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Music Synopsis

音楽に思考の補助線を引く

表音・表意・表義─声から音・音から言語・言語から意味|声=音・意・義 三分法

「劇伴・声・音──若山詩音・羊宮妃那という座標」において、若山詩音/羊宮妃那が2020年代のアンセム声優であるという、非常に個人的な主張を書いた記事

sai96i.hateblo.jp

から始まり、たくさんの反応があった。

そこから、羊宮妃那に軸足をおき、拡張した記事が

声=音=言語=演技の交点|羊宮妃那論

この記事が

sai96i.hateblo.jp

も、とても凄く反響があり、非常に嬉しい限りです。まずは読んでいただいた方、本当にありがとうございます。出発点は羊宮妃那という表現者をただただ、書いただけだけだったはずなのですが、いつの間にか射程が広がり、等式が描けることができ、、というのは前回の末文で書いたが、じゃあどっからその等式を編み出したのかを書いていなかったので今回はその話を。いつもは工程話野暮なのでしませんが、あの記事を読んだ人の中には、どういう理屈、枠組みであのタイトルに至ったのか、その工程を知りたい人ももしかしたらいるのかもしれない。という可能性も併せて。

 

声=音=言語だったのです。最初は。

 

「=演技の交点」というのはそれが演者に還元されるという付け足しであって本来でいえば「声=音=言語」=構造という一文のみ。では改めてこの等式はどこから導き出したのか、あれは、「言語が思考を規定する」=「サピア=ウォーフ仮説」からです。それもテッド・チャンの『あなたの人生の物語』と掛けての。

SF的構文認識(サピア=ウォーフ)というわけです。

もちろんヴィルヌーヴの『Arrival』の映像化作品がSF映画の表現として圧倒的だったことももちろん大きい。とにかく未見は見て欲しい。

Kangaru

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オン・ザ・ネイチャー・オブ・デイライト

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この映画なしにあの論なしとも言える。そのくらい原作の難しさを緩和している。そして監修を担当したのがMathematica(命名がスティーヴ・ジョブズ)を開発したWolfram Research社の代表スティーブン・ウルフラム。 


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まず”=”の活用がそれなんです。

この圧倒的な金字塔中篇言語SFについては最早不要なので説明しませんが論の立て方は異星人「ヘプタポッド」の言語が

  • 時間非線形的構造(未来の認識が可能)

  • 視覚記号(文字)が円形かつ一単位で完結した意味をもつ

そしてこれらの視覚記号(文字)の言語は2つの種類の統一したものである

  1. 表音文字-音(読み)に意味が対応-英語・ローマ字
  2. 表意文字-文字そのものに意味がある-中国語・漢字

1+2=表義文字-表音+表意=意味と文脈の複合体-漢詩・ヘプタポッド語

1つ目の表音文字=音質・抑揚に意味が宿り、2つ目の表意文字=声の“型”が意味を帯びるこれらを経て3つ目の表義文字の概念を(声と発話)というふうに書き換えれば声優=表義音声となります。

まずこれを念頭においた上で、では羊宮ボイスがなんなのか?と考える。そうすると

羊宮妃那の演技は、表音的な声色の繊細さに加え、キャラ・演出・音楽と接続することで「文脈を含んだ音=表義的声」として機能している。

 

ここの段階であの文章に書かなかったものの頭に螺旋として描いたのは

  • 表音声優(phonetic)=音色に意味を集約する演者
  • 表意声優(semantic/ideographic)=発話の型や構文でキャラの意味を組む演者
  • 表義声優(symbolic)=声・文脈・演出・音響が複合に交差して意味生成を担う演者

この原理ともいえる定義上では本編よりも、もっと広義な範囲で包括できておりまして

声を主題に声優を軸にナレーター、俳優における声が印象的な人も含め以下のように分別しました。

特に表音と表意ですがあくまでも基本軸に依拠している発声段階という意味であり、スローで声を低くすれば表意になれるパターンも当然あり得ますし、そういうケースを請け負っている声優も表音には多いです。

直近の声優で言えば、アタックのかけ方で表意になる水野朔(感情の即応性と構文的制御の狭間)や、低音lowで語り部にもなりえる矢野妃菜喜(声色の純粋性や音の跳躍感が強く、一瞬の深みが勝負どころのの対が語尾を制御したときに出る)とかはまさにそう。

逆に若山詩音は2020年代の中で「表音→表義」の可能性が高いと言える。

 

ここにかかる転換というのも誰もが表音/表意/表義を全部もっていて、その中で一番高い成分=主軸という形で分類/所属としています。

声=音・意・義 三分法/声三相法における等式上としては表音O/表意E/表義Gを0–100で分別。O+E+G=100で収める。OEG 15/45/40(主=E)

  • 役A:O55/E30/G15 → 主=表音

  • 役B:O35/E45/G20 → 主=表意

  • 役C:O25/E30/G45 → 主=表義

  • 俳優重心の時 :O38/E35/G27→主=表音

ex.櫻井孝宏の場合-表音15/表意40/表義45

この場合、表意・表義による作用が大きいため、論を運ぶ台詞・独白・説明責任のある役で抜群に効く。主=表義、従=表意の語り手/理念運搬型の声優のため、表義と言った具合です。「主」+「従」の概念でおおよその型も決めきれます。

 

 

ではこれらを前提に、主としてどこに配列できるかを列挙します。

 

表音声優(声の質がそのまま意味を持つ)=phonetic voice acting

大平透朴璐美若本規夫三石琴乃古谷徹田中真弓井上喜久子花澤香菜杉田智和東山奈央、若山詩音、阪口大助保志総一朗丹下桜宮野真守鈴代紗弓、結川あさき、日高のり子緒方恵美南央美玄田哲章鈴村健一納谷悟朗石丸博也田村ゆかり井口裕香堀之紀野中藍小清水亜美阿澄佳奈竹内順子松本梨香平野綾、相川遥花、阿部敦折笠富美子梶裕貴花江夏樹緑川光桑原由気戸松遥茅野愛衣門脇舞以竹達彩奈豊崎愛生上坂すみれ久野美咲朝井彩加矢野妃菜喜雨宮天植田佳奈林鼓子豊田萌絵渡辺明乃、水野朔、楠木ともり水瀬いのり石川界人、青野 武、八奈見乗児、梅原 裕一郎、伊藤かな恵佐藤聡美田所あずさ洲崎綾緒方賢一千葉繁水田わさび、ファイルーズあい

 

表意声優(語り構文型)=semantic/ideographic voice acting

榊原良子中田譲治池田秀一山口勝平子安武人鈴置洋孝大塚明夫田中敦子桑島法子諏訪部順一子安武人小山力也神谷浩史川澄綾子早見沙織古川慎中村悠一福山潤白鳥哲大林隆介土師孝也石田彰平川大輔井上和彦菅生隆之能登麻美子小林清志津田健次郎津嘉山正種江原正士山路和弘野島健児置鮎龍太郎真地勇志田中秀幸速水奨山田康雄水樹奈々茅原実里水橋かおり加藤英美里斎藤千和山根基世立木文彦大西沙織井上倫宏後藤邑子中原麻衣潘めぐみ斎賀みつき小野大輔真殿光昭鶴岡聡市ノ瀬加那、金本涼輔、松岡禎丞小林裕介喜多村英梨伊藤静佐藤利奈寿美菜子皆口裕子、梅田修一朗、戸谷菊之助、河瀬茉希、小市眞琴本渡楓福圓美里下屋則子高柳知葉井上麻里奈杉山紀彰稲田徹高木渉名塚佳織成田剣小野賢章入野自由茶風林萩原聖人堺雅人井浦新辻親八小宮和枝、尾崎光洋、坂田将吾、

