Music Synopsis

音楽に思考の補助線を引く

DUNE/砂の惑星とヴィルヌーヴ映画

久しぶりのデジタルタトゥー記事。現実に追われすぎて、時間を全くとれなかったのでかなり間隔をあけました。いつも通り音楽について書きたかったのですがネタを組み込みきれずに、時事ネタに逃げようとおもいまして、DUNE (デューン)映画化に合わせてそれらにまつわる今更話でも書くかということで、普段音楽について独断と偏見が入り混じった記事を書いてますが、今回は映画と小説の話をします。なので音楽の記事以外興味ないという方はブラウザバックを。

では早速本題にいきましょう。

 

世界単位で「砂の惑星」といえば間違いなくフランク・ハーバートSF小説DUNEをさします。日本で本を読まない(もしくは)SFの基礎教養がない10-30代くらいの人は「砂の惑星」ときいたら脊髄反射で「米津(ハチ楽曲)さんの曲名だ!!」といった感じのをイメージアップをすると思います。SFファンとしてはここまで清々しい検索汚染もないよなぁっと感じますが、作り手の言い訳もあるでしょうし、なにより既存有名タイトルをそのまま楽曲名にするのは恋と秒熱の時からそうですし、「恋と秒熱」なんてタイトルでも宮沢賢治を「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」くらいしか知らない人は同じように気づかず、パプリカも間違いなく意識して狙っていますが、世の大半は今 敏監督も知らなければ、筒井康隆の本も「時をかける少女」くらいで「パプリカ」という小説も知らないだろうし、ましてやそれがアニメ化されてるなんて情報はアングラな人間しか知りませんから。そういったことをわかった上で狙ってやる作り手の巧妙さが身に染みるだけなので一旦置いておいて。

 

 

そもそもなぜ60年代のSF小説が今更映像化なんだと思われる方もいると思うので前提知識としてそこからお話をします。映像化の話は70年代からあり、先陣をきったのがアレハンドロホドロフスキー。彼の説明は色々ややこしいので省くが、世に言う「カルト監督」と思っていただければいい。そこで集めたメンバーは後に伝説的といってもいい功績を残す人ばかり。画家のサルバードル・ダリ、BD (バンド・デシネ フランスにおける漫画形態の総称)の巨匠メビウス(宮崎駿大友克洋鳥山明などの巨人の絵柄に影響を与えたイラストレーターであり数々の名作SFのデザインを担当)、やミックジャガー、オーソンウェルズ(市民ケーンの監督)、ダンオバノン(エイリアンの脚本やSW EP4のコンピュータグラフィックなどを担当)、HRギーガー(エイリアンというかビックチャップをデザインした人)

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クリスフォス音楽一向にピンクフロイドやマグマなど今やその界隈では知らぬ人はいない巨人たちがこの企画に参加していました。ここら辺については解説をなどを読むよりかは実際に本人から語られているドキュメンタリー映画ホドロフスキーのdune」をご覧ください。(多分今もアマプラにある。dune云々を抜いても元気が出る映画です。)

 

しかし予算の工面、上映時間十二時間、ダリのわがまま出演料等に加えホドロフスキーがメジャー性のある映画監督でなかったことからこの企画は頓挫。のちにこれらをディノデラウレンティスPにより、デヴィッドリンチに周り、映画化をしますが、これもリンチの持つ「作家性」的なものとの齟齬により失敗作となりました。(ベクトルが違うだけでリンチ監督は非常に優れたクリエイターであり映像を楽しむという点では面白く一件の価値はありますが)。リンチ作品のおすすめは

ブルーベルベット/マルホランドドライブ/ワイルドアットハート

その後もテレビシリーズなどで映像化を見込まれていましたが、出来上がった物を観客側が満足することはありませんでした。そのくらい原作のイメージが長大であるからです。

 

