Music Synopsis

音楽に思考の補助線を引く

音楽の文化的多様性と総人口クリエイター社会

※本記事は諸事情により未完です。本来の構成の3割程度のものになります。

前置き

日本産業で唯一、海外でまともに勝負的しても太刀打ちできないコンテンツがあります。それは音楽です。一括りに全てが負けたとは思いません。しかし過去に海外を志したバンドで、今でも特異的な人気を誇っているところは一つもありません。見方によっては成功したアーティストがいるようにも見えますが、それらのほとんど言ってみればニッチな範囲を出ておらず、総合評価で『これが日本のバンド、もしくは楽曲・アーティストである』というレベルの実力をもって証明したところはついぞ現れなかった。唯一、例外をあげるのであれば永六輔と中村八大のコンビが作り出し、坂本九が歌唱した「上を向いて歩こう」くないなものです。本作はアメリカの本場チャートで週間1位という記録を樹立し、尚且つ、SUKIYAKI SONGとして海外のアーティストが今なおカバーされています。

f:id:sai96i:20201207232443p:plain

wikiより引用

他所は他所理論で別に日本の歌が外に受けなくてもいいじゃんと言われたらその通りですが、やはり日本の音楽が世界に轟くものを作るのは難しいという認識は今後もあまり変わらないと思いますってことを考える今日この頃です。

 

以下本題(先立って宣言をしますと、そんなに面白いこと書いてないです)

音楽の多様性ってなんだよって思われるかもしれませんが、ここでいう意味合いは音楽そのものに様々な要素をつけることで、幅が広がるということです。そして、様々な要素にあたる点が、日本独自的だなっていう話です。

 

まずはここ数年における音楽チャートの大まかな変動を考えましょう。 

『ヒット』の定義を180°覆したネット社会と初音ミクの存在
ネットが発達し、情報社会となった現在。サブスクリプションという新しい様式が登場し、それまでのCDをミリオンセラー連発などが惨めに思えるほどヒットソングという定義は変わったように思えます。つまりは何度、その楽曲がどれほど聴かれたのか?という、楽曲を評価する方向にとって変わったように思います。当然、サブスクも伸びればCDの売り上げも潤沢というアーティストもいますが、それでも世間体でいうヒットソングは〇〇で再生、もしくはカラオケで何度歌われたかという評価方法が、売り上げでこのアルバムが売れた、だから凄いという価値を薄めました。それが顕著に現れていると感じるのがジャニーズや大手アイドル系列がいくらCDを売り上げを出してもあまり凄さを感じないところが挙げられます。日本の音楽は海外で太刀打ちができないことは上記の通りですが、それらはあくまで「まともに」戦った場合に限られると思います。視点を変えてみれば違う景色が見れるもので言ってみれば正攻法でいくら戦っても新妻エイジに勝てない、バクマン二人組のようなものです。そして彼らがどのような選択をしたのか、それは「邪道」です。これを日本音楽に当てはめると他とのコンテンツと複合することによる援護ありきで作られた作品。アニメ動画と絵。この二つが介入すると途端に強くなれる。まず、何と言っても初音ミクという存在は欠かせないと思います。初音ミクの面白いところはボーカルソフトとしての『楽器』をキャラクターと化しそれらに設定を加えることで生まれる『キャラクター』を商品イメージデザインとして保持できる二面性があることです。それでいながら初音ミクそのものに内面はない。そしてその内面を埋めるのが創り手であることは2007年以後のボーカロイドのムーブメントの一端を知っている人であればすぐに納得がいくであろう。あらゆるクリエイターが初音ミクという媒体を介して、作品を発表することで『創り手』個人では勝ち得ることができなかった評価を得て、その後メジャーに上がった人は数多。それは音楽であったりイラストであったりと多様なものです。そして、それらが混ざり合ってできたコンテンツという意味ではカゲロウプロジェクトなるものが生まれ、色々あったものの、一大コンテンツとして今も細々と残っているのも、ネット文化と初音ミクを中心とするボーカロイドで紡ぎだした功績が大きいでしょう。

 

 

融合コンテンツ

Nujabes,J DILLAの音楽に日本特有の絵柄アニメーションをつけることでlo-fiなんてジャンルが生まれたこともからも、音楽にイラストやアニメを付随させることによって評価値というのは一変する。lofiについては

sai96i.hateblo.jp

 こちらで簡素ではあるが、ある程度ルーツを辿った上での今を書いています。

lofiもサムライチャンプルーなどが海外(主に米国などでより多くの人みられる作品になった)に受けたこともあり、日本独自性のイラストの副次的効果というものが見出されました。それこそ、夜系と呼ばれているアーティストは今や公式といっていいほどテンプレな形で運用されています。女性Vo.ボカロP,アニメーション、イラストの、ある種のレイアーを重ねて一体となりアーティストとして機能するという、言ってみればsupercellの延長ではあるものの、そこにエンタメ的な青春要素であったり、群像といった世界観を提示することでより細分化されている。先述したように。本筋一本というよりかは、音楽一つではなかなか勝負できなけれど複合的要素があれば爆発的に伸びるということがここ10年で派生した日本ならではの変異的側面だと思います。少なくとも音楽一本で勝負するよりかはいくらか部というものが生まれる。このあたりにおける日本サブカルの文化性というのは世界的にみても稀有だと思います。ディズニーやピクサーをはじめ、世界的人気を誇るスタジオはあっても、毎年膨大なアニメ作品が流れ、萌えの要素をはじめとする独自の方向性に走った日本アニメのある種異常性の現れともいえます。