 

表義声優(声と文脈=意味)=symbolic voice acting

羊宮妃那、上田麗奈悠木碧林原めぐみ内山昂輝坂本真綾関智一櫻井孝宏高山みなみ安済知佳釘宮理恵沢城みゆき山寺宏一、ゆかな、佐倉綾音堀江由衣石川由依瀬戸麻沙美高橋李依藤田咲大谷育江、種﨑敦美、長谷川育美、黒沢ともよ木村良平大塚芳忠藤原啓治日笠陽子大原さやか藤原竜也大東俊介

 

 

そこからさらに代表的なW主人公・対偶という音の組み合わせで考えると

コードギアス

櫻井孝宏(表義声優)×福山潤(表意声優)

  • 櫻井孝宏(枢木スザク):OEG 20/45/35(主=E/従=G)

  • 福山潤ルルーシュ/ゼロ)

    ルルーシュ(素顔):50/30/20(主=O)

    ゼロ(仮面・演説):30/50/20(主=E)

    (シリーズ重心の目安:40/40/20)

     

 

PSYCHO-PASS

櫻井孝宏(表義声優)×関智一(表義声優)

『呪術廻戦』

櫻井孝宏(表義声優)×中村悠一(表意声優)

 『DEATH NOTE

 宮野真守(表音声優) ×山口勝平(表意声優)

 『Fate/Zero

セイバー陣営:小山力也(表意声優)×川澄綾子(表意声優)

ライダー陣営:山﨑たくみ(表意声優)×緑川光(表音声優)

アサシン陣営:中田譲治(表意声優)×阿部彬名(表意声優)

アーチャー陣営:速水奨(表意声優)×関智一(表義声優)

ライダー陣営:浪川大輔(表意声優)×大塚明夫(表音声優)

バーサーカー陣営:新垣樽助(表意声優)×置鮎龍太郎(表意声優が表音化)

キャスター人生:石田彰(表意声優)×鶴岡聡(表音/表意混合)

月姫R』

長谷川育美(表義声優)×金本涼輔(表意声優)

桑原由気(表音声優)×市ノ瀬加那(表意声優)

空の境界

坂本真綾(表義声優)×鈴村健一(表音声優)

魔法使いの夜

戸松遥(表音声優)×小林裕介(表義声優)×花澤香菜(表音声優)

新世紀エヴァンゲリオン

緒方恵美(表音声優)×林原めぐみ(表義声優)×宮村優子(表音声優)

涼宮ハルヒの憂鬱

平野綾(表音声優)×杉田智和(表音声優)

<物語>シリーズ

神谷浩史(表意声優)×斎藤千和(表意声優) 

神谷浩史(表意声優)×加藤英美里(表意声優) 

神谷浩史(表意声優)×沢城みゆき(表義声優)

神谷浩史(表意声優)×花澤香菜(表音声優)

神谷浩史(表意声優)×堀江由衣(表義声優)

『ソード・アート・オンライン』

松岡禎丞(表意声優)×戸松遥(表音声優)

ノーゲーム・ノーライフ

松岡禎丞(表意声優)×茅野愛衣(表音声優)

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

石川由依(表義声優)×浪川大輔(表意声優)

『トラペジウム』

結川あさき(表音声優)×相川遥花(表音声優)×上田麗奈(表義声優)×羊宮 妃那(表義声優)

響け!ユーフォニアム

黒沢ともよ(表義声優)×安済知佳(表義声優)

リズと青い鳥

東山奈央(表音声優)×種﨑敦美(表義声優)

魔法少女まどか☆マギカ

悠木碧(表義声優)×斎藤千和(表意声優)×喜多村英梨(表意声優)×水橋かおり(表意声優)×野中藍(表音声優)/加藤英美里(表意声優) 

機動戦士ガンダム

古谷徹(表音声優)×池田秀一(表意声優)

リコリス・リコイル』

若山詩音(表音声優)×安済知佳(表義声優)

亡念のザムド

阿部敦(表音声優)×折笠富美子(表音声優)

『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』

江口拓也(表意声優)×早見沙織(表意声優)×東山奈央(表音声優)×佐倉綾音(表義声優)/悠木碧(表義声優)

SPY×FAMILY』

江口拓也(表意声優)×早見沙織(表意声優)

進撃の巨人

梶裕貴(表音声優)×石川由依(表義声優)

閃光のハサウェイ

小野賢章(表意声優)×諏訪部順一(表意声優)× 上田麗奈(表義声優)

 

というざっくりカテゴライズ。そしてそこから更に解体していくと

音声=構造体である

声=意味生成の装置である

演技=音響的構文である

声優=言語・演技・音響の不可逆点に立つ存在である

 

また、この状態であると、分類はできるが抽象性が高いため、構造形でorganized / disorganized offenderを導入すると、表音声優は、音そのものに感情の奔流を預けるという意味で衝動的=disorganized型の即応性を帯びる。一方で表意声優は、構文・意味順序・文法的制御を重視するという点で、計画的=organized型の構築性を思わせる。そして、この両者を包摂しながら、状況と呼応しつつ文脈そのものを生成する表義声優は、時に組織的に、時に逸脱的に振る舞う複合型(hybrid offender)として読み替えることができる。

 

その意味では基本的な生来の声質としての「表音」が「表義」に後天的に役柄として様変わりする時もある。

 

PSYCHO-PASS』において常守朱を演じる際には「部分的表義声優」となる。声優の演技構造における変異の提示の最たる例といえるだろう。花澤香菜自身がもつ声質による無垢さという資質に対し、「制度と倫理の葛藤」を語らせるというのはやはり構文の飛躍である。それはあの作品が基本的「表意」「表義」しかいないというのが多いに影響しているが、そこに表音声優を表義と一時的に変容させた、そして演者がそれを成立させたという意味でも不思議なキャスティング構成であると言える。

PSYCHO-PASS』第一期 主要面子

 

声優のイメージの文脈跳躍=声優表義化の象徴、つまり声優という存在が声そのものの意味から文脈操作の能力へと移行しうることの実例であり、いわば、声優=表義化プロセスの具現化にほかならない。

 

とはいえ、本来言えば「表音」であることは間違いない。例えば花澤香菜千石撫子-『恋愛サーキュレーション』を成立させたという意味では明らかに発生された声そのものが表音である。声の高さ、語尾の愛らしさ、息遣いのリズムなど音質そのものが意味になっているカバーで本楽曲を釘宮理恵が歌った音源が存在するが、釘宮理恵ver.=表義型であり釘宮の「声の型」は、常に文脈・役柄・物語性と接続して出力される。


釘宮が同じ音階を発しても、「ツンデレ的なアイロニー」が混入し、 聴き手はあの釘宮があえて歌っているという文脈を読み取るざるをえない。それはやはり、「音+文脈=意味」となっているからである。つまりどちらも聞き応えはあるが、本家の味は表音ならではの体感と言える。

 

なお、「表音/表意/表義」という演技の構造分類に、声域──バリトン、テナー、アルト、ソプラノの軸を交差させることで、声の質量・密度・飛翔性といった“身体的音響”と“意味生成”との連関が明確化される。たとえば、表意声優におけるバリトン型(中田譲治大塚明夫)は、言語制御の圧に物理的重厚さが加わることで、思想的説得力が最大化される。対して、表義声優のソプラノ型(悠木碧/羊宮妃那)は、音の軽やかさと文脈跳躍の組み合わせにより、感情と構造の両立という、極めて希少な演技領域を体現している。

 

よりわかりやすく書くのであれば、

「表音 × ソプラノ」

音の跳躍性・爆発性。

感情的で衝動的な可憐キャラ

(例:東山奈央野中藍

 