さて、今回監督を担当するのは、今の映画界ではトップを走る一人であり作品の打率も高いドゥニ・ヴィルヌーヴ

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ドゥニ・ヴィルヌーヴ

カナダ出身(ここ重要)ということもあり、コテコテの米国映画的なもの(単にこういうものと言いきれるほど映画は見ていないが、冒頭5分見ただけでオチまでわかってしまうタイプの映画だとお考えください)を取るタイプの映画監督ではないというのがまず押さえておきたいところ。彼のフィルモグラフィー(監督作数的には寡作の分類)の中でも注目すべき作品はarrival、sicario、blade runner2049、prisonersの四作。それ以前の作品も注目すべきですが(複製された男、静かなる叫び)今回はあえて外します。

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まず最初にあげたarrival(邦題はメッセージ) 、これはテッド・チャンというsf作家が書いた短~中編小説「あなたの人生の物語」を原作に敷いた映像化なのですが、ファーストコンタクトものとして非常に優れた映像表現を描きながら最後にはちゃんとした意味でのヒューマンドラマで締めてくるという傑作。異星人の言語を解析するという、ファーストコンタクトものとしては荒っぽくないタイプの作品(ID4=インデペンデンスデイだったりエイリアンだったり、人気のファーストコンタクト物は大体荒っぽい)です。

その点本作に近いハリウッド映画はスティーヴン・スピルバーグ未知との遭遇

本作の中でも映像の驚きと言えるのが時制がない異星人の言語表現の視覚化です。表音文字(あいうえお)や表意文字(漢字などに代表される一文字で意味を成す言語)とも違う表義文字を見事な演出とともに映像化しているし、これは押井守新海誠樋口真嗣などの映像クリエイターも見事と太鼓判を推している。

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劇中でヘプタポッドと呼ばれる異星人の言語

原作と比べると改編などもあり、そこにイライラをもち「許せん!!」と感想を持つ人も一定数いますが、ある種それは原作映画の宿命のようなものであり(つまりは原作は器であり、そこに何を盛るかは作り手による)この映画に至っては結果的に良質なものが出来上がっているため問題はないと私は思う。というよりチャンの原作を映像化するのであればこのくらい改変せねば映像化にならん。それはともかく、この作品を観ればsf映画を撮る素養というのが備わっていることがわかる。


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第二にsicario (邦題=ボーダーライン)、この作品は映画脚本家によるオリジナル作品。麻薬カルテルとそれを取り締まる警官という、少し映画をみていたらよくある題材(というよりありふれたパターンの一つ)の映画であるが、この作品でもヴィルヌーヴの映像は目を見張るものがある。第一に銃撃戦。銃撃戦というとHEATのような白昼堂々打ち合うといったイメージを持つ方もいると思いますが、本作は物語の流れというのも関係していますが、車の渋滞の中で演出されるものです。シュチュエーションとしては地味だと思われがちですが、いざ見てみれば緊張感が溢れること間違いなし。この作品で描かれるフィクションでありながらもどこかリアルに感じられるほど演出など見応えたっぷりです。


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prisoners(プリズナーズ

これは、簡単にストーリーは単純(要約すると大体こういうと言う意味)で子供を誘拐された親(ヒュー・ジャックマンが演じてます)が怒りにまみれて犯人を狂気ともとれるような行動を取り、それをギレンホール演じる有能刑事が色々カバーするといったお話。ちょこちょこ脚本に違和感を感じることもありますが、それを許せるだけのオチとその描写の仕方がやっぱり秀逸。見た人なら「わかる」といっていただけると思うが、貶すつもりはない上で書きますが、例えば最近ヒットした韓国映画「パラサイト」のラストで息子が父親宛に書いた手紙を読んでどうこうの展開。あそこは非常に観客に「わかりやすく」説明的であり、私なんかは蛇足的であると感じてしまう。もっと省略的でいいのに。その点プリズナーズはラストは少なくとも「余計な」説明をいれてこない。観客に「説明」ではなく「非カタルシス」的な描写で監督の演出の巧みさが感じられる作品です。


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Blade runner 2049(邦題=ブレードランナー2049)

