとアニソンについての談義にしてほしかったと思います。チケ代1万円のうち、7000円くらいはNG部分含め回収できましたが3000円分くらいは未回収という印象。vol6.も今、スケジュール調整中(田淵発言)とのことなので、次回に期待したいと思います。
個人的に面白い話をしてくれたのはkz(livetune)、渡辺翔、田中秀和、tom-h@ck、リスアニ編集長馬嶋 亮の5名でそれ以外は別に、、っという感じがした。tom-h@ckさんは会社の社長ということもあってそこ目線での話が格段に面白かった。kz(livetune)さんはNG部分の話がとにかく素晴らしかったのと、意見一つ一つが丁寧で凄く好感を持てたし現場ならではの意見を聞けたという点では馬嶋 亮さんもよかった。
まぁそんな感じです。ちょっと宣伝すると次回は楽曲オタクアドベントカレンダー記事ですです。当ブログ初の試みをしかけていたりと、とにかくアドベントカレンダーに相応しい記事を絶賛執筆中なので心して待てという感じかな。では25日を待て。