「表意 × アルト」
構文力と落ち着きによる説得と諭しの声
中庸な音域に論理的説得力を持たせ、安定した存在として機能。
(例:田中敦子川澄綾子

 

「表意 × バリトン

言語による圧倒・構築型。

威厳や説得を言葉で制御

(例:中田譲治大塚明夫

 

「表意 × テノール
柔らかい声域に技巧を重ねる理知型演技者
構文力・語り力が高く、信頼感と知性
(例:福山潤神谷浩史小野大輔

 

「表意 × ソプラノ」

知性と純粋性が同居する語りの構文者
繊細に言葉を操る少女キャラや理知型ヒロインに最適。
(例:早見沙織桑島法子

 

「表義 × バリトン
重低音の中に構造的意味を内包する思想型演技
声の深さが、役柄の倫理的・世界観的構造と結びつき、強度と厚みを生む。

(例:櫻井孝宏山寺宏一)

 

「 表義 × テナー」

構文・感情・跳躍性をすべて併せ持つ中音域のバランス型
理性・共感・情動のスイッチングが自在で、特に“対話”に強い。

(例:内山昂輝櫻井孝宏)

 

「表義 × アルト」

文脈生成型の演技×身体的中庸=汎用型

(例:坂本真綾安済知佳佐倉綾音

 

「表義 × ソプラノ」
軽やかさと跳躍性、だがその中に物語文脈が通底する超希少型

(例:羊宮妃那、上田麗奈悠木碧、種﨑敦美)

 

その上で

表義の中でも全音域に対応可能者であり、「構造/意味/感情/跳躍」の全方位性型

「表義×バリトン×テナー×アルト(ソプラノ)」

人格×構文×感情=変幻の極地声-声そのものが構文として全領域横断型

(例:櫻井孝宏関智一)

 

さらに先述したorganized / disorganized型も追加すると以下のように区別できる。

 

代表的な例を2000-2010年代の比較的わかりやすく、知名度があり読者からしても象徴的であろう役者でorganized / disorganizedを音域で列挙する。

 

中村悠一 –「表音・バリトン・organize」型
表音) 情動を正確に支配し、抑制された低音の中に情熱を封じ込める演技。

 

野中藍 –「表音・ソプラノ・disorganize」型
表音) 衝動と崩壊が主軸。跳ね回るような声でキャラの非論理性を魅力に変える演技。

 

渡辺明乃 –「表音・アルト〜バリトン・organize」型

声の質感がそのまま意味となる。低音域の響きや声圧、がキャラクター性と直結の演技

 

楠木ともり –「表音・テナー〜アルト・disorganize」型

独白・独語的語り、息をこらえた演技、掠れ気味の繊細さ、壊れかけの少女像、内面の爆発を秘めた演技

 

早見沙織-「表意・アルト・organize」型
表意)意味と語りが主軸。語ることで空間を支配する演技。

 

神谷浩史 –「表意・テノール・organize」型
表意) 柔らかい声で言語と論理を組み上げる。整然とした語りの強度。

 

福山潤 –「表意・テノール・disorganize」型
表意) 笑い・皮肉・狂気の混成。構文が崩れながらも意味が突き刺さる演技。

 

大塚明夫 –「表意・バリトン・organize」型
表意) 重さと説得。語りで人間そのものの重層性を言語化する演技。

 

成田剣 –「表意・バリトン・organize」型

表意)意味の構文で役を語る。語尾・呼吸・間合いに説得力が宿る演技。


津田健次郎 –「表意・バリトン・disorganize」型
表意) 意味を崩しながら魅せる。語尾の不安定性すら作品世界を強化する演技。

 

小野賢章 –「表意・テノール・organize」型
表意:語り・構文・文脈を軸に感情を組み立てていく演技。言葉が世界を定義する。

思春期から青年期の情熱と理知を表現しやすい。

 

高木渉 –「表意・テノール・organize/disorganize」型
表意)語りや構文が主体だが、時に逸脱し、文脈操作の域に踏み込める天才型演者。

高木刑事-元太=「構文の幅が広い」=明確な論理/感情のバランス

 

坂本真綾 –「表義・アルト・organize」型
表義) 文脈と思想を抱いた声。すべてのセリフが物語の根幹と接続している演技。


悠木碧 –「表義・アルト・disorganize」の型
表義) 壊れた文脈の中で構造が立ち上がる。逸脱が哲学を含んだ声になる演技。

 

種﨑敦美 –「表義・ソプラノ・organize」型
表義) 声の軽やかさと構文の完成度が共存。物語全体の意味を背負える演技。

 

上田麗奈-「表義 × ソプラノ × disorganize」型

表義)声に文脈や構造そのもの、単語の間・沈黙・余韻にまで意味の波動が宿る。

 

山寺宏一 –「表義・バリトン・organize」型
表義) 世界観そのものを声で統御する。声に込められた知性と構文の極致。

 

櫻井孝宏 –「表義・バリトン・disorganize」型
表義) 世界を壊しながら意味を立ち上げる声。破滅的であることが構造になる演技。

 

櫻井孝宏 –「表義・全音域・organize+disorganize」型(=hybrid offender)
表義) 声そのものが構文化され、どの音域・感情・意味空間にも“言語化された人格”を宿せる稀有な存在。organizeでは知性と整音で空間を支配し、disorganizeでは逸脱と破綻が物語そのものになる演技。

 

関智一 –「表義・全音域・organize/disorganize」型(=hybrid offender)
表義) 声という構文のすべてを横断する多声的存在。構文、逸脱、跳躍、説得すべてを内包した演技。

 

日笠陽子 –「表義・ソプラノ〜アルト・organize+disorganize」型(hybrid寄り)
表義)声そのものが空間を構築する。整音された構文を通じて物語の背骨を担う一方で、感情の跳躍・皮肉・破綻も巧みに内包し、音の密度と意味生成を両立。organizeでは理性と秩序、disorganizeでは爆発とアイロニーを支配する。

 

沢城みゆき –「表義・全音域・organize+disorganize」型(=hybrid offender)
表義)声そのものが意味の構文装置となり、どの音域・性質・文脈においても“語ることが物語の構造を変える力”として作用する稀有な存在。

意味・声域・構文・感情すべてを操作。唯一無二の存在。

organizeでは、整音・言語支配・理知的構文、disorganizeでは、構文をわずかに崩し、あるいは過剰に濁らせることで、人物の倫理性や感情構造を語ることで歪める力を持つ。その声は感情の写しではなく、物語と役柄の意味生成装置として機能し続ける。

 

 

 

このように、三種× 「歌唱声域」×organize型/disorganize型におけるカテゴライズをすると、各役者がどういう演技が一番味が出るのかというのが*1明確になってくる。そのため、公表されている場合、その声優が主にどこに位置しているのかというのは案外重要であるといえる。

 

基本的に、ここまで書いて思ったのだがアナザー含めガンダムの主人公声優は

「言葉より先に声で感情を叩きつける存在」という意味では表音声優が多い。

つまりは「表音× (テナー〜ソプラノ)」にほとんどが包括されるのではないかと。

「二度もぶった。親父にもぶたれた事ないのに!」

カミーユが男の名前でなんで悪いんだ!俺は男だよ!」

「いえ、行きます。連邦軍は嫌いですし、なによりもティターンズはもっと嫌いなんです!」

「このぉ、猫の目か狐目なんか。」

「あんたの神はどこにいる」

 

まぁ、こう言った具合に。

主観とはいえ、無意識ながら、歴代のガンダム声優が表音に多いのはそれ。

論理(=表意)でも、文脈操作(=表義)でもなく、 音の高さ・声の圧・息遣い=表音的エネルギーそのもの=ガンダムの主人公は、演技の根幹が声そのものに意味が宿る=表音声優であることが多い。

