supercell が第四期に当たる活動をするので、その前に第一期〜第三期までのsupercell を振り返ろうという趣旨の記事です。なので、「supercell 興味あるけど、何聴けばいいのか?、おすすめアルバム、楽曲はなんだ?」とか「ryoさんの作曲家としての魅力ってなんなの?」などと思っている人への助けになればっという感じで書きます。ボカロ時代の楽曲は影響力という点にも少し触れます。個人的なおすすめ度(10点満点)も書いておきます。
まず紹介するのは『メルト』 10点
色々な意味で「革命」を起こした楽曲でもあり、supercell というサークルが作られるきっかけにもなった記念すべき楽曲であることから、supercell0曲目に当たります。
僕はメルトは、VOCALOID 音楽楽曲の「金字塔」 と勝手に思っています。実際に与えた影響を踏まえれば納得すると思います。俗にいうメルトショックと言われる現象ですね。
・当時の総合ランキングにて、1-4位(本家,halyosy ,ガゼル,ミク+halyosy )までメルト一色であったこと。同じサムネイルであったことから、当時のユーザーは驚いた模様。
・この曲でhalyosy が歌ってみたの先駆者的存在になれた。(halyosy がきっかけで歌い手になった方は数知れず。代表例としてりぶさんがいる)もっというと、本家と歌ってみた動画という、今では当たり前の光景もここの影響が強いかも知れない。
・大量のボカロPの登場(そして、その中にのちに大物Pとなるハチやwowaka(kzさんがきっかではあるが、流れとしては一応組んでいるので)などがいることはいうまでもない)
10周年の節目にこの動画が投下された時は本当に嬉しかったです。
メルト 10th ANNIVERSARY MIX チャンネルは公式です。
ryo (supercell) × やなぎなぎ メルト 10th ANNIVERSARY MIX
二曲目『恋は戦争』 supercell 一曲目。 7点
絵師として、当時から漫画家として活躍されていた三輪士郎 さんが参加しているという。面白すぎる。222戦争なるものもありました。要するに、2時22分に、ryoさんの恋は戦争をはじめ、他のボカロpがいい曲を投稿し、ランキング争いが起きた。
Somewhere I Belongのパクリとかいっちゃだめ()
恋戦の動画内で出てくる構図のメイキングは意外なものだったりする。
originalnews.nico
三曲目『ワールドイズマイン』 8点
「世界で一番おひめさま」で始まるこの曲。過去ログで、当時のコメなどをみると、メルトよりこちらの方が好きいった方も多かった。個人的に、この曲は歌詞のうまさというか、型のハマり具合がとても自然な印象「いますぐによ」とか。(メルトでは「好きなの」にあたる)当時のミクさんで高音のシャウトとかも取り入れていて、凝り性がうかがえる。こちらも絵師が豪華。のちに、ギルティクラウン などの人物デザインや、ソシャゲデザインなどで人気を博すredjuiceさん。また、今回supercell を題材にしているので余談にはなってしまいますが、ryo(superecell)がプロデューサーをしているEGOISTのジャケットの専属絵師みたいな人です(経緯は省略)
四曲目『ブラック★ロックシューター 』9点
この楽曲は、huke という絵師が描いたオリキャラ のイラストを、ryoさんが気に入ってそこから作曲した楽曲。この事実だけで面白い。楽曲もとても良いクオリティに仕上がっており、huke さんはこの件より、かの名作ゲーム「シュタインズゲート 」のキャラデザインに抜擢されるという(逆献上)ともいえる大快挙を果たす。楽曲自体も後世のボカロ界隈に多大な影響を与えています。一番わかりやす例:kemu作曲 「地球最後の告白を」は、構成や音など、かなりなぞっている(凄いのはsupercell の二番煎じにならずにkemu楽曲としてしっかりと確立されていること)。最初の時計のSEは、定かではないが、スズムなどが受け継いでいる可能性あり(スズムは、音楽的に一番影響を受けたのはryo(supercell )だと公言している。
natalie.mu
音楽的な意味で本当に影響を受けた存在はsupercell のryoさんですし。
最終作(ボカロPとしての活動期がメインだった頃として)
『初めての恋が終わるとき』 5点
下半期、投稿する様子もなくryoさんもついに活動終了かと思われた師走に投下。
圧倒的な支持を得た。この作品を最後に活動の場をメインストリームへ移動する
2009年 1st album『supercell 』を発売。
