Music Synopsis

音楽に思考の補助線を引く

神僕という覆面バンドの正体と音楽性の本質

どこのだれか(まふまふ) 東野へいと(Neru) 蓮(新保恵大) 和泉りゅーしん(キタニタツヤ)で構成されているバンドなので(あくまでも推測の域をでないが、bassを除く三人はほぼ確定)、まずはそれぞれの音楽を熟聴(多分正規な言葉ではないけど、文字通りの意味で捉えてください)して、それらを踏まえた上で書きます。

 

核となるのはやはりNeruとまふまふ(6:4ぐらいでNeru寄り)というか、音楽性でいえば圧倒的にNeruだと思う。次点でキタ二さん。ドラマーはpenguin researchの楽器隊の中で一番上手いぐらいしか情報がないので、というか作曲業では、まだまだなので、省くとして、Neruが核となっている神僕。なぜか毎回同じようなギターメロディーを使うのは、まだまだ未熟だからなのかはわからないが、そろそろ「神僕といえば、これ」と言える、キラーチューンを出して欲しいところ。まふまふは、まぁ神僕での役割としては、あの声で歌うというvo.という点の方がでかいと思います。というよりNeruの曲をまふまふが歌うというこの組み合わせのためだけに存在しているバンドといって差し支えない。ほとんどこの二人主体の趣味バンド。

 

ソロの活動をみればわかりますが、彼も作曲はできます。が、現段階で単曲で仕上げていないと思うとNeruへすべて任せているのかなと(なんだかんだ作曲に長けているという意味ではNeruの方が圧倒的ですし)。そもそも、このバンドって、amazarashiの曲の構成をそのままボカロ曲に活用したり、歌詞を書く際の言葉遣いなどから、なにからなにまで初期amzarashiというか秋田ひろむさんに影響を受けたNeruという作曲家が、まふまふのような、メンヘラで、ファンにファボってなどと言うような重篤な人物だけど、Neruと少し世界観が共通な作曲・作詞ができ、何より声が最大の武器といった歌い手をバンドのvo.にすることで、機能する楽曲群を作るためだけのバンドだと思うし、その点が神僕とamazarashiと違う点である、絶望で終わるというか、救いがない曲を、あの、中性的な声で、しかも高音域がバンバン出せる。そうすることによって、今までに存在し得なかったバンドというのができたわけです。(音楽性の意味でもボカロ以後の作家とそれに適合したドラマーとベーシストも兼ね備えてる)

 

ボカロというジャンルが台頭してきて、今までにないようなサウンドだけど、年々洗練された昨今ならではの音楽をやっているのではないかと、個人的に感じています。(と言っても個人の知っている限りでのお話ですが)

ここからは三人の音楽を踏まえたお話です。

Neru,,まぁ音楽理論ツイッターで自慢していたり、まふまふから、「店内で流れている音楽」を分解するといった発言からするに、理論派で音楽を作る。基本的にNeruの今の作曲のスタンスを知りたいのなら、一番新しい

CYNICISM

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  • Neru
  • アニメ
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が一番、Neruの音楽というのが確立されているので、そこから、何が見えるかと考えた時、くたばろうぜとか、敗者のマーチ、失踪チューン、この劣等感を救ってくれ、なんて物騒な時代だ、捨て子のステラとか、まぁこの辺りを聞けば、神僕に通ずるところがたくさんあるわけですよ。(余談だが、ニヒル水没都市のイントロは絶対遊戯王のアレだと思う。後捨て子のステラは、まふまふがかなり気に入ってると思う。anonymousとか聴くと影響を受けている節が見られる。)

まふまふ...いろんな人から影響を受けているが、基本的なバックボーンのお話というかどういう系譜で生まれた作曲家なのかは

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を読めばわかると思うが、基本的に、それらの魅力を引き継ぎ、自分なりに消化はできている。stray sheepで匿名を書いているが、あれなんてもろ今のまふまふが出ている曲でしたし。

キタ二タツヤは、いろいろなボカロpの融合体の成れの果ての上で、アイデンディティが確かに存在する曲が多いですね。52hzは彼とNeruでの共同作品となりますが、Neru単体では聞けないテイストが混じっているところが、キタ二タツヤさんが、作曲していると思えるところですね。

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近年提供した「ほしのかけら」と52hzを聴き比べればしっかりと癖が現れていますね。