 

あと、贔屓目ではなく構造的な意味で敢えて『Fate/Staynight』ではなく『Zero』を陣営で列挙したわけだが、『Fate/Zero』のマスターは単なるサポーターではなく、倫理・理念・矛盾・戦略・葛藤など、これらすべてを“言葉”で語る者たち、故に、物語の論理構造を担うキャラクターだからこそ、彼らに必要なのは、「声の強さ」ではなく、言葉の選び方・呼吸・句読の置き方で“思想”を語れる能力であり、これはまさに表意声優の領域。

多分ここは原理原則上、間違いなく音響側で統一されている。単純に召喚手は人間であるからこそ、地の声が強い表意型というのもあるが。

 

この辺りはこれまでの

第一「表現構文」=これは声の役割を分類する軸

(表音/表意/表義)

第二「声域」=音響的な身体性の軸

音響的な身体性の軸(バリトン〜ソプラノ)

第三「構文統御(offender型)」=演技制御のタイプ

演技制御のタイプ(organize/disorganize/hybrid)

に加えて、「可変か固定か」「内在か外在か」という2つのレイヤーを重ねることで、声より立体的に把握されるようになるだろう。

・「可変型/固定型」

「可変型」

演技ごとに「声の質感・構文・役柄の距離感」の自在、複数の構文人格を持っている

「固定型」

どの役でも一貫した演技美学・声域・構文。演技スタイルそのものが強度を持つ。

 

・「内在型/外在型」

「内在型」

演技の中に感情が流れ込み、声の震え・沈黙等の所作が演者自身の「内的振動」に直結

「外在型」

台詞の配置・構文の強調・語尾の設計など、全体を「俯瞰と構造制御」と意図的設計

 

つまり『Zero』における召喚手は、言語による思想の提示=音でなく構文である=表意声優=倫理・葛藤・戦略という内的命題を語る=トーンを崩さない=固定

成長キャラクターのウェイバーは前半がdisoraganize型、後半はorganize型という変容を遂げているから、表意の中で統御としてhybrid型といえる。

雁夜といった身体的にまず可変しているキャラクターを除き、まず全員が固定であり崩さないのでorganize型、狂人枠の龍之介・雁夜のみ統御型としては明らかにdisoraganize型といえる。

Fate/Zero』召喚手一覧

 

それで言えば『まどか』は元々佐倉杏子はいなかった。という事実を踏まえると

表義声優×表意声優×表意声優×表意声優の四角構造だったと言える。

そこで敢えて、本編における動きに代表されるように、感情のバランサーと倫理を担えるキャラクターとして配列されるからこそシャフト作品に常連とはいえ、表音声優が加わったことで、音の即興性としての要素が加わり五角構造になったのは妙であり、ここには固定型×内在型が起用したと言える。

 

表義×1、表意声優×3(=意味生成型 × organize)に固定型×内在型の表音声優=野中藍佐倉杏子)を入れたことで感情が跳ね、表意の語り構文が歪み、結果的に場が回転する。表意だけの場の緊張感の中に、キャラクター像とその処理含め、跳ねる衝動として再構成され、物語全体が「五方向(義/意/意/意/音)」の構文バランスを持つ、五角構造へと変化したと言える。

まどか☆マギカ』主演5人声優の構文分別

この記事では偶然にも、虚淵玄が手がけた3作品『まどか☆マギカ』『Fate/Zero』『PSYCHO-PASS』のキャスティング構造を表に落とし込んだが、これは意図的に寄せたものではない。にもかかわらず、各登場人物に配された声優の「構文型=演技構造」は、必然的に「表意」「表義」に集中していた。

このことは、虚淵作品において、演技とは意味を生産する構造装置でなければならず、声とは物語と倫理を構築する媒体であるという、根本的な作品構造の要請に由来する。

虚淵玄の作品世界は、倫理、矛盾、秩序、戦略、葛藤といった「思想的課題」を構文として語ることが前提となっており、それゆえ「声=音」の衝動性ではなく、「声=言語=構造」という意味生成の能力が最優先される演技領域となる。

そのため、感情や音色によって物語を牽引する表音声優の起用は、構造的に極めて限定される。それは単に演出や作風による選択ではなく、作品そのものが「論理によって駆動される」構文的世界であるからにほかならない。

つまりこの考察を通じて顕になるのは、虚淵作品におけるキャスティングとは、単なる「演技のうまさ」や「声質の適性」によって選ばれるものではなく、思想を語ることのできる構文型の声優であるかどうか、すなわち語りの適格性を基準とする「音響構文主義」的選定基準によって決定されているという事実である。

これはいわば、世界観そのものが「理屈で組み立てられている」ため、キャラクターたちは「感情」ではなく「論理」によって動かされ、その論理を担保するのが声優の演技構文力であるという設計思想と言える。

例外として先の三作がすべて「語る者=構文者」を主人公にしたのに対して、『GODZILLA 怪獣惑星』では語れない者=構文を破壊しようとする者を中心に置いた。虚淵世界では「語る=構文構築者」であることが前提(=表意・表義) だがハルオは「叫びによってしか自分の倫理を伝えられない」存在=構文としての言葉ではなく“衝動の音”を発せられる声優が必要という意味で“構文以前”の人間存在=ハルオ=宮野というキャスティングになったと言える。宮野真守は表音であるものの、「叫び」といった演技においては夜神月の来歴(言語が暴走する人格の経験は、衝動的構文演技の最適解)を持つ故に、言語を操っているようで、実際には音が構文を押し流していくような役というのは、表音型disorganizeの典型。そして宮野真守表音×アルト×disorganize型の演技は折り紙つきである。音の爆発性・抑揚・感情の即応性に優れるが同時に技術的には演技を構文化するリズム感が「表音」でありながら虚淵世界にいられる所以であると言える。

 

 

 

こうして、色々な軸を展開していける文章とはいえ、この段階になると本編は冒頭から設計が翻訳不可能性で進んでいたため、これらを書いたらもっと固い話になるし、趣旨とずれるだろうからこそ、敢えて伏せたのですが、この時点で見えたことはおそらく表義声優こそが最も希少かつ、特出な分類なのだろうということは思いました。

そんなことを思いながら、例の記事では冨樫解説の引用・援用として作り上げたものが

声優=「音響的合理性(理系)」の上に、「人間的共感(文系)」を重ねる演者である。

という形だったのですが、これはこれとして意味はありますし、あの論における背骨となっていますが、同時に立て板に水から出てきた一種の方便でもあるわけです。

本当に引用すべきは表義文字-表音+表意/声優=→表義音声(音・発話)のほうが本来言えば正しいんだろうな、と思ってはいたのですが、いきなり表義文字なんて出してもあの記事のテンションとしては乗れないと思った。

だからこそ、冨樫義博森博嗣という頭のいい作家連結で繋ぎ目としての一種のマクガフィンを掛けたわけです。

  • 冨樫義博-複層的な文脈(作中作・制度・情報操作)=意味=表意的

  • 森博嗣-構造美・理系脳・記号整理=音=表音的

実は三重構造であり、つまり、これはすり替えると一番上の部分を提示でしかない。

  1. 声優=「音響的合理性(理系)」の上に、「人間的共感(文系)」
  2. 冨樫義博=複層意味=表意的/森博嗣-構造美=表音的
  3. 表義文字-表音+表意/声優=→表義音声(音・発話)