supercell の1st vo.は「初音ミク 」です。
supercell /supercell
収録楽曲 01.『恋は戦争』 7点 02.『ハートブレイカ ー』 8点 03.『メルト』 10点 04.『ブラック★ロックシューター 』 9点 05.『くるくるマークのすごいやつ』 6点 06.『ライン』 5点 07.『ワールドイズマイン』 8点 08.『初めての恋が終わる時』 5点 09.『嘘つきのパレード』 6点 10.『その一秒 スローモーション』 8点 11.『ひねくれ者』 6点 12.『またね』 7点 上記に書いた楽曲他、書き下ろしが数曲。
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10万枚の売り上げを達成し、ゴールドディスク認定。当時からメジャーシーンでも力を振るっていた。
・ゲストボーカル「nagi」ことやなぎなぎ を引き連れ、第二期supercell が始まる。
supercell 1st single『君の知らない物語 』
収録楽曲 1. 『君の知らない物語 』 2. 『LOVE & ROLL』 3. 『theme of “CENCOROLL ”』 4.『 君の知らない物語 -TV Edit-』 5. 『君の知らない物語 -Instrumental-』
君の知らない物語 /supercell
今ではアニソンカラオケ楽曲としては、残テなどと同様に数年単位でトップに君臨しているモンスター楽曲。最初の曲にして、最大のヒット作。カラオケの印税凄そう。
曲全体を通しては、サビ前でのピアノのグリッサンド など、工夫の施しが好き。
これはよく言われることだが、フル尺よりshort ver.のほうが曲としてのまとまりがある。
ちなみに、センコロール の主題歌『Love&roll』も収録( 感想は2ndアルバムで言及しています。)6点
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2010年
2nd sigle:『さよならメモリーズ 』
さよならメモリーズ /supercell
収録楽曲 1. 『さよならメモリーズ 』 2. 『教えてあげる』 3. 『約束をしよう』 4. 『さよならメモリーズ -Instrumental-』 5. 『教えてあげる -Instrumental-』
・『さよならメモリーズ 』 7点
さよならメモリーズ は、卒業ソング的な感じの曲。いい曲ではある。ryoさん節のピアノもきまっているのだが、いまいち物足りなさがある(それが何かが言えないのが恥ずかしいところではあるが)。というか、「同じような曲」と感じていた時期。ただ、やなぎなぎ と、ryo楽曲の組み合わせのマッチさという点ではとてもよくわかる楽曲。
・『教えてあげる』 5点
洒落てる。ちょっと変わった曲。イントロがそんな始まり方か思うからちょっとカオス。
・『約束をしよう』 5点
アコギ一本で、やなぎなぎ の声が響くという点では、シンガーソングライターっぽい情景も想像できますよね。曲と声の調和がとても良いです。
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3rd sigle:『うたかた花火 』/『星が瞬くこんな夜に 』
うたたか花火・星が瞬くこんな夜に /supercell
収録楽曲 1. 『うたかた花火 』 2. 『星が瞬くこんな夜に 』 3. 『Worldwide Love』 4. 『うたかた花火 -Instrumental-』 5. 『星が瞬くこんな夜に -Instrumental-』 6. 『Worldwide Love -Instrumental-』
『うたかた花火 』7点
『星が瞬くこんな夜に 』 10点
『Worldwide Love 』6点
・『うたかた花火 』
the バラード。 が、そういう点で考えると歌っているやなぎなぎ 氏の声が少し軽い。
重くても困るのだが、もう少しバラードっぽさがあってもよかった。曲的には、盛り上げ方が、以前と違い、少しだけ進歩を感じられる。
・『星が瞬くこんな夜に 』
神曲 。二パターン(Album収録版)ゲーム版(型月の魔法使いの夜 )の始まり方があることを知ってる人は少ないのでは。
ゲーム版では
この歌詞がローテンポで始まる。
個人的には、どちらも捨てがたいがゲーム版を推したい。知らなかったspclファンは聴きましょう。 この曲は、堀江晶太 (penguin research )さんが提供された楽曲群のなかでも、名曲と名高い『キスのひとつで』などに多いに影響を(主に間奏付近)を与えている楽曲です。楽曲評価としてはかなり高いです。盛り上げの仕方、各楽器の使い方(ストリングスのちょっとした装飾など)含め、第二期supercell の名曲の一つです。
