いつの間にか、12月30日を迎えているわけですが去年、と一昨年12月30日に振り返り記事を出しているので、どうせなら今年もだそうというノリでお届けしようと思います
とはいっても、今年出した記事数はなんと8記事。せめて12本とは思ってはいたのですが色々と想定外なことが発生し、ブログなんぞに油を売ってる場合ではなかったので結果的本数として8本という形になりました。ネタと下書き自体はあるわけですが、それを仕上げるにはかなり時間がかかるわけですよ。一度この手の記事を書いたことがある人なら分かると思いますが。そう考えると去年はかなり豊作だったなと思います。
伊福部昭、久石譲、菅野よう子、amazarashi、VOWWOW、レミハラカミ、まふまふとちょうどいい感じに10代〜60代の老若男女がどこかしらで引っかかるであろう幅を網羅していたわけですから。この振り幅の高さは別に狙ったわけではなく単に自分が好きだからという理由で出したわけですが、結果的に色々な世代が読むような記事ばかりを出したなという印象です。ありがたいことに上に列挙したアーティストの記事は全てアクセスとしてかなり上位層です。過去に読んでくださった方やこれから読んでいただく人に対して最大の感謝をここでしたいと思います。本当にありがとうございます。
っじゃあ今年はどうかという話ですが、平沢記事を出すことが精一杯でした。相当な無茶をしたとはいえ平沢進特集の1本出せたことは個人的に大きいですね。巨大に膨れ上がった結果、文字数も9万字。たしか西尾維新の終物語もそのくらいの文字数だったと思う。まぁそれはどうでもいいが、このボリュームを考えると、12ヶ月で割ったとしても7417字。1ヶ月7417字書いたと考えれば十分だと思うんですよね。実際にかかった期間は5ヶ月なので、1ヶ月18000文字という計算にはなります。
sai96i.hateblo.jp本記事を出したツイートはrtが二桁、いいね三桁という自分史上もっとも拡散されたこともあり、反響は過去一番という結果を残せたのは我ながら凄いと思いました。
平沢進楽曲の魅力や源流を書きました。
— rino (@Articlecrafter_) 2022年12月4日
クラシック音楽からプログレやパンク、SFの視点、今 敏監督についても。
相当気合いを入れて書いたので総文字数8万字という長さですが一読のほどよろしくお願いします。
はてなブログに投稿しました #はてなブログ #平沢進 #…https://t.co/FtvtgBJifD
これまで「これくらいの反響はあっていいだろう」という記事に限って反応が薄いというのがざらにあったため、そういう意味では初めて報われたといってもいいですね。
アクセスも順調に伸び、既に想定通りの人気常連記事になっていることからも色々な人に読まれていることを実感できなによりといった所です。ただし、この記事の面白さの演出と形容すべきか、秘技的な書き方をしているので一回限りという奥手みたいなものなので、再度このクラスの記事を出すにはちょっと時間がかかるので、この手の反響も一度きりだなと思ったり。平沢進に関しても全体構想の1/3程度しか語り尽くせなかったところを含め切り口はたくさんありますし。まぁ気が向けばって感じですかね。
レポートやネタがない時の雑話を除き、当ブログの本分でもある特集という意味で今年書いた記事は以下になります。
こう見るといかに、中途半端な記事ばかりを放出し逃げに走っているというのが丸わかり状態ですね。
・ストラヴィディリウス/プログレ発展編
この記事に関しては当たり前というか基本的なラインしか書かなかったですし、プログレ発展の記事に関しては完全に「プログレをわかった人」でないと読み応えがない記事というベルカーブの端っこにはすごい需要があるかもしれないけど真ん中ラインではないみたいなところがありますし。セレクト的には結構面白いアルバムを選出できたとおもいます。やっぱり当初の草案で書いた方が受けとアクセス的にはよかったですが、そうした場合既に色々なブログで発表されている量産型記事にしかなり得ないので敢えての邪道ラインを狙ったわけですが、案外これが好評であるのも事実で、驚くことに「隠れた名盤 プログレ」でGoogle検索をするとなんと一番上に出てくるというクリティカルヒットぶりを発揮してくれました。書き手にとってニッチすぎて受けないだろうな予想とは裏腹っぷりです。
・amazarashiのロストボーイズ