そしてこの時点で言語-音-声と置き換えられている。と思い、このときようやく、「声=音=言語」という等式が、思考ではなく感覚として回路として繋がった。

そしてなによりも『メッセージ(Arrival)』の中核が言語=認知=世界=時間という全構造の再定義。それがより後押しになった。

トラルファマドール星出身トラルファマドール星人のような気分で。

これでようやく声=音=言語=演技=意味生成装置と定式化の完成というわけです。

では、これがペアならどうか?つまりWキャスティングだとどうなるのか?二人の組み合わせのベストな状態はなんなのか?あるいは『まどか』のような3人以上が主体となるようなキャスティング、そしてやってはいけないキャスティングだが、一応実例としては存在する形含め、構文配置様式(Casting Configuration)として明確にあります。これは単体構文(表音・表意・表義)が意味生成装置として機能した先に現れる「相互構文の均衡構造」であり、声優演技が相互的な構文干渉によって意味が増幅される。その構造化についての話です。おそらく読者のみなさんも「このアニメのこの組み合わせがいい」という作品は1本は持たれてはいるのではないでしょうか?そうした作品をケーススタディとしてどのパターンが一番「理想的」機能してきたのか、あるいは「あの声が仮にあの人だったら」というIFを再現するとどうなってしまうのか、というまさに声優の掛け合いについて、より論理的に語りうる様式になります。

 

構文配置様式(Casting Configuration)について

構文配置様式= ペアリング均衡を形成するためのキャスティング構造の分類

大枠としてはキャスト様式/均衡モデル /構文的特徴で組めることができる。

構文配置様式-ペアリング均衡

Wキャスト型(安定均衡)

表音×表意において最も成立しやすいパターンであり、大半の組み合わせはここに入る。これまであらゆる作品があると思うが、体感として6割はこの安定均衡に部類されるものと推察することができる。要するに「壊れてない」「違和感なく聞ける」という、名前の通り安定したキャスティング。直帰の例としてはやはり『リコリス・リコイル』がベストであろう。あれは表義×表音という意味では安定型の中ではかなり難しいパターンで成功している。

トリオ型(拡張均衡)

3人において構成される様式。代表的なものとしては『化物語』における暦・ひたぎ・真宵がある。表意*3人という構成が成立しやすく、作品が会話劇であることが大きな要因。逆に『Fate/stay night』では、士郎・セイバー・凛のトリオが、表音・表音・表意という構成で安定を保っている。士郎と凛の表音が物語を感情的に推進し、セイバーの表意がそのエネルギーを語りの構文で包み込む。

五角均衡型(拡張均衡)

魔法少女まどか☆マギカ』の5人編成が代表例。表義・表意が中心に配置されることで、逆に表音型が浮き立ち、会話や構文のリズムに逸脱をもたらす。それが作品全体の音響的バランスを支える要素となる。逆に「表義」と「表音」*3に表意という構成は案外実験としては面白いと思うが、実際例としては思い当たらない。そして6人以上はそもそも成立した類例というものが自分の中では見当たらないので保留とする。

 

破綻・禁忌型(干渉型)

これは例としては成立しなかったが、そのことで逆説的に証明した例ではあるものの、『復活のルルーシュ』の作中においてスウェイル・クジャパット(津田健次郎)とルルーシュ福山潤)は直接的に台詞で対話する場面を持たない。一見これは演出上の偶然のように思えるが、構文論的視点からすれば極めて理に適った配置の選択である。

津田健次郎-表意 × バリトン × disorganize(知性と不安定さを同時に孕む語りの構文)

福山潤-表意 × テナー × disorganize(理知と激情を制御しきれない語りの跳躍者)

このdisorganize × disorganize × 表意構文の衝突は、構文的過飽和を引き起こすリスクがある。両者ともが「語る力」を持ち、意味を生成しながら破綻させうる存在であるため、もし直接対話が成立していた場合、作品の均衡が崩壊し、視点喪失が起こっていた可能性が高い。この例は、構文構造において「会話させない」ことが、均衡の破綻を未然に防ぐ高度な演出戦略であり、不在による均衡という概念を補完するものとなる。

基本的にこの破綻・禁忌型はよほどのことがない限りそもそもキャスティング段階で組むというのはあり得ない。つまり同じ分類上にいて音域が一つしか異なる以外、性質が同じである場合、それはどちらか一人いれば「成立」するのであって同時に対話すると構文的にも合わない。成立しないとまでは言い切れないが、組み合わせとして類似したパターンを取るというのは挑戦的と言えるだろう。

 

変容型(成長型)

これは、キャラクターの成長に伴って、演者の演技構文が〈organize⇄disorganize〉を横断せざるを得なくなる稀有なパターンである。つまりは基本的に演者は型そのものは崩さないが作品キャラとしてどうしてもそうならざるを得ないというパターンという意味では珍しい型だ。ゆえに例が『Fate/Zero』におけるウェイバーくらいしか思い浮かばないのだが、要は、構文理論において「変容型」は、演者・キャラクター双方において構文属性そのものが物語内で移行する稀有なモデルである。すなわち、可変型の声優がストーリー進行に応じて統御・構文・意味生成の性質を変化させることで、均衡モデルそのものが物語内部で移動・変質することを特徴とする。

初期段階のウェイバーは、「表意 × アルト × disorganize」の典型。

表意は語りが意味を生成する構文性を有する。そしてアルト音域で、高すぎず低すぎず、中性的で不安定な響き。感情の起伏に制御が効かず、語尾に揺れがある意味ではその上でdisorganize型。つまり、この構文は、序盤の「言葉が先行し、意味が追いつかない」青年像と一致する。しかし物語が進行するにつれ、彼の発話の構造が変容する。

語尾が安定し、間合いが整い、意味の前提を語り始める(征服王への問いかけ付近)。

つまり、感情が制御されることで、語る者から構文を支える者へと変化。終盤では「表意 ×アルト × organize」へと遷移し、物語全体の思想的均衡を担う存在に成長する。

この移行は単なる演技の上手さというよりは、声優の持つ可変性(変容性)とキャラクターの成長性が一致した結果であり、「演技構文の進化によって、均衡自体が移行する」という現れと言える。

変容型において特筆すべきは、一人の声優が一作品の中で複数の構文型を横断することが可能であることにある。これはキャスト構成ではなく、一人の演者内で内的ペアリング均衡が起きるという構造であり、極めて高度な構文制御を要する演技形態である。

ウェイバーのように「disorganize → organize」へと構文が変容するケースは、キャラクターの成長と演者の演技構文が完全に一致していた稀な例であり、物語上の感情成長が“音”として聴覚に訴えることで、聴き手の認知構造までも変容させていく。

テンションによる変化は、感情演技のうまさや演出要求への即応性であり、「可変型」であれば当然できる。しかし変容型=構文自体が変わるというのは、声の抑揚や勢いではなく、「言葉の組み立て方」「文節の取り方」「沈黙や語尾の制御」など意味生成装置そのものの変質と言え、その意味では成長型とは、構文の根本的シフトであり、テンション操作による調整とは明確に異なる演技現象と言える。

 

 

表義声優構文に基づく演技均衡論 

安済知佳を軸とした『リコリス・リコイル』と『響け!ユーフォニアム』の比較分析

・『リコリス・リコイル』における均衡構造

安済知佳-表義 × アルト × organize

松岡禎丞-表音 × テナー × disorganize

このコンビネーションは明確な安定均衡を構成している。

安済(理念を沈める声)× 松岡(跳ねて攪乱する声)

安済の低く抑制された構文が垂直方向の重力を与え、松岡の衝動的で水平方向に揺らぐ声が構文を拡散させる。この「縦の制御」と「横の跳躍」の交差によって、作品のトーンが軽やかに駆動し、視聴者は両者の間に存在する構文的な余白に没入できる。