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・『Worldwide Love』 6点
edmっぽいことをしようとしている試みはなんとなくわかるのだが、いまいち曲としての完成度が低い。『Love&Roll』ではうまくまとまっていたので、それの発展形をしようとして失敗した感じが否めない。
2011年 必聴アルバム
大傑作&超名盤『Today Is A Beautiful Day 』リリース。
Today Is A Beautiful Day /supercell
収録楽曲 1. 『終わりへ向かう始まりの歌 』 2. 『君の知らない物語 』 5点 3. 『ヒーロー』 8点 4. 『Perfect Day』 9点 5. 『復讐』 7点 6. 『ロックンロールなんですの』 7.5点 7. 『LOVE & ROLL 』6 点 8. 『Feel so good』 10点 9. 『星が瞬くこんな夜に 』 10点
10. 『うたかた花火 』 7点 11. 『夜が明けるよ』 6点 12. 『さよならメモリーズ 』 7点 13.『 私へ』
1.13は曲ではなく、ストーリーの最初最後の一節メッセージてきなやつなので、採点は除外。
3.「周りは唖然僕も呆然」の語感の良さ。これは『ワールドイズマイン』や、『メルト』時代からある、語感の良さの延長線上ですね。
4.最初はアコギ中心で進んでいたのが、サビで爆発するような展開が好き。
5.3rd.に収録されている曲に近い。よりバンドサウンド がメインに出ている。
6.イントロ〜サビ、そしてアウトロー まで一切の飽きがないし、nagiの歌唱がとても冴えている。本作のために書き下ろされた曲の中では2番目に好き。
7.これを男が書いてる歌詞だと思うとちょっと笑ってしまうというか、「よくこんな歌詞をかけるなwww」みたいな気持ちになる。乙女楽曲。サビ前の「ask me heart」「take me out」がとても良い。真面目に音読すると恥ずかしくなる。作詞家としてもryoさん半端ないですわ。まぁアマチュア 時代にメルト、wimとかを書いちゃう人ですからね。
8.ジャズ風味の楽曲。2m48〜はじまる間奏がこれまた良き。途中でベースのソロが入るんですけど、これも長めでかつ、かっこいいんですよ。本作の書き下ろしの中では1番好き。日曜日も夜とかに聴くと歌詞に共感ができるかもしれない。
11.4と同じく、途中で爆発型の曲。ピアノと、アコギの掛け合いがいい。
13.君しらのメロディを使った、アルバムの「〜けり」をつけるポエトリー的な楽曲。
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多分邦楽史的に見てもかなりいい出来だと思う。top300くらいには入る。
ピアノメインで、音数があまり少ないという形態をとりつつも、高クオリティを出せるryoさんの才能に感服です。そしてvo.nagiを主軸とした第二期supercell は終了。
第三期supercell vo.こゑだ
やはり第二期がsupercell 史的に見て黄金期であり、曲とvo.の声とのマッチさという点では、これ以上にない完璧さというのは疑いのない事実。そんなプレッシャーの中、こゑださんは後任を受け継いだ。歌い方の特徴としては、椎名林檎 フォロワー。
4th single:『My Dearest 』
my dearest /supercell
1. 『My Dearest 』 2. 『罪人』 3. 『大貧民 』 4. 『My Dearest (TV Edit)』 5. 『My Dearest -Instrumental-』 6. 『罪人 -Instrumental-』 7. 『大貧民 -Instrumental-』 8. 『My Dearest (TV Edit) -Instrumental-』
・『My Dearest 』 10点
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オリジナルアニメーション『ギルティクラウン 』の初期OP主題歌
5m超という、アニソンとしてはわりと珍しい長さ(だと思う)。が、傑作。大傑作。
第三期にはいると、バンドサウンド が主になっていきます。ryoさんは学生時代ドラムをやっていたという経験が十分に感じられる楽曲。なおかつピアノの味付けさも相まってかなりレベルの高い曲。構成が普通の曲とは少し違っている。サビ前のドラム最高。