本作は1982年公開のリドリースコット監督の映画ブレードランナーの続編。何も知らない人であれば「過去のsf映画の続編なんてSWでもやってるじゃん」と思ってしまう人もいますが、ことブレードランナーという映画はカルト映画でありながら、ブレラン以降の「sfで近未来」的なイメージソースの元祖といって差し支えない作品。つまりは続編ものなんてはなから必要性がないのである。そういった、もはや伝説的な作品の続編というのは、海外の映画監督であれば、普通は担当しようとは思わないはず(どう作っても必ず賛否になるし、ブレードランナーというタイトルを背負った続編なんて誰であれ荷が重いと感じるから)その続編をヴィルヌーヴが撮った結果、前作を超えた云々というのは土台無理な話なのでさておき、「続編」としてのできはファンであれば誰もが納得するクオリティ。やれ、上映時間が長いだの(たしか内容に対してスクリーンタイムが3h近かいのはきついが)、つまらないだのと、否定的な意見も多いが、こればっかりは見て判断していただきたい。


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そして、優れた監督、作品には優れたスタッフがいるのも事実。映像的なところですとsicarioとprisoners,blade runner2049の3作品はロジャー・ディーキンスという超一流の撮影監督(フィルモグラフィー的には007のスカイフォールが一番有名なのかなぁ)が携わっていることもあってより映像に拍車がかかってます。特にsicarioは銃撃・アクションが多めの作品なのでそこ点も楽しめる一つになってます。

音楽にはヨハンヨハンソンという作家との絶妙というかこれ以上ない組み合わせで数作(arrival,sicario,prisoners)担当。中でもarrivalはそれを象徴する作品だと感じます。

 

Heptapod B

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Kangaru

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Sapir- Whorf

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Decyphering

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SF作品にアイスランドという地域性からでた鍵盤演者という点が普通の劇伴と「変わっている」ところ。重量感、民族音楽的であり、メロディラインはつかみどころがないほど多角的。芸術とエンタメを見事に包括するドゥニ監督には本当に最高のパートナー「だった」と思います。なぜ過去形なのか。それは既に亡くなっているからだ。48歳という若さで。彼が優れた音楽家であったというのはもちろん、後続の音楽作家を育成し成功している。これは2019年の映画「JOKER」でアカデミー賞作曲賞を受賞した劇伴作家ヒドゥル・グドナドッティルが、彼の門下生であったことからもよくわかる。

Arthur Comes to Sophie

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Looking for Answers

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Bathroom Dance

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弦楽器ラインに影響を垣間見えますね。

閑古休題

挙げた四作品ともに、ヒューマドラマ(もっというと親と子供)と強い母性を描くことがこれまでのフィルモグラフィーからみて取れることです。故にここで好き嫌いが監督でもあったりしますね。

 

arrivalやbladerunner2049等のsf映画を物の見事に傑作に押し上げたドゥニ・ヴィルヌーヴが次に撮る作品、それこそがDuneである。先述した「ヴィルヌーヴがdune」を監督する。だけだと映画に詳しくない人が「はいそうですか」で終わってしまうので一度足並みを揃えるために彼のフィルモグラフィーについて簡易的ではあるが説明をした。ここまで真剣に読んでいただけたのであればこの監督が如何に優れたクリエイターであるかは理解いただけたであろう。先ほど書いたようにDUNEという小説は映像化が難しい。で、そのことをよく分かった上でドゥニ監督が取った方法は2部作にするというもの。それも今回の1作目だけで2時間半とかなり尺を取って。つまりは5時間分相当を使って第一部「DUNE/砂の惑星」を作る。ということは1作目があたらないと次回作はないわけで、これまた「DUNE映像化失敗」となってしまう。そのためにも皆さん映画館でDUNEを観てください。砂漠の救世主をベースに三作目をつくるという噂も出てますつまりは三部作の可能性も持ち合わせているわけなのでやっぱりいい作品は劇場で観ましょう。

 

では次にDUNEという小説について

簡素なあらすじ

はるか未来、思考機械の反乱後、自らの肉体精神性を拡張した文明を築いて、その中にアラキスという砂に覆われた惑星があり、そこにアトレイデス家が移住してくることから話は始まり、未来を視えるポールの苦難や、父親レトの死を始めハルコルネン家・大公家連合などの権謀術数、原住民のフレーメンと呼ばれる部族勢力などがとりまく各公家たちによる混沌と裏切りに満ちた一大叙事詩(の冒頭第一部)

