一年前と何も変わっていない風景。文フリ36にて「もにも〜ど」というあまりにも強烈な批評誌の寄稿をして以降、文フリ37では「ボーカロイド文化の現在地」に1本「外伝もにも〜ど」1本と立て続けに寄稿する結果となり、そして今回の文フリ38では遂に2本も書き上げるという自分でも想定していない結果となりました。「寄稿に向いていない」と言っておきながら結局続けるのどうなのか思われても仕方のないですが、割と動機の段階で題材に対して本能的に書きたいと思ったから書けたのであって、「批評するぞ」という態度表明の形で書いたことは一回もないのでそこの差ですかね。無駄話はさておき、今回寄稿をした同人は砂糖まどさん主宰の『ブラインド』と葉入くらむさん主宰の『試作派』です。
【お知らせ】#文学フリマ東京38 にて
— アニメ批評誌『ブラインド』@文フリ東京K-04 (@blin_d_s) 2024年5月12日
『ブラインドvol.2 特集:機動戦士ガンダム 水星の魔女&グリッドマンユニバース』
を頒布します。
特集作品に関する論考他、前回に引き続き10年代から現在に至る同人アニメ批評を検討する座談会を収録しています。
よろしくお願いします! pic.twitter.com/YpBwEpImb5
#文学フリマ東京38 O-22にて批評限定のストイックなアンソロジーを頒布いたします!
— 同人誌『試作派』文学フリマ東京38 O-22 (@prototype_pub) 2024年5月18日
「試作派」批評アンソロジー初稿集 Type:A/Type:B(分冊)
価格:1部100円
サイズ:A5
項数:100ページ(A、B共通)
製本:中綴じコピー本
完成稿は製本して次回頒布予定です。準備号としてお楽しみください! pic.twitter.com/XBwctESSEt
では何を題材に書いたのか、という話になりますが『ブラインド』の方は題材が決まっている型で今回のvol2.では『水星の魔女』『グリッドマンユニバース』評の原稿募集だったため、後者のほうで1本書きました。これも不思議なもので全作品『電光超人グリッドマン』『SSSS.GRIDMAN』『SSSS.DYNAZEON』『グリッドマンユニバース』を一気に「見よう」と思い立ったその時に『ブラインド』さんの募集記事があったので、であれば見た感想をまとめてそのまま文章にすれば、原稿として成立するじゃんという淡い気持ちで寄稿という形になりました。特撮番組とアニメ共に面白く十分に楽しめたので、それなりにまともな原稿にはなったという印象です。ただ、求められている『グリッドマンユニバース』のことは当時は他の原稿(流れた原稿 後述します)を抱えていたこともあって時間の都合上そこまで言及することができなかったので、方向性を変えて『グリッドマンユニバース』に至るまでの作品の想像力について、つまりは自分が作品を視聴していて感じた類似作品(『新世紀エヴァンゲリオン』『涼宮ハルヒの憂鬱』といったわかりやすい領域から某小説群まで)あげ連ねて、『電光超人グリッドマン』『SSSS.GRIDMAN』『SSSS.DYNAZEON』を視聴した感想みたいな文章にしました。N番煎じの既出だなっていう所と、「この目線では誰も書いていない」という両方が入りじまっています。今更ではあるものの、大人気シリーズ感想文章というのが大まかなラインになっています。気になる人はぜひチェックしてみてください。
『試作派』に関しては、自由なテーマで寄稿できるというスタイルが面白そうと思い寄稿をしようと思いました。であれば『ボーカロイド文化の現在地』と同様、自由度が効くのであればまず書き方のスタイルを変えようと思い、『ブラインド』で実際に試行したオーソドックスなアニメ作品を見た感想という形や、音楽として云々といった自分が書ける得意な分野で挑むことは一度撤廃して、今の自分が美術に関する論を書いたらどこまでいけるのか、という姿勢で書いてみたいという好奇心で書いた方が誌面の試作という意味も兼ねられるかなと思い、テーマを選びました。