ここで、EGOISTも劇場アニメから、アーティストとしても産まれ、ギルクラのop,edに参加してきます。ここでは省きますが、名曲ばかりです。
・『罪人』 8点
ダークなピアノっぽさが出てて良い。なおかつ感情的なvo.の歌い方が良い。
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・『大貧民 』 10点
このギターの癖が強いとおもったらjam=ジュディマリ のギターが入ってるんですよ。これが結構いいマッチングをしていて、アルバムに入れてもいいレベルです。というか入れて欲しかった。
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2012年
5th single『僕らのあしあと 』/『告白』 ジャケットは二枚仕様。
告白・僕らのあしあと /supercell
僕らのあしあと ・告白/supercell
収録楽曲 1. 『僕らのあしあと 』 2. 『告白』 3. 『カレ』 4. 『僕らのあしあと (TV Edit)』 5. 『僕らのあしあと -Instrumental-』 6. 『カレ -Instrumental-』 7. 『僕らのあしあと (TV Edit) -Instrumental-』
『僕らのあしあと 』 5点
『告白』 8点
『カレ』 5点
・『僕らのあしあと 』
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イントロがもろミスチル の『終わりなき旅』。
そういう印象がつよい。
曲としては、6mあるが、その長さ分の良さはあまりない。単調すぎるというと違うが、後半になってやっといいなっと思えるくらいしか、聴きどころがない。音作りは結構いいが。
・『告白』 間奏だけで5点あげられるほど、間奏がこの曲の要。ryo(supercell )さんはメルトの頃から間奏で美しいピアノメロディという、「ryo節」があるが、それが存分に堪能できる。ここまでピアノ一色で間奏というのも、この時期になると珍しくなっていたため、原点回帰と言いますか、「これこそryoさんだよ」という感じがあります。
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・『カレ』 5点
本作では、いずれEGOISTでやるような楽曲的要素がある曲とも取れる。装飾音とかは、のちに(というか同年発売ですけれど)EGOISTの1st albumの楽曲内でのそれによく似ています。ある意味試験的な曲だったのかもしれない。新たな境地を開拓しようとしていた時期に作られたかもしれない。もしくはただ単に、当時の実力で作りたい楽曲をつくった。どちらにせよ、楽曲自体はいまいちである。
6th 『銀色飛行船 』
銀色飛行船 /supercell
収録楽曲 1. 『銀色飛行船 』 2. 『リルモア』 3. 『アニメ映画「ねらわれた学園 」特報用BGM』 4. 『銀色飛行船 -Instrumental-』 5. 『リルモア -Instrumental- 』
『銀色飛行船 』 4点
『リルモア』 7点
・『銀色飛行船 』
カントリーロード を意識しすぎてる感がよぎってあまり好きではないです。
この手の作風の完成形はEGOISTの『Ghost of a Smile』です。
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・『リルモア』
ボサノヴァ 風の楽曲であることがポイント高い。なおかつこゑださんも、しっかりと声の魅力が発揮されている。早くもないし、高くもないという点で彼女の歌唱が冴え渡っている(なんだかんだ、my dearest などの激しい曲は曲に対して、歌の実力ともなっていない)
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7th single『the Bravery 』
the bravery /supercell
収録楽曲 1. 『the Bravery 』 2. 『She is my senior』 3. 『青空』 4. 『The Bravery (TV Edit)』 5. 『The Bravery -Instrumental-』 6. 『青空 -Instrumental-』 7. 『The Bravery (TV Edit) -Instrumental-』
『the Bravery 』9点