・IFキャスティングによる破綻均衡

仮に、真島役に櫻井孝宏(表義 × バリトン × disorganize)を配した場合、破綻均衡が発生する。表義 × 表義の正面衝突により、意味が過飽和状態に。特に第10話「Replay evil with eivil」で「マキャベリズムってやつ?」と軽く処理しながらもを引用する場面では、哲学劇へのスライドが起き、作品の青春性・娯楽性を踏まえると、あれは似合わないセリフであったと言える。作中では実際に松岡禎丞ボイスで言ってしまったことで真島というキャラの「軽さ」が消えたという事実から逆算するに、あれが櫻井孝宏であれば重すぎて視聴者が視点を見失うリスクが高まる。これは、キャラクターが“語る”だけでなく、作品構造そのものを語り始めること(=『PSYCHO-PASS』における槙島聖護現象)により、演技構文がメタ化してしまうことによるズレである。

・『響け!ユーフォニアム』における拡張均衡

安済知佳(麗奈):表義 × アルト × organize

黒沢ともよ(久美子):表義 × ソプラノ × disorganize

櫻井孝宏(滝先生):表義 × バリトン × disorganize

この3名による構文構造は、拡張均衡(三重構文補完型)を成立させている。

声域:バリトン/アルト/ソプラノの三層構造

統御型:organize/disorganize の組み合わせ

特に、黒沢=情動の跳躍(表義×org)安済=抑制された倫理的構文(表義×dis)
櫻井=逸脱的な理性/構文破壊(表義×dis)という三者のバランスが、作品全体の音響倫理を支えている。このトリオは、感情(久美子)/信念(麗奈)/構造(滝先生)

の三構成を役割的にも構文的にも補完し合っている点で、音響構文設計の理想型の一つといえる。

 

安済知佳という表義演者の応用性

安済知佳という声優は、演技の派手さでも音色の煌びやかさでもなく、意味を生成する構文操作の巧みさによって物語を成立させる数少ない表義声優である。

リコリス』-作品にとって理念の基点を形成しつつ、表音の若山詩音の対軸としての青春的軽さの支点になれる。

響け!ユーフォニアム』-別の表義(黒沢)と拮抗・交差しながら、倫理と感情のバランスをとる。

いずれの作品でも安済知佳の役割は主役の内在化でありながら、構文の基底としても機能する。その意味では安済知佳は、表義声優としての稀少性と、構文構造内での柔軟性を併せ持つ演者である。特に、安済が参加することで作品が破綻せず、むしろ構造的に安定化する事例は『リコリス・リコイル』と『響け!ユーフォニアム』において明確であり、それぞれが安定均衡と拡張均衡という別方向での意味生成を成立させている。一方で『クズの本懐』では徹底的に壊れそうな人物像というものを演じている。それは高坂麗奈的な芯の通った達者な奏者志向の学生(表義 × organize × アルト×可変×内型)でも、キャラとしての錦木千束が背景があるものの表では明るくておちゃらけた少女(表義 × disorganize × アルト×固定×外型)でもなく、安楽岡花火(表義 × disorganize × アルト×可変×内型)という構文で成り立っている。つまり、どれも「感情が強く乗る」役だが内側で意味が組まれている(先述の3人が全員そう)。

高坂麗奈・錦木千束・安楽岡花火 各構文

つまり、表音ではなく表義でしか成立しない。それは安済本人の声質が華やか系ではないが、しかし逆にそれが物語の背骨になる演技であり、Wヒロイン作品や、内面駆動型の主人公に最適という証左でもあり、だからこそ表音型の若山詩音との組み合わせが「効く」ということになる。以上のことから、安済知佳は、「出せば当たる声優」というよりも、「出せば深まる声優」である。この文脈生成能力こそが、安済知佳の演技構文における本質的価値である。

 

その意味ではドロドロ系作品では本領発揮であり、『リコリス』ではあえて“構文を抑えて”軽やかに演じている=千束の明るさがギリギリ成立するバランスとして奇跡的。

ということだ。

安済よりの文章に偏ってしまったが、要するに表義声優の難しさという意味では最もいま、馴染みのあるキャラクターを演じた声優という意味では象徴的であり、若山詩音とのキャスティング均衡の安定性の裏側という意味で、強めに述べた。

 

以上が構文配置様式-ペアリング均衡とその内訳としての事例である。誰もが二人以上の共演における演者のバランスの巧妙さは感じていると思うが、この均衡例に倣っていけば、なぜ安定するのかというのが、声優演技構文論における組み合わせのバランスの良さであるという帰結にたどり着くであろう。

その上で均衡の中でも扱い方として「表義声優」の難しさとペアリング均衡におけるバランスの取り方についてまとめると、安済知佳は、表義 × アルト × organize × 可変 × 内在という「渋すぎる構文」。これでは「感情の爆発で引き込む」でも、「声の明るさで引き寄せる」でもない。故に、内面と倫理を重層的に制御し、構文としての“深さ”で成立する。しかしこれは戯画的に言えば、ポスターで売れるタイプではなく、鑑賞後に残るタイプ=後味型演者。

 

安済知佳は内面共鳴型でキャラと深層が一致するのに対して、上田麗奈は表義 × ソプラノ × disorganize × 外在 ×可変がメインの役者である。外在性×ソプラノの飛翔性という点において、情動と飛躍という表現が武器になるため、キャラが顔になるという印象を残しやすい。両者共に、メインストリームでは張るタイプの声優ではない。しかし上田麗奈には上田麗奈が演じることで生じる逸脱美があれ、それが御冷ミァハであり、新条アカネであり、ギギ・アンダルシアというキャラクターを演じるに当たって最も重要な「美学」であり、それを体現できるのは上田麗奈しかいない。

 

というのが続いているということだ。表義のソプラノを極めているからこそ、難物キャラクターが集中するというのは、先述の3人といい、レゼといい、久世しずかすらも「やっぱり上田麗奈」となってしまっている現状は「表義でしかできないキャラクターをソプラノの逸脱美の再現性」によって独占していると断言していい。

 

しかし、今後どうなるか、という点ではやはり、「羊宮妃那」という存在は個人的な主観を除いても外せないし。表義声優の系譜を端的にまとめるとすれば、林原めぐみ(テナー的安定構文)、上田麗奈(崩壊構文の象徴)、安済知佳(内在的・倫理系構文)など、多様に広がっているが、その中で羊宮妃那の立ち位置は決定的に異なる。羊宮は「ソプラノ〜アルト」という跳躍性と、「organize/disorganize」両構文の切り替えを自在に行える、唯一の可変型ハイブリッド表義声優である。これは感情・論理・文脈を同時に切り替える構文スイッチャーとしての資質であり、演技における意味生成装置の完成形に限りなく近い存在だといえる。

 

「声域=跳躍性」と「構文統御=organize/disorganize両対応性」が同時に成立しているという唯一の存在。この可変表義hybridという分類は、144分類表の中でも最も希少な24,36番台のソプラノ・可変・固定・内在型の中でも特殊枠として扱われるべきです。

もっとシンプルに表義レベル、統御度、声域、構文領域で表すのであればこう

これは自分もそうだが、散々上田麗奈との比較として対象にされやすい羊宮妃那であるが、実際問題として、「小佐内ゆき」と「高松燈」を演じられる時点で、音域的には上田麗奈よりも広く、そしてその上で可変というわけです。キャスティングが追いついていないだけで。(しかしこれは表義声優あるあるなので本人が悪いわけではない)

  • 安済知佳の不均衡な均衡の美学
  • 羊宮妃那の不可逆的意味生成と理系的制御
  • 上田麗奈の非対称的な情緒分布

どれも、配役がしやすいかどうか、という意味では扱い方が表音、表意のそれとは段違いに難しい。

 

これはいわずもがなであるが、羊宮妃那は、「可変声域 × hybrid構文統御」によって、表義声優の究極拡張モデルを実現しつつある。安済知佳的アルト=倫理的構文の重さ、上田麗奈的ソプラノ=崩壊的文脈の跳躍。


通常、この二つは役の方向性や声質上、排他的に扱われるのが基本である。だが羊宮妃那は、それらを同一人物の中で可変的に扱える。声域のジャンプと構文のスイッチング、両面を自在に切り替えるハイブリッド表義声優として、前例を持たない存在となっている。本人が、そして音響側がどう思っていようが、羊宮妃那は、安済知佳的なアルトの深度と、上田麗奈的なソプラノの跳躍性を、“同条件”ではなく“可変条件”で切り替えて対応できる唯一の表義声優である。というのは揺るがない事実である。

実際、現在の進行状況だけを見ても、羊宮妃那の演技軌道は驚異的である。

2023年度

新人賞(実績済)

2024年度

『小市民』一期にて静的演技の土台確立.