アルバムが現時点での最高傑作であり、今の秋田ひろむの限界点を出し切った作品でもあったと一回聴いただけでわかったからこそリリース日に出せたわけですが、二ムロドのくだりをすぐに気づけたのはなんとなく嬉しかったですね。日々の読書成果というものは意外なところで思わぬ作用として効きますね。奇しくも昨年のamazarashi特集回でもamazarashiを聴くだけでは見えてこない視点が読書をしていたことで見えて、結果的に面白いことを書けたのでそういう意味で活字に触れる大切さを実感したりしなかったり。
・映画劇伴音楽
ヴァンゲリスが亡くなったことをうけて今一度どういった映画音楽作家であったのかを考えてみるというのが趣旨でしたが、案外上手くかけたなと思います。大作主義のアメリカ人の作る劇伴とヨーロッパ人が作る劇伴の音の性質、出し方、メロディの違いという線を引いた上で、国も国籍も違えば育った環境も違うわけで、そうなると音に対する向き合い方も当然違う。それが如実に音楽としてでていることを簡易的に説明できたとは思う。ヴァンゲリスと同様ヨーロッパ圏の映画劇伴作家のヨハンヨハンソンを持ち出すことで大作主義のアメリカ産映画音楽との違いはずいぶんと明瞭になったと思います。本来であればもっと色々な劇伴作家を持ち出して映画音楽劇伴総論みたいなところを狙ってはいたのですが、前提が説明しきりなかったところがあるのでそれらのネタは今後のために保留しました。多分そう遠くないうちに出るとは思います。多分。
・ryo(supercell)作家・音楽論
ここにきてようやく分作という手を使ったわけですが、そろそろryo(supercell)音楽の魅力を少しでも具体的に説明できる記事が書きたいと思ってはじめたわけです。supercellではEGOISTのことを触れられないしその逆も然り。では全体としてどうかという視点で考えてみようというのがこの特集の肝。ryo(supercell)の楽曲はなぜ量産型ではないのか、なぜ洋楽的なアプローチがあそこまでうまいのかといったところを素人ながら解明できればなと。今のところ全5回を想定しています。おそらく一番面白いパートは次回の第二回目だと思います。いつ終わるかはわからないですが、こちらも気長に待っていただければと思います。
雑話
振り返り記事なので記事としての面白さがないので、ちょっとした雑談的というか、中の人が壁とキャッチボールをしている感覚で書きます。ここの文章はリアルタイムで考えて打っているので随分、いつもよりも俗っぽさが増します。まず最初に、音楽ネタとして最近はルイスコールがいいなって思っています。作業BGMに多用しているので気になった人はぜひ。こういう音楽に惹かれる感覚ってなんなのだろうと思ったりします。
と書きながらこの記事を書いている作業BGMはなぜかカラフルだったりコネクトだったりmagiaだったり魔王だったりするわけですよ。いってみればマイブームですね。年に一度くらいはまどマギ12話分を見たくなる時ってあると思うのですがその影を引きずっているとでも書いておきます。シャフトの音楽ってなぜあんなにも魅力的なんでしょうか。「私、気になります」と千反田えるなら言い出すだろうなと思ったり思わなかったり。でもこのブログの性質からすると福部里志的に「データベースは結論をだせないんだ」と書きたくなったり。まぁ古典部ネタはともかくとしてシャフトの音楽が最近の流行りってことです。来年はもうちょい面白い文章をお届けできればと毎年ながら思うわけですが、少し変わったアプローチのものを出せればと思っています。そのための準備も進めています。ブログネタから引っ張るとしたら今年最大の収穫は実はアニソン派vol9だったりします。堀江晶太とじん、説明不要のこの二大巨塔作家が、赤裸々に色々な想いで曲に対する哲学とまではいいませんが、スタンスを語っており、案外そこに主宰であり司会でもある田淵/田代さんも同じような経験があったというのが面白いなと。
中でも堀江晶太氏が言っていたフレーズが印象的でした
詳しくはこちらを参照してほしいですが
引用すると
「僕らは良質なジャンクフードをつくっている」
「誰が食べても美味しいハンバーガーを作りたい」
ポップス商業作曲家の本質でもあり、アマチュアとプロの差という意味でも通じる。元々そういう感覚って当たり前のこととして持ち合わせているとは思って居ましたが。
