Music Synopsis

音楽に思考の補助線を引く

【宣伝】『ボーカロイド文化の現在地』・『外伝もにも〜ど』に寄稿

懲りずにまた批評同人誌に寄稿をしました。

2023年11月11日に開催される文学フリマ東京37に出店する二つサークルに寄稿しました

highlandさん主宰のサークル「Async Voice」と、

あにもにさん主宰のサークル「もにも〜ど」

 

 

 

にそれぞれ一本ずつ寄稿しました。

 

「Async Voice」ではタイトルから分かるようにボカロ論に関する事を。

「外伝もにも〜ど」では『アサルトリリィ BOUQUET』に関する論考を書きました。

 

 

ボカロ論の方はhighlandさん直々の依頼もので、実は4月の段階でお話をいただいていました。この頃は丁度シャフト音楽論の佳境真っ最中に転がり込んだもので、あまりに間としてのタイミングが悪すぎたのですが、あと先考えず二つ返事で引き受けたという経緯があります。

話をいただいた時にいろいろと考えた挙句、いくら同人とはいえやはり来場者に買ってもらう品物なわけですから、いくらでも調べれば出てくるような当たり前のこと・普段インターネットで散々書かれているような話をはじめ、安直な題材をテーマにするのは流石につまらないし、面白がってもらえないと思ったため少し変わった視点から切り込むスタンスで草稿を書きました。

 

その結果ボカロ論なのにボカロのボの字が殆ど出てこない、人物史・コンテンツ論的な方向性に発展してしまい、これを処理(=文章としてまとめる)していたらいつの間にか7万字くらいになっていて、どう考えても寄稿者が書いて良い分量ではない領域に来たので、*1前回の失敗に倣いそこから引き算で色々と削って1/4に絞った最小限にしたものをhighlandさんに確認していただきながら、付け足し・再構築をするという形にした文章になっています。

 

 

ボーカロイド文化の現在地』目次

批評文章の巧さでいえば学のない自分よりも、他の人たちの方が圧倒的に優れているので、せめて切り口だけは、一風変わったものにしようという意識のもと、色々と試行錯誤をしたのですが、目次を見る限りは自分と同じ切り方をしている人恐らくはいないので載る論考の点の斬新さといいますか、275度くらいの角度から書いたと言う意味では結構自信あります。前述のこともありかなり、ダイジェスト感がありますがそれでも楽しんでいただける文章にはなっていると思います。読む人が読めば、空きの行間も埋まり本来の原稿がどういうものかも見えてくるとは思う程度には諸要素は蒔いてあるので興味がある人は是非探索しください。

この目次改めて見ると色々な意味で面白い人選だなと思います。

個人的にフガクラさんと柊余白さん原稿はタイトルからしてただならぬ面白さを感じました。他にも40p以上MV論を書いている才華さんの論考も、それだけの尺を使って何が書かれているのかという点では非常に面白そうな原稿だなと思います。

 

では、次にシャフト批評誌の「もにも〜ど」についてです。

主題は『アサルトリリィ』についてですが、最初に白状すると別に作品に思い入れがあるわけではないです。前回の「もにも〜ど」の目次が公開された時に「〇〇がない」というようなポスト(当時はツイート)を幾つか目にしまして、「そんなに読みたいのであれば自分で書いて寄稿しろ」とか思いましたが、一層のこと「じゃあ書いてやるよ」っていう反動的で書いたところがあります。

前回論考の対象にはならなかったシャフト作品群の中で自分が一番書きやすい作品は『アサルトリリィ』か『連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ』の二択だなと思って一応二つ分用意はしていたのですが、『アサルトリリィ』に詰めるのに時間がかかってしまって後者はお蔵入り・あるいは以降の「もにも〜ど」送りみたいな状態です。書いた動機である方々に面白いと思っていただける論考になっていればいいなと思いながら、こっちも感覚的には「気分はもう相当ピーキー」的な方向に舵を取った感があるので、どう作用するやらと言うような感じです。

 

今回2本、前回1本で計3本寄稿をしたわけですが相変わらず批評的なものを書くセンスが絶望的だなと。再認識しました。

このブログは批評ものではないのか?と思われる方も多いかもしれませんが、違います。基本的に「Music Synopsis」は音楽の面白さにちょっとした意味づけを込めた感想文や、好き嫌いを冗長に連ねていることで、普通に聴く以上の体感ができるということを伝えたいだけであって、批評的な側面なんて1mmもないです。難しいこと考えないで、単に好き嫌いにちょっとした意味付けや理由を書いているだけのブログでしかありません。少なくとも音楽批評をするぞというテンションでは書いていないため、同じ文章であっても、批評に慣れていない自分が原稿書くって難しいなと思いました。

 

以上、色々と紆余曲折を経て2本分の寄稿をしたよと言う話でした。是非お買い求めください。

 

最後にもう一度だけ宣伝します。

 

イベント:文学フリマ東京37

日時:2023年11月11日(土) 12:00~17:00

会場:東京流通センター 第一展示場・第二展示場

「Async Voice」-「ち-18」

「もにも〜ど」-「た-11 」

上記の場所でそれぞれ販売されます。よろしくお願いします。

*1:前回は寄稿自体が初めてだったこということもあって加減が分からずに相当あにもにさんに負荷をかけてしまい色々と苦労をかけてしまったという裏話があり流石に2連続でそれをやるのは愚かしいとと思った