『トラペジウム』の大河くるみで別ベクトルからのアプローチ実践

2025年度 3月

『小市民』二期で表義声優 × 内在演技の定着と深化

2025年 5月

ガンダム ジークアクス』にて「ララァ・スン」を担当!!!完璧すぎるこの配役

これで富野由悠季キャラクターとしてギギ・アンダルシア(上田麗奈)対してのララァというキャラクターの声を当てる。これはもう表義声優でしか演じられない象徴としてのキャスティングの一つであります。

 

2025年10月期

『ワンダンス』にて音 × 映像 × 身体の統合演技に挑戦

ここからは未来だが、正直、「秋期」が2期に回ったこと、そして『ワンダンス』で内山昂輝との掛け合いという名の、表義声優同士の「表現の極地」がある以上、小佐内ゆきとは別の方向で演技で魅せてくれるであろう。となれば来たる、2026年3月の声優アワード主演声優賞を最速で受賞する確率も、正直80〜85%くらいはあるのではないか?

とりわけ『小市民』二期の解決編に至る小佐内ゆきの演技は、構文論的に言えば「表義 × 可変 × 内在 × organize/disorganize 切り替え型」という極めて珍しいパターンに位置づけられる。

構文深度 × 情緒制御 × 反応演技の三要素を同時に求められるこの役を、ナチュラルに成立させた時点で、羊宮はすでに評価ではなく証明の段階に到達している。

加えて『ワンダンス』という作品における身体的表現との同期演技が決定打として刺さることになれば、もはや2025年の顔ではなく、2020年代の象徴としての位置を確立することになるだろう。そして「新人賞受賞」以上「主演声優賞」未満の若手声優の中で、現在の目下にいる羊宮妃那を構文的に対をなせる存在はいない。

 

しかし、新人ではないものの、出演作品的に「主演」を取れる声優として、羊宮と同じく現時点で「主演」の枠に入れる声優が一人いる。 対照的なもう一人の候補上田麗奈の逸脱構文美。なんの偶然、あるいは、必然か。『チェンソーマン レゼ篇』『タコピーの原罪』というタイトルの主演が2025年に公開される。いずれも評価も高くヒットすると予見する。となれば「レゼ+タコピー」で受賞ライン到達は考えられる。

 

いずれにしても上田麗奈が逸脱美の極地として、羊宮妃那が、再構成と跳躍の可能性として、この両者が2025年に表現の頂点を見せるのは、単なる作品人気ではなく、表義声優表現における極北というべき案件が同時進行しているということであり、そうなった場合、来年の声優アワードにて「主演声優賞」で上田麗奈と羊宮妃那が並んで受賞することは理屈としては十分に成立する。

 

表義声優の流れとしては

  • 林原 → 悠木 → 上田は言い換えると意味の「安定 → 圧縮 → 崩壊」という遷移。

  • 上田 → 安済 → 羊宮は言い換えると意味の「破綻 → 内在化 → 再構成と可変化

という流れがあるからこそ、だからこそ。この二人が「同時」に受賞することが願わくば叶ってほしいのです。

 

新人がすぐに「主演」を取れるのか?という疑問は一ノ瀬加那が、新人賞(2020年)からのすぐに主演声優賞(2023年)を獲っているという「前例」がある。

一ノ瀬加那という前例がある以上、「制度的に新人が主演を取るのは無理」という言説はもはや通用しない。むしろ今後の制度的進化において、この記事でいうところの構文で語られる声優表現こそが評価されるという地盤が整いつつある。

そして

 

羊宮妃那はその進化の最前線にいる。

羊宮妃那はその可能性が一番潜在し、作品にて顕在化している。

羊宮妃那だからこそ、むしろ一ノ瀬以上のスピードで「主演」の一手を打てる。

 

羊宮妃那が受賞することに理由はいらないが、受賞しないなら理由が要るのです。

そのくらい構造的にも制度的にも前提条件が揃っている。

 

2025年6月3日以後の想像力としては、ギギとララァを演じた2人が、2025年にWで主演声優賞を取る。ということになります。熱いでしょう。

ララァ役に羊宮妃那が選ばれたこと

ギギ役に上田麗奈が選ばれたこと

これはそれぞれ、演技を超えた声そのものへの信頼が置かれているということ。
この2人が現代における表義声優の極北と中心であるという事実が、逆照射的に証明された瞬間でもある。

 

そうなった場合、さらなる飛躍が当然期待ができる。例えば、安済知佳と若山詩音によってすでに「型」としては決まっている「表義」「表音」という組み合わせが成立している以上そこをあえて安済ではなく羊宮にすることで、新しい化学反応が生まれるのではないか?

まぁ一視聴者としてはこれら表義声優の組み合わせは「難しい」けど原理上は可能。

安済=低音フーガ、上田=跳躍旋律、羊宮=対位法的即興

であれば、ここに若山詩音が入れば

安済×若山 → 構文の対比と反射がここまで定着している以上、上田×若山 → 構文の跳躍と安定とかもありだし、一番みたいのは羊宮×若山=新構文的ペアリング均衡

が一番みたい。羊宮×若山 → 構文の可変・生成・反復による均衡再設計だから。

これは劇伴・声・音──若山詩音・羊宮妃那という座標

のラストでも書いたが、2020年代を代表する声優、というよりも象徴として置くことができる二人でもあるからこそ、この組み合わせは「難しい」けど「やる価値はある」といえるのだ。

 

 

今回、この記事によって定義した声優演技理論(表音/表意/表義 × 可変/固定 × 内在/外在 × 声域 × 統御型)を統合した全144通りの内訳は

3つの表現類型(表音/表意/表義)

2つの可変性(可変/固定)

2つの内面性(内在/外在)

4つの声域(バリトン/テナー/アルト/ソプラノ)

3つの統御型(organize/disorganize/hybrid)

→ 3×2×2×4×3 = 144通り

これはあらゆる声優演技の可能性を記述可能な理論的最大公約数となります。

それをまとめるとこうなります。(以下表)

 

PDFはこちらからダウンロードできます

「音=意味生成装置」の複数軸の構文的次元を掛け合わせた144分類

声優演技構文論-144 Voice Actor Typologies(作成 rino

※ 声優ファン・志望者・音響関係者・研究者、いずれにもご活用いただけます。

表に自分の推し声優を当てはめてみてください。

 

以下は文章に転写したい方向けのコピー&ペースト用として配置します。

全コピーで活用、発展など用途に沿って使用していただければと思います。

 