『She is my senior』 5点
『青空』 4点
・『the Bravery 』
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第三期 supercell best 5に入る名曲。ギターメインでこの完成度は以前のryo(supercell )では考えられなかった。間奏も、上手いことつなぎをしつつ、一音一音のメロディが美しい。あとやっぱドラムがいい地盤を築いていると思う。転調するところは、感動もの。
・『She is my senior』
アコギ一本が全面出ている楽曲。これもリルモア同様、vo.が無理して歌っている感がないので、聴いていて気持ちが良い。
・『青空』
転調する時が面白い。が、それ以外は特になし。
8th single『 拍手喝采歌合 』
拍手喝采歌合 /supercell
収録楽曲 1.『拍手喝采歌合 』 2.『 M.K.O』 3.『夕焼けブルース』 4.『拍手喝采歌合 (TV Edit)』 5.『拍手喝采歌合 -Instrumental-』 6.『M.K.O -Instrumental-』 7.『夕焼けブルース -Instrumental-』
・『拍手喝采歌合 』 7点
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全体的にかっこいいが、ちょっとダサさも残ってる感がある。が、ピアノのドラムがいい味を出している。『凛として咲く花の如く』っぽいというか、参考の一つにはしているとおもう。
・『 M.K.O』 8点
高低音のバランス、こゑだの歌唱の起伏がわかりやすいほど出ている。かっこいい曲をしっかりと歌い上げている。vo.がしっかりと活かされている。
・『夕焼けブルース』 5点
間奏のハーモニカがいい。54s付近だったり1m02s付近のギターの飾り付けがより良い曲へと昇華してる。
・3rd album『ZIGAEXPERIENTIA』
ZIGAEXPERIENTIA/supercell
傑作ではあるが、人を選ぶ作品。全体的にバンドサンドで構成されている。
こゑだと楽曲のバランスの具合という点ではあまりよろしくない。が、曲単一でみたら2ndアルバムより、豊富で、幅が広い曲ばかり。アルバム全体を通して、ちょっと楽曲が多すぎるとの難点。
どうかんがえてもトラック11or12で終わった方が作品としてまとまりがある気がする。
曲数は多ければ良いというものではないことがよくわかります。
収録楽曲 1. 『Journey's End』 2.『 No.525300887039』 6点 3. 『Mr.Downer 7点』 4. 『My Dearest (Album Mix)』 10点 5. 『従属人間』 9点 6. 『ホワイト製薬』 8点 7. 『拍手喝采歌合 』 7点 8. 『Yeah Oh Ahhh Oh !』 6点 9. 『百回目のキス』 5点 10.『銀色飛行船 』 4点 11.『The Bravery (Album Mix)』 9点 12.『 僕らのあしあと (Album Mix)』 5点
ここで終わった方が私は区切り的な意味でいいと思う。 13.『告白 (Album Mix)』 8点 14.『時間列車』 6点
15.『We're Still Here 』6点
1.2ndアルバム同様、始まりと終わりにポエトリー的な曲を入れている。そういうのが好きなんだろう。EGOISTでもトラック1には入りとなる曲が入っていたし。
2.ミスチル の『シーラカンス 』のオマージュ楽曲。それに限る。
それ以上の感想はない。
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3.ギターがこうもメインにガシャガシャするような曲は、当時からし てみればあまりなかったので、そういう意味で「こういう曲がきたか」とあった曲。でもメロディのどこかしらにryo さんっぽさが出ている。
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5.これもサビにかけて一気にかっこよくなるのがこの曲の特徴だと思う。ベースも程よくかっこいいし、バランスが取れている。
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6.ドラムでからはじまり、ギターを少しずついれて、ドンっとばかりに曲の全容が出る感じ。こういう、ドラムの魅せ方はドラマーでもあるryoさんだからこそなのかはわかりませんが、経験が活かされているという点であっていると思います。