いうまでもなくこういった小説は貴種流離譚という一種の型にハマっているので当然ポールは最後帝座に座につきます。続編以降はそれを破壊して行きますけどそれはさておき、第一部という括りという意味では「なんだ典型的なヒーローもの」と感じてしまいますが、作品のディティールの描写に富んでおり、用語、航空機などのガジェット、戦闘描写など兎角読者が夢中になってしまう要素ばかりです。そのせいか現在早川から出ている上中下の下巻の後ろ数ページは用語や公家の設定などが書かれている附録が掲載されています。

 

さきほど一大叙事詩冒頭第一部と書きましたが、砂の惑星以降続編が刊行されており砂漠の救世主、砂漠の子供たち、砂漠の神皇帝、砂漠の異端者、砂丘の大聖堂と続きます。おそらくクライマックスに突入していたことに違いないという所で著者のハーバートが亡くなってしまったため作品全体としては未完になってしまったことが本シリーズの唯一の痛い所。しかしながら第一部「砂の惑星」だけで完成されている物語であり、十分楽しめるので続編云々は気になる人だけが追えば良いという感じです。

新訳で上中下巻で「砂の惑星」は出てますので是非読んでください。

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DUNE series



さて、ここからはそんなDUNEシリーズが後続の作品群にどのような影響を与えたか映画化に合わせて、duneの影響力についての記事が出回っていますが、末節骨レベル(つまりは小手先)にしか触れられておらず、非常にもどかしいので中手骨ぐらいには深めに書きます。

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こういった文言の記事が大量に上がっているのにもかかわらず、具体的な指摘がひとつもないのは「上っ面だけだなぁ」と感じます。大体アバターに影響を与えた小説というのであれば、ルグィンの「世界の合言葉は森」の方がプロット等そのまま踏襲してるレベルで影響を受けているのだから、dune云々いう前にそういったところをまず書こうよと思いますが、まぁ書き手にそこまでの教養がないのでしょう。

 

「DUNE」はその後の(洋の東西を問わず)サブカルチャーに莫大な影響力を与えました(今更書くことでもありませんが)DUNEの小説の要素を翻訳した有名な映画作品といえばスターウォーズ

  • ジェダイのフォース-ヴォイスというべネゲセリットが使う超能力
  • タトゥイーン等のイメージ-惑星アラキス(砂の惑星
  • 重要な役割を持つ双子(レイアとルーク)-(ガニマとレト2世)or(ポールとアリア)
  • 構造のディティール-ジョセフキャンベルの神話云々とは別に話におけるキャラの役割(主人公が敵によって堕落し、それらを子供にあたる双子が復讐を遂げる)

そして日本では言わずと知れた巨匠宮崎駿監督の漫画&トップクラフト制作の映画作品「風の谷ナウシカ」では

  • 主人公が救世主的役割を担うということ
  • 王蟲という巨大な虫-惑星アラキスに棲むサウンドウォームという巨大な砂虫

(まぁこれはモスラが元になっているという考えもできる。なぜなら初代モスラの原作になった「発光妖精とモスラ」を書いた3人の作者内、一人が堀田善衛宮崎駿さんが尊敬する著者であるから.)

堀田善衛さんがナウシカを見た時、王蟲のシーンで笑っていたという証言も残っています。

www.ghibli.jp

原稿を書いていただくにあたって、僕たちがどんなことをやっているか知っていただこうということで『風の谷のナウシカ』をご覧になってもらおうと、当時都内にあった堀田家のマンションにビデオデッキとソフトを持ち込ませていただきました。堀田さんも『モスラ』の原作をやられたりしていますから、きっと楽しんでいただけるんじゃないかと思っていました。堀田さんはその時、片方の目が不自由で、もしかしたら途中で疲れてしまって全編見られないかもしれないと奥様からは申し渡されていましたが、最後まで興味深そうに見てくださいました。その時に非常に印象に残っているのは、王蟲が登場すると、抑えた声で楽しそうにクックックと笑っていらしたことです。

あと慌てたのは、ナウシカ王蟲の大群に跳ね飛ばされたところで、映画が終わりと思われた堀田さんが「うむ、おもしろかった」と言って席を立たれようとしたことですね。立たれようとする堀田さんに「まだ、続きがありますから」と言って最後まで見ていただいたら、「ああ、生き返るのか」とおっしゃったことをよく覚えています。