 【夜系アーティスト代表例】(選曲はランダムです)


ツユ - 泥の分際で私だけの大切を奪おうだなんて MV


ツユ - 過去に囚われている MV


ヨルシカ - だから僕は音楽を辞めた (Music Video)


ずっと真夜中でいいのに。『秒針を噛む』MV

朱夏期、音楽泥棒

朱夏期、音楽泥棒

  • ヨルシカ
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
音楽泥棒の自白

音楽泥棒の自白

  • ヨルシカ
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
勘ぐれい

勘ぐれい

  • ずっと真夜中でいいのに。
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
秒針を噛む

秒針を噛む

  • ずっと真夜中でいいのに。
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

過去に囚われている

過去に囚われている

  • ツユ
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
あの世行きのバスに乗ってさらば。

あの世行きのバスに乗ってさらば。

  • ツユ
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
泥の分際で私だけの大切を奪おうだなんて

泥の分際で私だけの大切を奪おうだなんて

  • ツユ
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

無名でも出せる

全くの無名でも現在では簡単に音楽市場に曲を出せるというのが、これもまた10年前とでは勝手が変わっていたと思います。当然10年前であろうが、楽曲そのものがよければ名前の知名度問わずデビューはできたはずでしょう。しかし今では、同人レベルのようなクオリティでも一応はサブスクの対象なれることから、本当の意味で総人口クリエイター社会的段階に移行したように思えます。つまり有名になるための土台は誰でも乗ることができる片道リフトのような物だと考えていいのではないでしょうか?

「いやいや、いつの時代も実力があればいくらでものし上がることができるではないか?」と思われるかもしれませんが、その程度や、敷居の高低の意味ではここ10数年で変わったように思えます。 現に、ネットシーンで信者を固めてメジャーへ移行するという今では当たり前の一種のルートがあるとないとでは、有名にはなれただろうけれど、今ほどの発信力というのはないはずです。例えばボカロpのryo(supercell)や堀江晶太(penguin research)をはじめとする、一部でカリスマ的な作曲家はネットなしでも有名にはなれたでしょうけれど、supercellやkemu voxxの活動抜きで活動したところで限界は見えていたと思いますし、それは米津玄師も例外ではないでしょう。ハチの活動なしでも米津玄師は成立しますが、ハチの活動歴がなければ、いわゆる山崎まさよし中村一義的なポジション、もしくはbump的音楽性の遺伝子をもち、尚且つ風貌が藤原基央クローンno.100号くらいの認識でしか発信はできなかったでしょうし。ボカロ→メジャーという所にサブスクで誰でも参加可能という点は非常に大きな意味を持つと思います

 

 supercell

メルト

メルト

  • provided courtesy of iTunes
ブラック★ロックシューター

ブラック★ロックシューター

  • provided courtesy of iTunes
君の知らない物語

君の知らない物語

  • provided courtesy of iTunes
My Dearest

My Dearest

  • provided courtesy of iTunes
The Bravery

The Bravery

  • provided courtesy of iTunes
星が瞬くこんな夜に

星が瞬くこんな夜に

  • provided courtesy of iTunes

 

kemu voxx

 

地球最後の告白を (feat. GUMI)

地球最後の告白を (feat. GUMI)

  • kemu feat.GUMI
  • アニメ
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes
カミサマネジマキ (feat. GUMI)

カミサマネジマキ (feat. GUMI)

  • kemu feat.GUMI
  • アニメ
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes
人生リセットボタン (feat. GUMI)

人生リセットボタン (feat. GUMI)

  • kemu
  • ロック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes
イカサマライフゲイム (feat. GUMI)

イカサマライフゲイム (feat. GUMI)

  • kemu
  • ロック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes
モップヒロイズム (feat. IA)

モップヒロイズム (feat. IA)

  • kemu feat.IA
  • アニメ
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

 

 

敗北の少年

敗北の少年

  • provided courtesy of iTunes

 

敗者復活戦自由形

敗者復活戦自由形

  • provided courtesy of iTunes
千載一遇きたりて好機

千載一遇きたりて好機

  • provided courtesy of iTunes

 

以上のことからここ最近の日本音楽は、音楽といっても多様なバリエーションがあり、そこには日本の独自文化性、主にボーカロイドとネット社会とアニメ絵の影響が強いんじゃないかなというお話でした。(今更書くことでもないですね。)

 

本記事を書いてる途中、筆者自身主題を忘れてしまったので、なんともチグハグな構成になってしまいましたが、一からやり直すのも勿体無いので、散文の集合体として残しておきます。