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8.応援歌。結構スルメ楽曲。20回聴いて合わなかったら、無理して聴かなくていいです。
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9.わりと普通な曲。特出して、ここがいいというのはない。
14.苦手と言ったら苦手。やりたいことはわかるけど、ここにたどり着くまでがちょっときつい。蛇足と言ってもいい曲。曲自体はいいけど、アルバム構成的にみて。
15.ピアノオンリーで進む。ある意味ryoさんらしい曲。音使いにちょっと意外性が出ている曲だなとも思う。間奏も、凝ったようなものではなく、ただただ普通のメロディなのだが、そこがいいみたいなところがある。
作られた経緯から考えれば、作られるべきアルバムであったと私は思います。ではその経緯とはなんなのか。大元をたどるという意味で、作品『狂気』-Pink Floyd 。
と言ってもポカーンとなる人が大半でしょうから、ある程度簡易的な説明を入れると、
世界で沢山売れたアルバムの一つ(世界で二番目に売れたアルバムと記憶,一位はマイケルジャクソンの『thriller』)で、チャーンイン記録では741週=14年も、米のbillboard200にランクインしていたというモンスターアルバム。
the dark side of the moon・邦題「狂気」/Pink Floyd
この作品を軸に作られた(これはミスチル のプロデューサー:小林武史 さんの趣味と言って間違いない)アルバムがあり、それは邦楽史上において圧倒的評価を受けており、邦楽名盤などでもtop10に入るレベルの人気を誇っている『深海』です。
深海/Mr.children
ここまでくればピンとくる人もいるかもしれません。本作に「シーラカンス 」が収録されているということを。帰結には浅すぎるのため、まだ結論部ではないですが。
www.cinra.net
ブンサテ中野さんとの対談の一節でこのような発言があります。
中野 :そっか。今回のsupercell のアルバムには1970年代のハードロックに通じるようなテイスト も感じたんですけど、ドロップDはどちらかというと90年代以降の新しい音楽に多く使われる手法ですよね。ryoくんは、ギターで作るようになったから作風が変わったと話してくれたけど、実はそれだけじゃない気がする。
ryo :70年代 というのは、まさに意識 していました。実はPink Floyd の『ライブ・アット・ポンペイ 』 という、昔のコロッセオ みたいな場所でやってるライブ映像を観たんですね。そこでマーシャルのアンプを使ってたのが格好よくて、マーシャルのビンテージアンプを買ってきた。それがこのアルバムの始まりなんです。
引用から、大事な部分を赤文字に変更しました。
『ZIGAEXPERIENTIA』の始まりもPink Floyd のライブがきっかけ。当然、Pink Floyd から始まったわけですから、『狂気』の影響を受けないはずがない(もともと、生粋の洋楽厨であるので余計。)ただ、『狂気』というアルバムを聴けばわかると思いますが、アート音楽、前衛音楽(実験音楽 といったほうがいいのか)などの部類の音楽なわけですから、当然それ一本だけでは何も抽出できなかったでしょう。そこで深海の登場です。同じ音楽プロデューサーでもあり、邦楽界隈の巨匠「小林武史 」の全盛期に手掛けられたアルバムです。
小林武史 さんの紹介も少しします。
彼はミスチル のデビュー時〜『reflection』までは、彼らの音楽の司令塔として、大ヒット曲の数々に貢献をしていきました。また、サザンの人気楽曲『希望の轍 』『真夏の果実 』などを手がけ(両極ともイントロは彼が考案したものというのは有名な話)、2000年代にはレミオロメン で『粉雪』をプロデュース。こちらもかなりのヒット作であることは周知の事実ですね。13年時点で、とある番組でレンタル回数が多いシングルは『粉雪』だったそうです。(平成の時期、もっとも借りられたアルバムの4,7位はミスチル です)
そして10年代では、back numberの『クリスマスソング』『ヒロイン』『手紙』をプロデュースし、『クリスマスソング』は、バックナンバー史上一番売れたシングルになり、アルバムも、ベスト盤を除けば、『クリスマスソング』『ヒロイン』『手紙』が収録されている『シャンデリア』が一番のヒット作となっています。要は90年代、00年代、10年代 それぞれの時代で、大ヒット曲をプロデュース、編曲をしているまさに巨匠といっても過言ではない方です。