主題は「成田亨のデザイン」です。初期ウルトラシリーズのデザイナーでもあり、恐らく作品を見たことがない人でも「これ知ってる」となる怪獣デザインおよびウルトラマンの基本を書いた世界的にみても類例のない実績を残した凄腕のデザイナーです(彫刻家でもありますが)。自分が着目したのはなぜ、成田亨のデザインは今に至るまで受け入れられ続けているのか、という点です。今回の原稿はそこを軸に色々と考えを巡らせて書きました。書いていて自分でも新鮮な感覚で書けたなと思いますし、結果的に今このテーマで書いて良かったなと思えることが原稿を書いている時に発生し、それが見事に原稿として活かせることができたので、最初からスタイルを変えて正解だったなと思いました。趣向を変え、慣れない題材を書いたらどうなったのか、という顛末が気になる方はぜひ『試作派』をお買い求めください。
で、ここからは完全に懺悔というか、言い訳というかかなり個人的な話に近い話になるのですが実は冒頭にあげたいい意味で強烈な批評誌「もにも〜ど2」用の原稿も書いていました。
【新刊告知】#文学フリマ東京 J-34 にて
— あにもに@文フリ東京J-34 (@animmony) 2024年5月11日
シャフト批評合同誌
『もにも〜ど2』を頒布します!
アニメ会社シャフトに関する評論同人誌、
総勢29人=イラスト7本、評論22本を掲載。
388ページの超絶ボリュームでお送りします。
アニメ論や歴史研究、近年の潮流まで完全網羅。
よろしくお願いします! pic.twitter.com/2ivKNBLIC3
というか最初は「もにも〜ど2」しか寄稿する予定はなかったので、その分原稿にはかなり注力をしていました。しかし誤解なく、端的にいってしまえば、自分の実力不足で原稿が流れてしまう結果となり、今回は不参加ということになりました。今回の「もにも〜ど2」の目次を見れば分かる通り、あれだけのラインナップに自分の某作品の原稿が載っていないのはかなり悔しい話ではあるのですが、しっかりと仕上げて以降の「もにも〜ど」に載せる予定ではありますので、何について書いたのかは敢えて書きません。
ただ、それとは別に知り合いのフォロワーで、自らを「西尾維新一神教」と自称してしまうほど、小説家としての西尾維新という作家に対して熱い方がアニメ版『クビキリサイクル』を小説家の西尾維新の作家論と絡めて書いた評がどうやら載っています。
『クビキリサイクル』の水脈を辿ってーあるいは二〇二〇年代の西尾維新論-大間無題
何を語るにおいても西尾維新について絡めてしまうその傾向があまりにも面白いため実は当サイトにも原稿があったりします。注文として「『リズと青い鳥』を西尾維新解釈を絡めて文章」を要望し、返ってきた原稿がこちらになります。
まぁ文章をどう感じるかは人それぞれなのですが、読んでいただければ一目瞭然。とにかくずっと思考段階で延々西尾維新の作品群と絡め続ける書き方がそのまま反映されており自分としては非常に面白く感じたので、もしよろしければ『クビキリサイクル』の水脈を辿ってーあるいは二〇二〇年代の西尾維新論を読む前大間無題という人はどのような芸風・感覚で文章を書く人なのか?という問いを軸として読むには十分参考材料になると思うので興味のある好事家の方々はぜひチェックしてみてください。
あと本来のブログの更新いつって話ですが、丁度最近書く題材が決まりました。上半期中にはギリギリ出せるかなくらいには目処はついています。多分誰も予想していない人です。有名な方ではありますが。いつものノリというよりは「いいから聞け」的なお勧めします的な感じになると思います。いい音楽を伝播するいう意味では十分意義のあるものに仕上げる予定ですので本更新も待っていただければと思います。
さらに、今年の一月から他者が書いた音楽に纏わる文章を掲載という寄稿スタイルもとっていますが、詳細は言えませんが、第二弾といいますか寄稿をしていただける方に目処がついたということもお知らせします。かなり面白い原稿になる予感ですので自分も今から楽しみです。