とかく商業で、しかもお手頃の値段のものである場合は完璧な物をを目指すよりもまずは完成させろとよくいいますが、似たようなもので自分の作家性などに拘らず、ひとまず誰が聴いても「良い」と思われるような楽曲を作ることが大切というのはプロとしても非常に大事であることを再認識しました。しかもそれを堀江晶太というアニソン、ゲーム音楽、ボーカロイド音楽、アイドル音楽など数多のシーンで「誰が聴いても良い」音楽を体現し続け、結果を残している人が言うからこそ余計に説得力があったわけです。こうした考え方は消費者でもある我々にとっても物事を考える思考の一つとして非常に重要だと思うんです。この視点を用いて巷のテレビ番組バラエティを考えてみましょう。ファミレスやコンビニといったお手頃の値段で買える食品、それこそジャンクフードといっていい商品に対してミシュランが〜、世界料理チャンピオンが〜系の大層偉い職人様がいちゃもんをつけ、更にそこに合格不合格を判断をするという番組がありますが、あれは非常に品性に欠ける低俗極まりない(元々テレビ番組自体がそうですが)。本来言えばあんな馬鹿みたいな番組はそもそもが企画倒れだと思うのです。元々が高級な食材をつかって料理を目指している高級料理を日々鍛錬し作り、旨味を追求しながら料理の腕を上げている職人たちの世界レベルからすればたかが数百、千円のジャンクフードなんてもれなくアウトに決まっているんですよ。味覚の洗練さも絶対違うわけですし。だからそもそも茶番でしかない。ファミレスやコンビニで並んでいる商品はある程度の差異はあれどどこでも気軽に誰もが安く手に入れることができるというサイクルが前提なわけですよ。だからこのサイクルに対しては「良くできている」というアンサーでなければならない以上合格不合格もないわけです。当たり前の話ではありますが、評価をつける側の職人側も自分たちがいるプロの視点ではなく、相手の客商売としてのスタンスとしての立場を理解し、同じ目線に立った上で評価ができればみている視聴者も「まぁバラエティだしこんなもんだろ」と思えるのですが、そこでプライドかなにかが働き、辛辣なコメントをするからこそネットで荒れる。「コンビニ食として/ファミレス食にしてはよくやっている」という考えがはいっていない状態の思考として「超高級料理を作る職人が誰でも食べられる安い商品を採点した結果」という、明らかに乖離した状態からコメントをするという愚かしさには流石に出演者の採点者も気が付いているとは思いますけど。まぁ色々書きましたが、要はどの世界であっても一概にプロといっても目指しているものや土台、スタンスが違うのだからそこを同業者というくくりで無理矢理くっつけても意味がないと言うことです。スタンス批判なんていくらやっても無意味無価値ですから。
・藤原聡はすごい
某坂本裕二のフォロワー脚本が書いたsilentというドラマが今年流行りました。番組自体は追えていないのですが、せめて主題歌くらいはと思って聴いたらどこからどう聴いても藤原聡の声が流れてきてしかもその楽曲がずっとトップを取り続けていると言うニュースをみると、これまでの楽曲の幅などを考え、10年代最大のポップス作曲家のスターは藤原聡なんだと再認識しましたね。すごくダースホースだとpretenderの時思って居ましたが、まさかここまで化けるとは。今後に期待ですね。
・アバター2
13年越しの続編。面白いかったけど王道すぎた。実はyahoo movie レビューに投稿しているのでどれとは敢えてとは言いませんが、それを読んで欲しいです。多分文章の書き方的に分かると思います。因みに星5で投稿しています。どうしてもどのレビューかを知りたい方はDMまで
・ryo(supercell)新曲:『君よ、気高くあれ』の全体的な印象
正直パンチとしてはそこまで強くないが、方向性としてsupercellではなくEGOISTのボーカルだったchelly寄りの歌い手を選出したのは割と面白い。なぜならMECRE賞の楽曲を歌うのもそれと同種の声質を持った人だから。これまでのryo(supercell)のボーカルにはあまりなかったタイプなので新境地かと期待を寄せることができたと言う意味では中々聴きごたえのある楽曲でした。来年こそはspclのアルバムを、、と言い続けて5年くらいたつのでそろそろ出してくださいと、薄い望みを願ってます。でも魔法使いの夜の映画が来年であるのならば多いに期待できるはずです。
・最後に
結局ryo(supercell)に関するコメントでで締めることになりましたが、今更といいますかいつものことです。色々無駄話を書きましたがチラシの裏なので、なんかいってる程度に受け止めてもらえればと思います。来年もわかり易く、面白くて広くて深い論考記事を出せればなと思ってますので来年も当ブログmusic synopsis(とまふまふ速報)をよろしくお願いします。
(こっちのサイトではそういう文章は記事としては出さないと思うのでこのブログで済ませます)
それでは。