もし、興味がありましたら、
sai96i.hateblo.jp
を参照。
本題
そんなわけで、『深海』=『狂気』≒『ZIGAEXPERIENTIA』の関係性まで説明しました。
『深海』を作る際に、Pink Floyd の『狂気』(『狂気』は、人間の内側を書いたような作品なので)に影響を受けたという点から『ZIGAEXPERIENTIA』もそういったテイストの楽曲が多いのも納得です。というか、
中野 :そっか。今回のsupercell のアルバムには1970年代のハードロックに通じるようなテイスト も感じたんですけど
ようはこの70年代のハードロックに通じるようなテイストというものが、狂気から影響を受けた洋/邦アーティストが作った曲の数々という点で正解な気がします。
では、『ZIGAEXPERIENTIA』のどこに深海の収録楽曲に影響を受けた要素があるか。それはトラック2の『No. 525300887039』ですね。アルバムレビューの時にも書きましたが。
機材までにも影響があるのではないかと思います。
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小林武史 さんに影響を受けているという点では、僕らのあしあと も同様です。
そんなテイストを『ZIGAEXPERIENTIA』も注いでいるわけです。そう考えれば、本作に否定的な人もある程度は好意的に受け取れるのではないかと感じています。本作における失敗点は、こゑだの歌唱力不足以外にはありませんから。個人的には大貧民 を入れて欲しかったというのはありますが、これはさして問題ではないです。ただ、アルバムにはいってもおかしくないというだけで。
以上、1期-3期まで、雑ではあるかもしれませんが、紹介してみました。14年-現在に至るまでsupercell は一度も曲を出さず、なにか情報があったとすれば、それは16年度にゲストボーカルのオーディション告知があったくらいで、リスナーとしては完全にsupercell の音楽を聴くことはありませんでした。悲しいことに。
ryo(supercell )さんの音楽自体は「EGOIST」でとても濃度の高い曲を味わうことができましたが、本業(と私は捉えている)のsupercell 楽曲らしい曲調は「雨、キミを連れて」くらいしかなく、寂しかったです。それゆえに、ついこの間発表されたsupercell の新曲と新vo.の新情報はとんでもなく嬉しかったのです。
ann,gaku/supercell 第4期
このツインボーカル とryoさんの楽曲で、どんなものが出来上がるかが今からとても楽しみです。EGOISTで培った技量も存分にsupercell で活かしてくれると、もっといいなっと思います。
本当ryo(supercell )さんは私が人生レベルで影響をうけた音楽作家であり常日頃から畏敬の念を抱くばかりです。
supercell で君しらをはじめヒット曲を連発し、EGOISTでも、『名前のない怪物 』や『the everlasting guilty crown 』、『KABANERI OF THE IRON FORTRESS 』などヒット曲を飛ばし、ベストでも10万枚を売り上げるほどの人気アーティストになっています。(多分アニソン界隈のアーティストでベスト出して10万いけるのは他には水樹奈々 やLisaぐらい)。別にランキングにこだわる性質でもないのですが、テレビ番組などでアニソンランキングベスト100という題材で取り上げられたとき、『君の知らない物語 』/『名前のない怪物 』の二曲がランクインしており、(12位 『君の知らない物語 』-『化物語 』/ 47位『名前のない怪物 』-『PSYCHO-PASS 』)一人の作家が一曲ランクインするだけでも、なかなか難しい所を、二曲ランクインに加えてベスト100という形態に対して、どちらもベスト50に入っているという快挙ぶりを果たしているわけです。当然これは一つの番組の結果にしか過ぎませんが。
ここからはお礼というか、この記事を作る際に、一部参考にさせていただいたサイトがあり、それはryo(supercell )さんの作曲一覧(EGOIST Tia supercell など分別などもされている)というサイトなのですが、本当に助けになりました。この場を借りて感謝の意を心から申し上げます。
supercell-db.hateblo.jp
ryo(supercell )さんの楽曲が好きな人は一度覗いて、復習するのもアリですよ。
あとこれは個人的な話ですが今回より字数の多い記事は当分出ません。
では、また次の記事で。