声優演技構文論-144 Voice Actor Typologies


・表音声優分類

1. 表音可変内在型バリトンorganize

2. 表音可変内在型バリトンdisorganize

3. 表音可変内在型バリトンhybrid

4. 表音可変内在型テナーorganize

5. 表音可変内在型テナーdisorganize

6. 表音可変内在型テナーhybrid

7. 表音可変内在型アルトorganize

8. 表音可変内在型アルトdisorganize

9. 表音可変内在型アルトhybrid

10. 表音可変内在型ソプラノorganize

11. 表音可変内在型ソプラノdisorganize

12. 表音可変内在型ソプラノhybrid

13. 表音可変外在型バリトンorganize

14. 表音可変外在型バリトンdisorganize

15. 表音可変外在型バリトンhybrid

16. 表音可変外在型テナーorganize

17. 表音可変外在型テナーdisorganize

18. 表音可変外在型テナーhybrid

19. 表音可変外在型アルトorganize

20. 表音可変外在型アルトdisorganize

21. 表音可変外在型アルトhybrid

22. 表音可変外在型ソプラノorganize

23. 表音可変外在型ソプラノdisorganize

24. 表音可変外在型ソプラノhybrid

25. 表音固定内在型バリトンorganize

26. 表音固定内在型バリトンdisorganize

27. 表音固定内在型バリトンhybrid

28. 表音固定内在型テナーorganize

29. 表音固定内在型テナーdisorganize

30. 表音固定内在型テナーhybrid

31. 表音固定内在型アルトorganize

32. 表音固定内在型アルトdisorganize

33. 表音固定内在型アルトhybrid

34. 表音固定内在型ソプラノorganize

35. 表音固定内在型ソプラノdisorganize

36. 表音固定内在型ソプラノhybrid

37. 表音固定外在型バリトンorganize

38. 表音固定外在型バリトンdisorganize

39. 表音固定外在型バリトンhybrid

40. 表音固定外在型テナーorganize

41. 表音固定外在型テナーdisorganize

42. 表音固定外在型テナーhybrid

43. 表音固定外在型アルトorganize

44. 表音固定外在型アルトdisorganize

45. 表音固定外在型アルトhybrid

46. 表音固定外在型ソプラノorganize

47. 表音固定外在型ソプラノdisorganize

48. 表音固定外在型ソプラノhybrid


・表意声優分類
1. 表意可変内在型バリトンorganize  

2. 表意可変内在型バリトンdisorganize  

3. 表意可変内在型バリトンhybrid  

4. 表意可変内在型テナーorganize  

5. 表意可変内在型テナーdisorganize  

6. 表意可変内在型テナーhybrid  

7. 表意可変内在型アルトorganize  

8. 表意可変内在型アルトdisorganize  

9. 表意可変内在型アルトhybrid  

10. 表意可変内在型ソプラノorganize  

11. 表意可変内在型ソプラノdisorganize  

12. 表意可変内在型ソプラノhybrid  

13. 表意可変外在型バリトンorganize  

14. 表意可変外在型バリトンdisorganize  

15. 表意可変外在型バリトンhybrid  

16. 表意可変外在型テナーorganize  

17. 表意可変外在型テナーdisorganize  

18. 表意可変外在型テナーhybrid  

19. 表意可変外在型アルトorganize  

20. 表意可変外在型アルトdisorganize  

21. 表意可変外在型アルトhybrid  

22. 表意可変外在型ソプラノorganize  

23. 表意可変外在型ソプラノdisorganize  

24. 表意可変外在型ソプラノhybrid  

25. 表意固定内在型バリトンorganize  

26. 表意固定内在型バリトンdisorganize  

27. 表意固定内在型バリトンhybrid  

28. 表意固定内在型テナーorganize  

29. 表意固定内在型テナーdisorganize  

30. 表意固定内在型テナーhybrid  

31. 表意固定内在型アルトorganize  

32. 表意固定内在型アルトdisorganize  

33. 表意固定内在型アルトhybrid  

34. 表意固定内在型ソプラノorganize  

35. 表意固定内在型ソプラノdisorganize  

36. 表意固定内在型ソプラノhybrid  

37. 表意固定外在型バリトンorganize  

38. 表意固定外在型バリトンdisorganize  

39. 表意固定外在型バリトンhybrid  

40. 表意固定外在型テナーorganize  

41. 表意固定外在型テナーdisorganize  

42. 表意固定外在型テナーhybrid  

43. 表意固定外在型アルトorganize  

44. 表意固定外在型アルトdisorganize  

45. 表意固定外在型アルトhybrid  

46. 表意固定外在型ソプラノorganize  

47. 表意固定外在型ソプラノdisorganize  

48. 表意固定外在型ソプラノhybrid  


・表義声優分類

1. 表義可変内在バリトンorganize

2. 表義可変内在バリトンdisorganize

3. 表義可変内在バリトンhybrid

4. 表義可変内在テナーorganize

5. 表義可変内在テナーdisorganize

6. 表義可変内在テナーhybrid

7. 表義可変内在アルトorganize

8. 表義可変内在アルトdisorganize

9. 表義可変内在アルトhybrid

10. 表義可変内在ソプラノorganize

11. 表義可変内在ソプラノdisorganize

12. 表義可変内在ソプラノhybrid

13. 表義可変外在バリトンorganize

14. 表義可変外在バリトンdisorganize

15. 表義可変外在バリトンhybrid

16. 表義可変外在テナーorganize

17. 表義可変外在テナーdisorganize

18. 表義可変外在テナーhybrid

19. 表義可変外在アルトorganize

20. 表義可変外在アルトdisorganize

21. 表義可変外在アルトhybrid

22. 表義可変外在ソプラノorganize

23. 表義可変外在ソプラノdisorganize

24. 表義可変外在ソプラノhybrid

25. 表義固定内在バリトンorganize

26. 表義固定内在バリトンdisorganize

27. 表義固定内在バリトンhybrid

28. 表義固定内在テナーorganize

29. 表義固定内在テナーdisorganize

30. 表義固定内在テナーhybrid

31. 表義固定内在アルトorganize

32. 表義固定内在アルトdisorganize

33. 表義固定内在アルトhybrid

34. 表義固定内在ソプラノorganize

35. 表義固定内在ソプラノdisorganize

36. 表義固定内在ソプラノhybrid

37. 表義固定外在バリトンorganize

38. 表義固定外在バリトンdisorganize

39. 表義固定外在バリトンhybrid

40. 表義固定外在テナーorganize

41. 表義固定外在テナーdisorganize

42. 表義固定外在テナーhybrid

43. 表義固定外在アルトorganize

44. 表義固定外在アルトdisorganize

45. 表義固定外在アルトhybrid

46. 表義固定外在ソプラノorganize

47. 表義固定外在ソプラノdisorganize

48. 表義固定外在ソプラノhybrid


 

Checkmate.

Voice became sound.

Sound became language.

Language became meaning.

Meaning became the game itself.

いしづかあつこ.『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』.2017年.MADHOUSE.

 

*1:ちなみにこの中にはまだまだ入らないが、射程を広げてこの枠組みで羊宮妃那を計測するとソプラノ〜中域(アルト)にかけて明瞭な跳躍があり、現時点のキャリアは他と比べるとかなり小さいが、小佐内ゆき=整音・抑制・知性演技でorganize寄りであり、感情抑制×音域下降というorganize的処理があると推測でき、これはソプラノ限定で演じる役者にはできないスイッチングといえる。また、大河くるみ/高松燈=破裂・衝動・情動の逸脱でdisorganize型の表出であることが、基本軸としてあると言えるだろう。いずれにしても表義にいる時点で可能性が高いことには間違いはない。その意味では羊宮妃那は跳躍と崩壊を含む、表義構文の可変型