 

そのほかにも、弱い推測ではあるが

  • ドルクの政教一致な点やナムリスやミラルバなど超常の力を持っているところが非常にベネゲセリット的

メランジによって人間がミュータント化したメンタート(数学能力が以上に高いコンピュータ人間)がいる宇宙協会などといったディティールに魅了されたのかなぁと思ったり。

  • DUNEに出てくる乗り物オーニソプター(ギリシャ語で鳥(オーニ)+翼(Thopter)=羽ばたき飛行機=鳥のように持続的に羽ばたく航空機)の否定型として天空の城ラピュタの虫型のフラップター(はばたくの意味をもつflap+Thopter=フラップター)が描かれているのも明らかであり、それを証明するものとして宮崎駿イメージボード集にこのような記載があります。

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宮崎駿イメージボード集より

とまぁこのように、日本が誇る当代随一のクリエイターも色々文句を言いながら(宮崎駿御大らしいですね)影響を受けています。

 

そしてもう一つ、現代の最も優れたエンタメ作品として氷と炎の歌というファンタジー小説があり、つい数年前最終回を迎えてまだ記憶に新しいゲームオブスローンズ。

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https://warnerbros.co.jp/tv/gameofthrones/ より画像引用

意外と指摘されていないですが、本作もduneの影響は見受けられます。

ブランの未来/過去が見える能力 三つ目鴉→ポールの能力の転換

アリア→ポールの妹で同名アリア

王の楯であり総帥という伝説の騎士サー・ダンカン・ザ・トール→ダンカンアイダホ

ジョン・スノウ→冬の狂風以降、原作でどう料理するかは不明だが、結果的に選ばれしものであったという点などが非常にポール的。

そのほかにも代理決闘などの要素などにdune的だなと感じるところがあります。そしてこれらは絶対に意図的であることがわかる。なぜならば作者のG.R.R.マーティンはSF作家であり、SF分野内でも「サンドキングズ」や「ライアへの賛歌」などでヒューゴ賞などを受賞している実力作家でもあるからだ。個人的にはワイルドカードシリーズが大好きですね。(日本では途中までしか訳されていないのが残念なところだが)

 

もちろん氷と炎の歌シリーズも読んでますが(GAME OF THRONESは原作者の監修付きとはいえ、お話が原作を追い越してるので、作者が書くゲースロの結末を読みたいなと思ったり、だから早く第6章:冬の狂風を出して欲しいのだがそれはまた別の話)

※ドラマであれだけの面白さを持ってしても、原作の方が面白い。

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表紙も素晴らしい/鈴木康士

こういった、古典の名作小説に影響をうけて作られたものが映像的に出て、数十年後原典のあの小説が!!というパターンは多い(ジョン・カーターとか、エンダーのゲームとか)が、ことごとく名作小説→名作映画の変換は失敗している。だが、そんな中今回の映像化は一流の監督、キャスト、スタッフを備えているので、今回でダメなら金輪際無理と言っていいでしょう。


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予告編を見るに非常に期待が持てると私は感じている。

 

さて、dune話を延々したわけだが、まとめるとdune見ろ&読め。ということになる。

本国(つまりアメリカ)ではSF情報誌「ローカス」で12年ごとに行われる読者のオールタイム・ベスト投票で1位を取り続けるという、偉業を成している。つまり本作が出てからSFにおける総合的な物語のクオリティとして(極端な話)DUNEほど変わらぬ評価されている作品というのはあまりないということである。そんな小説であるが故にDUNEに影響〜云々言い出したらキリがない(特に小説内や映画、ゲームには莫大な影響力)。そのため有名な作品に限定して紹介した。そういった歴史というか、流れを知っていれば今どき砂の惑星ときいて「あ、ボカロ曲だ」と反応してしまうのは少々視野が狭いように思える。まぁ別にいいんだけど。がしかし、少なくとも大元を理解した上でその末端の末端にボカロ楽曲があるという認識をしたほうが色々エンタメの世界が見れるし、楽しいと感じます。

少々歯切れが悪いが、この辺で今回は終わり。次の記事(があれば)で

2021/10/15