人気劇伴の魅力を考える。

私が思うに日本ドラマは歌ありの曲よりも、インストだけの曲,所謂劇伴の方がいいというパターンがある気がする。なぜかと言えば、私が好きになったドラマは基本的に劇伴で泣かせにくるものが多いという単純な理由。今回取り上げるドラマはメジャーなタイトルのものだけを取り上げ、読み手が本編見たことがなくても、音楽だけは知っているという形で記事の言葉による感覚を共有できたら幸いである。

(ドラマタイトル/曲名)

ガリレオ/知覚と快楽の螺旋・リーガル・ハイ/legal-high・ライアーゲーム/LIAR GAME

実写版カイジ/Main titile・踊るシリーズ・RHYTHM AND POLICE

こうして書いてみると意外と共通点が見つかりやすい。まず第一にメロディではなくリズム重視で魅せている曲が多いこと。二番目に盛り上げが非常に秀逸。そして最後にイントロが強烈。

 

・知覚と快楽の螺旋

vs. ~知覚と快楽の螺旋~

vs. ~知覚と快楽の螺旋~

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この曲、実は「狙って作って、見事に当てた」という意味で製作者の力強さを感じられる曲でもある。福山雅治が本作を表現するときにどのような音楽性の曲にしたかったのかは明白である。それはなにかと言えば「007のメインテーマ」のギターのメロディ

James Bond Theme

James Bond Theme

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 これを基に,より洗礼された音楽を作ったと考えてまず間違いない。あとちょっとルパンが入ってる。大野雄二的特有の曲の汚さ(比喩表現)はおそらく継承されている。

ちなみに数あるバージョンの中で私はこれが好きです。

Theme from Lupin III '78

Theme from Lupin III '78

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 というかジャズでかっこいい曲を作ろうっていうスタンスでルパン三世のテーマを外せるわけがない。つまりこの曲は007とルパンといった人気楽曲から換骨奪胎を見事にやってのけた。ある意味「売れ線に売れ線を重ねた」作品でもある。しかも音楽性にしっかりと標準を合わせて見事に真ん中に当てたというのは商業作家として見事という他ない。

 

・RHYTHM ANDPOLICE

踊る大捜査線より Rhythm And Police

踊る大捜査線より Rhythm And Police

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 (本家の楽曲がitunesになかったためダサいけど一番本家っぽい奴を貼ります)

劇伴作家で一番有名なのは久石だが、一番親しまれている劇伴音楽をつくったのは松本晃彦が作ったこの曲であろう。明らかに日本音楽では生まれ得ないイントロの革新さ(実際にEl cascabelの引用具合は激しく、オリジナルと主張した性で随分と騒がれた)が特徴的であり、リズミカルなテンポ、そして合間にはいる数秒のメロディというどの角度から見てもリズムが主体でメロディが味付けの具材に回っているという中々他では味わえない楽曲。であるのにもかかわらずに濃厚に聴こえてしまう(というよりリピートしてしまう依存性という視点)ポイントとしてアニメのショートop的な意味で過度に凝縮されたということではないかと最近思うようになった。実際にそこまで音数は多くないが、常にビートが主音として刻まれている感覚が耳に残ると言った感じが本楽曲の最大の魅力ではないかと思考する。

作曲者である松本晃彦はいまいち評価されていない気がする。この曲が大きい存在になりすぎて他が霞むというのは一因としてあるだろうが、サマーウォーズにおけるあのワクワク感も実は彼が作っていることを忘れないで欲しい。

・legal-high

LEGAL-HIGH

LEGAL-HIGH

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この曲はガリレオとは違った視点のジャズ的な構造をもっている(実際にはソウル寄りだとも思うが)。ベースから始まってカホン的な音で盛り上げて、トランペットが最後にはいってくるという展開。イントロとして掴みが抜群にうまい。そしてサビに行くまで溜めて溜めて爆発する感じはまさにジャズとソウルの融合として凄く必然性を帯びている。なによりベースが主役な楽曲というテイストがいい(そう考えるとr&bっぽくもある)

つまり、表面はジャズでありながらR&Bやソウルといったジャンルが見え隠れする複合的な楽曲という意味で珍しいし、だからこそ受けたということも考えられる。実際にこの手の楽曲をドラマっていうのはあまりないですし(私が知らないだけかもしれないが)

 

ちなみにドラマとしてのリーガル・ハイの出来も驚異的なので見たことない人はレンタル屋で借りてみることをお勧めします。損しません。

 

LIAR GAME

LIAR GAME

LIAR GAME

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究極の厨二病楽曲。中田ヤスタカのある側面での最高傑作だと思う。そして曲の内実とてもシンプル。複雑に交差する音がこの楽曲、敷いてはライアーゲームの世界観を表しているのだが、実はButterfly Stanceというプリセットがキーに合わせてあの動きをするだけ。つまり中田ヤスタカが考えたフレーズではなく、電子音のサンプルを逆手にとった例。おかげであくまで素材でしかなかったButterfly Stanceを使うと中田ヤスタカに直結してしまうなんとも面白いことに。そしてこの曲は繊細な糸が絡み合うメロディを円のように回る形でリズムが刻まれている。この感覚はやはり中田ヤスタカだからこその発想であるし、以降のperfume・きゃりーなどの独特な曲で一世を風靡したことを考えると、新しい音楽/切り口な楽曲の一つの前夜祭的な楽曲といえる。

 

・main titile

END TITLE

END TITLE

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菅野祐悟は色々手掛けていますが、中でも一際人気の高い曲。実写版カイジのメインテーマ。勝ちbgm.この曲はメロディラインとリズムの両方のバランスが取れているちゃんとした曲です。弦楽器がイントロでは悲しさを表現しているのにサビではどこか勇気・力をもらえるBGMに変化している手際の見事さが、高揚感をくすぶることもあり、人をしっかりと感動させることができる作りになっている。メロディだけだったらあまり映えないところをパーカッションのパートでカバーしているのもうまい。それが顕著に出ているのが後半パートというかちょうど時間配分でいうと半分すぎたところからダークな感じへ移動するところ。一転暗い描写するときにピアノの打点性を利用するのも楽器の使い方をよく理解してると感心するポイント。そして、ホルン、ペットなどの楽器で光の表現して、弦楽器それに合わせて華麗なるメロディを奏でて、リズムパートで溜めて弦楽器のメロディが暗→明に変わり、フルートやペットが加わり、大サビへと展開するこの爽快さ。あらゆる楽器が静と動/短調長調の移り変わりを見事に表現している。

溜めて盛り上げる展開もとても王道でなおかつかっこよくしあげている。恐るべし作曲力。

 

 

 

以上、有名な劇伴について、殴り書きをしましたが、いかがだったでしょうか?共感ポイントが一つでもあれば嬉しいです。こうして分解してみると一つの曲に色々な仕組みが施されている物ですね。そしてそれらは意外と単純であったりするのが面白みの一つですね。作曲家として優れていないとできない芸当です。みなさんも是非、自分の好きな曲をとことん聴いてあらゆる側面に光を当てるという作業をやってみてはいかがでしょうか?