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2021年時点でこういう曲が出せる時点で今後も和泉しゅーりんとしての作曲は増えると考えます。先述した通り「あくまでNeru主体」のバンドという前提の上での話ですが

 

自分の意見だけだと少し弱さを感じたので、twitterのフォロワーの音楽有識者から数名選び、それぞれ52hzの感想を、簡易的に提供していただいたので、紹介します。


kinakoさんの意見(@kinako1103_)

やっぱ全体的なサウンドはNeruなんですけど、サビとかが結構キタニタツヤを感じるんですよね。


あさんの意見(@hapeator_akeomi)

やっぱりメロディが和泉さんがいる分、いつもはない雰囲気してるなぁっていう

ただ編曲は普通に神僕らしい感じだと思います。


かいさんの意見(@BmsW_BcsM)

神僕初のへいとどこだれ以外が作曲に関わった曲ですけどそのことによってTHEへいとって感じでもなくいい感じになっていると思います 2番終わりの間奏が特に好きです 詞はこのバンドの曲だって感じですね(いい意味で)


ブロブさんの意見(@jihanki_jihanki)

歌詞は鯨というテーマを東野さんなりに解釈してかかれていると感じました。曲自体はバッキングが早かったり忙しいのに対してメロディがゆっくりで面白い構造になっていると思います。


有希さん(@stu10pid19)

印象的だったのは速いカッティングだったかと思います。ドラムパターンと相まってCQCQに聴かれるようなキャッチーさとも違う鋭さがツボでした。

作曲には東野へいと(Gt.)さんのほかに、和泉りゅーしん(Ba.)さんが携わっている点でより鋭い印象が加えられたように思います。


また有希さんは他の新譜についてもコメントを出していたので、紹介します。

私が今回の新譜の中で一番好きな曲は「青春脱出速度」なのですが、「52Hz」は各楽器の細かいフレーズが聴きどころなのに対して「青春脱出速度」は楽曲全体の疾走感が心地よく感じられました。特に、この2曲を収録順通りに聴くと、互いに互いの曲の魅力を引き立て合っている印象を受けます。

また、この2曲に限らず「神様、僕は~(省略)」の作る曲はコーラスワークがとてもカッコいいなと思います。そういったところで言うと「青春脱出速度」のサビのハモりは何回でも聴きたくなる、いわゆる中毒性のようなものを感じました。


こう見ると、やはり東野へいとでは出せないサウンドがこの楽曲に出ているのは間違いなく、また、その出せない音楽が、キタ二タツヤさんの音楽だということがわかります。歌詞に対する評価などもあり、このバンドの持ち味が曲だけではないことも明白ですね。また、彼が作曲に加わることにより、普段の神僕では見られない、一面が、曲として現れているという意見もあり、今回のstray sheepにキタ二タツヤさんを作曲に取り入れたのは、より神僕の世界を広げるという意味では、正解だったなと。

 

詩 云々のお話といえば、まふまふは、Neruに対して、絶大な信頼をしており、世に存在する作詞家の中で一番、良い歌詞を書くとも発言していますね。まふまふが、作曲家としてのNeruを尊敬していることは、何回かあったtwitterのリプの会話や、ツイートなどで確認できましたが、詩においてもここまで信頼をしているとは正直、思いもしませんでした。

amazarashiと神僕。差は救いがあるかないかと書きましたが、最近の歌詞を見る限り、少し明るくなっている感じがしますね。まぁバンド全体が、根幹さえ、失わなければ大丈夫ですが。覆面をしている理由も、表情を遮断することだけなので、これから精力的にライブもしていくと思います。というかそれをしなけば、バンドとしては致命的に宣伝にかけますし。バンドのメンバーがそれぞれで仕事を持っており、なかなか、集まれないからこそ、あまり活動が盛んではないと思っていますが、最近になって、より拡散力のあるタイアップが増え、より神僕が上のステージへ行っていることを実感できます。やっぱり15曲ぐらい入ってるアルバムが今一番望む。

アルバム感想記事

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amazarashiとNeruについてはこちらでも言及しました。神僕とamazarashiが好きな方は一度目を通していただけるとより広い視野でテーマ性のディティールが垣間見れます。 

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文末に書くのもあれですが、この記事はすべて著者の独善的な意見と妄想なので話半分程度で読んでいただけると助かります。